事業仕分けと議員の責任

2010-10-26 23:34:02 | カテゴリ:活動報告


 本日は構想日本の第159回J.I.フォーラム「事業仕分け・オリジナル」に参加してきました。構想日本は「事業仕分け」を始めた団体です。みんなの党の山内康一さんや、自民党の河野太郎さんをはじめ、地方自治体で事業仕分けに関わった方々がパネラーに。8月には横浜市も「事業評価会議」という仕分けもどきを行い、私も参加したので、その辺のことも考えながら話を聞いてきました。

 なぜ事業仕分けが必要なほどムダが生まれてしまうのか、という問題に対して、

  ・中で働いている職員には、客観的にその事業が必要かどうかの判別がつかない
  ・導入時には良かった制度も20年もすれば陳腐化してしまう
  ・思いつき、情緒的に法律・制度が作られてしまう

などの意見が出ていました

 この議論の中で面白かった表現が、「冷蔵庫の中身みたい」。安いとか、必要だとか色々買い物をして詰め込んでも、奥の方に何があるか忘れて、また新しいものを買ってしまう。そうこうしているうちに、奥の食品は腐ってしまう。その腐った食品を見つけ出して、捨てるのが事業仕分けだという喩え。

 議論全体で特に印象的だったのが、河野さんが言っていた「仕分けが必要なのは、議員が予算審査も、決算審査も十分に行ってこなかったからだ」、「これまでの地方議員のように議会で質問するだけではなく、条例を提案したり、予算を修正できる議員を増やさないといけない」という意見。確かにその通りだと思いました。先日は横浜市の決算審査の傍聴に行きましたが、ちゃんと職員の答弁に切り込んでいく議員もいれば、職員の回答は気にせずに、ただただ紙に書いてある質問を読むだけの議員もいました。

 一方で横浜はどうでしょうか。街頭演説で何度も触れてきましたが、「横浜市事業評価会議」は事業仕分けによく似た作りで、市職員、市会議員、有識者、市民の代表が参加して、特定の事業について議論します。しかしながら、仕分けではないので予算を削るとかいう話にならない。「評価」と言いつつも明確な基準もなく、議論も深まらない。実際に予算策定に反映されるのかもよくわからない。結局何のための会議なのかよくわからないものでした。「まだ始まったばかりだから」という言い訳をできるような財政状況にはないはずです。

 パネラーの海東さんからは、「アリバイ作りのために仕分けを行っている自治体もある」という指摘がありました。横浜市も、アリバイ作りやパフォーマンスに終わらせるのではなく、緊迫した財政状況改善のために、ムダ削減に全力を尽くす必要があります。私自身も市政に挑戦する身として、河野さんの意見を自身の問題と受け止めて、気を引き締めて臨みます。

Comments 6

  1. 辻野 長 より:

    藤崎さんの事業仕訳のブログに対して。

    「なぜ事業仕分けが必要なほどムダが生まれてしまうのか、という問題に対して、」

      ・中で働いている職員には、客観的にその事業が必要かどうかの判別がつかない
      ・導入時には良かった制度も20年もすれば陳腐化してしまう
      ・思いつき、情緒的に法律・制度が作られてしまう

    以上がムダのでるきっかけでしょう・・が、そんな代物だけではないのでは?

    現在の民主党のパフォーマンス化した「ムダな事業を削減するだけの事業仕訳」
    では、菅予算の一律削減(シーリング)と変わりません。(小沢一郎氏が指摘している通りです)
    <無駄な使途金と云うより、計画的に税金を横領する組織・体質を壊す事>以外に
    意味合いはありません。
    ゆえに命がけの革命的決断がない限り、1団体や1特別会計の数事業の内、1~2を
    「廃止!」としても、本体の組織や特別会計項目が存在する限り、
    単なる「節減予算」であって、構造的革命ではあり得ません。
    表現は違いますが、江田憲司のずっと言って来ている事や小沢一郎の哲学に流れる
    「組織、構造の仕組みを変えなければ、何も生まれないでしょう。

    • 藤崎浩太郎 より:

      辻野さんの仰る通りだと思います。

      事業仕分けは決算審査みたいなものです。基本的には事業の価値を評価するのではなく、予算の使途が事業目的に合致しているかどうかを判断していきます。ですから、事業仕分けを通じて、構造改革を行うことはできないですよね。

      パネリストからは、事業仕分けだけでなく仕事仕分けも必要、という意見も出ていました。横浜市としても今後、事業仕分けのように事業目的に沿わない支出を削減するだけでなく、横浜市が行わなくていいような事業を民間に移譲していくような仕事仕分け、ひいては構造改革が必要だと考えます。

    • 辻野 長 より:

      藤崎さんはさすが「打てば響く」の端的なお考えの持ち主です。
      師匠江田さんの感化もあったんでしょうが!ありがとう。

    • 藤崎浩太郎 より:

      いえいえ、とんでもないです。
      辻野さんとの議論にも、いつも鍛えられています。

  2. 辻野 長 より:

    青葉区民祭りは盛況でした。
    早朝からのボランティア・・お疲れ様でした!

    ブログ・エッセイが一旦藤崎さんが見てから、アップされるように
    なったら、メールでお知らせください。

  3. 辻野 長 より:

    最近、市が尾の新築マンションの工事が始まりました。
    中田市長の頃、うやむやのうちに決定した「緑税」と関連があります。

    民主党市議会議員が地区懇談会で、ある支持者が緑税の質問をしたら、
    「横浜は緑がどんどん減っている!!緑の多い町を取り返すために
    3%の新税をお願いしました!!!」と高らかに、得意げに答弁しておりました。
    質問者は納得した模様だったので私が関連で問いただしました。
    「横浜市だけがなぜ緑が減っているのですか」「神奈川県全体は大丈夫なのに、よりによって、横浜市だけが<砂漠化>でもしているんでしょうか?」と皮肉と確信を込めて質問したところ「そうなんです」との答え。

    さらに私が緑が減っているという裏付けをとるために市が撮って発表した、「航空写真のエセの分析や、本当に気候的に横浜だけの沙漠化?はおかしいのでは!」
    市議が返答に窮したので、さらに「本当の犯人はデベロッパー(宅地開発、土建)
    が土地や木々をほじくり返して整地していることが原因でしょう」
    「市長とゼネコンまたは地元デベロッパーとの癒着そのものの結果をタダでも高い市民税にプラスしてそれもこっそり3%増税だろう!」と語気荒げに発言したら、
    「すみません・・・その通りです・・。ただ、相続税に苦しむ住民が相続税を払えなくって土地を手放すのも原因なのです」と弁解にならない返答でした。
    いわゆるばれたんです。
    この件は都筑区選出のみんなの党の市議のタウンミーティングでも一昨年リサーチの議題にあがっていたので私にも前知識があったので簡単に論破でき、実態が民主党懇談会に集まった支持者に浸透しました。

    藤崎さんが、夏場に駅頭演説で話していた、<横浜市が「水」を製造し販売する非効率な水道局関連事業財団>なども早々に正体を暴き
    広報告知、マスコミの取材と放送、記事にして、他にもあるだろう不正支出(無駄使いとは言わない)を一つでも多く廃止に追いやる運動を、国政の歩調と合わせて実施されることを
    期待します。 辻野

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