平成25年度決算特別委員会決算第一・決算第二特別委員会連合審査会

2014-10-07 21:45:32 | カテゴリ:活動報告


2014年9月26日(金)、平成25年度決算特別委員会決算第一・決算第二特別委員会連合審査会におきまして、質疑を行いました。

1 青少年の自立支援
2 社会的養護
3 オープンデータ
4 中学校給食
5 パブリックコメント・市民意見募集

という5項目について、答弁を求めました。

以下、質問の原稿と答弁のメモです。(議事録ではないので、実際の内容とは若干言い回し等が異なります。)
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1 青少年の自立支援

困難を抱える若者の自立支援について伺います。平成24年度の横浜市の子ども・若者実態調査の結果を見ると、横浜市内のひきこもり状態にある若者の人数は約8,000人、無業状態にある若者の人数は、約57,000人であると推計されています。教育現場だけでなく、福祉や労働の分野と連携して、課題解決に向けて努力することが必要です。そこで、

質問1 困難を抱える若者の自立支援の重要性についてどのように考えているのか、市長に伺います。
答弁1 若者が社会との結びつきを失い、孤立状態で人生を過ごすことは、将来につながる人間関係や経験を獲得するチャンスが失われ、大変つらいことです。また、こうした若者が増えていけば、労働力人口の減少や生活保護受給者の増加など、社会保障負担は増大していくため、支援の重要性は非常に高く、積極的な取組が必要です。取組を進めるにあたっては、教育・労働・福祉の分野が連携して、一人ひとりの能力や適性を見極め、若者が社会とのつながりを取り戻せるよう支援してまいります。

全国的には若者サポートステーションを中心にさまざまな困難を抱える若者の自立支援施策が展開されておりますが、近年注目されてきている、豊中市の取組みや、静岡の就労支援ネットワークの取組みは、より「就労」に直結し、成果を上げています。若者の自立支援は、「就労」というゴールに向けて、最終的には支援を受ける側から働き手として社会を支える側に変わっていただくことが重要であると考えています。そこで、

質問2 就労を目標に困難を抱える若者の自立支援を進めている若者サポートステーションの平成25年度の実績について、局長に伺います。
答弁2 横浜市では、よこはま若者サポートステーション、湘南・横浜若者サポートステーションの2か所の補助を行っていますが、どちらも全国的な評価をいただいていると思っています。25年度に支援した2,542人のうち、就労を決定した方が425人、就学を決定した方が188人、就労訓練を開始した方が277人となっております。このほか、他の就労支援プログラムや、医療、福祉など、若者の状況に応じて、必要な機関につなげています。

支援の実績がある一方で、国では若者サポートステーションとハローワークとの役割分担や、サポートステーション事業の成果を評価する方法について意見も出てきていると聞いています。そこで、

質問3 横浜市として若者サポートステーションの意義をどのように考えているのか、市長に伺います。
答弁3 若者サポートステーションには、ひきこもり経験から、「基本的な生活習慣を身につけていない」、「対人関係を築くことが難しい」など、困難を抱えた若者が数多く相談に訪れています。そのような若者は、ハローワークで仕事を探す以前に、自信の回復、体力や生活能力の向上が欠かすことができず、さらには就労に向けた基礎的な知識や態度を身につけていただく必要があります。一人ひとりに寄り添い、きめ細やかな対応ができるのは、若者サポートステーションならばこそと考えております。

引きこもりや無業の若者の推計値と、サポステの利用実態は乖離のある数字となっています。こうした状況に対して、高校を中退したり、卒業した後のサポートだけでは捕捉しきれないという課題から、高校在校生に対して在学中に学校と協力しての支援の重要性が認識され、取組まれています。青葉区の県立田奈高校では田奈passという取組みがありましたが、平成26年度には国の予算が削られています。また、NPOの取組みとして、田奈高校でのバイターンが注目され、石巻でも展開されています。内閣府等からも注目されてきた取組みでもあります。

質問4 現在、実施している高校在校生に対する支援を拡充すべきと考えますが、市長の考えを伺います。
答弁4 国の学校連携事業の対象は、26年度から中退者などに限定され、予算は縮小されました。しかし、困難を抱える生徒に対する支援は、中退し、学校や社会とのつながりがなくなってしまってからでは遅いと考えており、予算の復活を国に要望するとともに、それぞれの若者サポートステーションには、引き続き、在校生を対象とした対応をお願いしております。本市としては、次代を担う若者が、たとえ困難を抱えたとしても、それを克服し、存分に活躍できる社会となるよう取り組んでまいります。

  
2 社会的養護

さて、若者サポートステーションの利用者の方々が抱えている課題は、学校や職場が原因となっているものや、家庭環境によるものなど様々であると思います。家庭環境に課題がある場合は、青年期になる以前に、幼少期などの段階で支援を開始することが必要であり、これらの施策の充実も求められているところだと思います。

平成25年に厚生労働省がまとめた「社会的養護の課題と将来像の実現に向けて」の中で、保護者のいない児童、被虐待児童など家庭環境上養護を必要とする対象児童は、全国で約4万6千人と推計されており、横浜市においても毎年800人程度の児童が市内の児童養護施設などに入所していると聞いています。
この背後には、貧困などによりこどもの養育が難しい家庭に生まれたり、育児放棄や虐待を受けている児童が多く存在しています。
児童相談所における児童虐待に関する「相談・通告受理件数」は年々増加しており、平成25年度には4,209件が受理されています。そこで、

質問5 平成25年度の本市における児童虐待の状況について、局長に伺います。
答弁5 児童相談所が受理した4,209件の虐待通告のうち、25年度に、新たに虐待であると認定した件数は、1,159件で、過去最多の件数となりました。児童相談所では、緊急に介入が必要な事例には一時保護を行っており、25年度に一時保護所で保護を行った件数は1,106件で、年々増加しております。

児童虐待の増加に伴い、親から児童を保護する件数も増え、児童相談所の一時保護所や児童養護施設等に入所する児童数が減らないことも課題であると考えています。また、施設における専門スタッフによるケアが必要なケースもあるでしょうが、幼少期から安定した、より家庭的な環境の中で養育することが、こどもの成長に大きな効果があることは科学的にも示されてきました。そこで、

質問6 児童虐待の増加を背景に、社会的養護の質・量の拡充が求められているが、横浜市の社会的養護の現状について、局長に伺います。
答弁6 本市では、一時保護の増に対応するため、児童養護施設等の整備を進め、入所定員を増加させてきましたが、いまだ入所待ち児童が減少していません。また、虐待等を受けた子どもたちの一人ひとりを手厚く養育していくためには、里親やファミリーホームでの支援も重要であり、一層の充実が必要です。さらに社会的養護を必要とする子どもには、発達障害や中高生の思春期のお子さんなど、関係づくりが難しい子どもが増加していますので、環境の整備や対応能力の向上を図ることが重要です。

現在、社会的養護を必要とするこどものうち里親などの家庭的な環境で養育されているこどもはわずかに約1割で、児童養護施設等に入所している児童数の約9割に対して圧倒的に少ない現状となっています。国からは将来像として、里親、グループホーム、施設の割合をそれぞれ3分の1ずつにしていく目標が掲げられていますが、

質問7 本市としては、どのような社会的養護を目指しているのか、市長に伺います。
答弁7 社会的養護を進めるには、子どもたちが家庭的な環境で大切にされる体験を積み重ね、自己肯定感や他者との信頼感が育まれることが大切だと考えています。このため、里親等の充実が重要ですが、必要な数の確保は困難であり、また、様々な深刻な課題を抱えた子どもに対応できる里親も少ない現状から、児童養護施設や情緒障害児短期治療施設等も必要です。そこで、里親等の拡充に努め、施設もできる限り家庭的な環境に整えていくほか、対応が難しい子どもへの専門的な支援を行うなど、質の充実に努めていきます。

家庭的な養育環境を整えるために、里親への委託はもっと進めるべきと考えていますが、日本の里親等委託児童数は欧米など諸外国に比べるとまだまだ低い数字です。本市の里親等委託率も平成25年3月末で11.4%と、全国平均を下回っています。

質問8 本市が里親などの家庭での養護を増やしていくための方策を副市長に伺います。
答弁8 親に代わり温かい愛情を持って子どもに接する里親による養育は、とても大切なことだと考えています。より多くの方々に里親として活躍していただくため、子どもの置かれている状況や里親制度の普及・啓発を進めるとともに、法人化した里親会を里親支援機関に位置付け、同会と連携しながら、新たな里親を開拓してまいります。また、里親の資質向上を図る研修の充実のほか、里親同士の交流や心理士による相談など、社会的養護の担い手となる里親の支援を充実させてまいります。

先程は困難を抱える若者の質疑も行いましたが、そういった若者の中には、養育環境に課題があった例も少なくないと考えています。里親も重要ですが、私は、新生児・0歳児の虐待、虐待死を無くすには、特別養子縁組も一つの有効な策ではないかと思っています。望まない妊娠による出産や、経済的な理由などで保護者が育てられなくなったこども、虐待などで家庭に恵まれないこどもが、養子を望んでいる養親とつながれることで、あたたかい家庭で暮らせて、育つ事ができる重要な選択肢だと考えます。

特別養子縁組は、社会的養護の一環とは位置づけられておらず、全国で400件程度しかないのが現実ですが、

質問9 今後こどもに温かい家庭を与えるために、選択肢の1つとして特別養子縁組の制度についても、社会的に広く認知され、活用されるよう、市として積極的に取り組むべきと考えるが、市長の見解を伺います。
答弁9 里親などの養育者と子どもの間に、特別養子縁組等が成立し、法的にも安定した親子関係を築けることは、子どもの健全な育成にとって望ましいと考えています。本市としても、家庭に恵まれない子どもを、社会全体で育てることへの理解を幅広く進めてまいります。また、0歳児の虐待死などから子どもの命を守るため、予期せぬ妊娠に悩む女性への、妊娠期からの相談支援体制の充実を図ります。また、国の動向も踏まえ、社会的養護等の支援制度について、必要な方への的確な情報提供と活用の促進を図れるよう、検討していきます。

3 オープンデータ

次にオープンデータを活用した政策課題の解決についてお伺いします。
先ほど田奈高校での「バイターン」という取り組みにふれました。先日、この「バイターン」をテーマに、横浜市立大学においてフューチャーセッションが開催されました。このフューチャーセッションは横浜市立大学のCOC事業の一環として行われ、ローカルグッドヨコハマが共催し、高校教育関係者や若者支援のNPO、企業人、研究者など様々な立場の方々が参加され、建設的な対話が活発に行われました。こうした

質問10 大学やNPO、企業など多様な主体が展開する民間の創造的な対話の取り組みに対しては、どのように支援しようとしているのか、市長にお尋ねします。
答弁10 これまでの横浜市民生活白書などに加えて、それぞれの地域の実情を市民の皆様に、より一層知っていただくために、オープンデータの提供に取り組んでいます。また、データを地図にわかりやすく表示するGISの活用や、政策課題について創造的な対話を行うフューチャーセッションを各方面で展開するなど、地域の課題解決に向けた支援を行っています。

私はこのような創造的な対話の仕組みづくりのポイントになるのが、オープンガバメントの推進だと思います。本市において、その1要素であるオープンデータの推進について、平成24年9月の定例議会の一般質問で質問させて頂いて以来、横浜市として積極的に取り組くんで来たのではないかと思います。

質問11 これまでのオープンデータの推進に関わる本市の取り組みを振り返っての所感を市長にお尋ねします。
答弁11 オープンデータの推進につきましては、この3月に全国に先駆けて指針を策定するとともに、様々な団体や企業の皆様と連携してイベントの開催や活用事例を積み重ねてきました。このように、あくまでも民間が主体となって、オープンデータを進めているところが、横浜の特徴であると考えています。市民の皆様が持つ力を最大限に発揮し、地域の課題解決や経済の活性化につなげていけるよう、引き続きオール横浜で取り組んでいきます。

オープンデータの推進は政策局が中心になって担っていますが、各区局にその取り組みを広げていくべきだと考えます。そこで

質問12 オープンデータを全庁的に広げて行くためにどのような取組をしようとしているのか政策局長にお尋ねします。
答弁12 局内にIT化推進本部が設置したプロジェクトがございまして、そのプロジェクトが中心となって全区局の職員を対象にした研修を行い、意識やスキルを高めるとともに、推進の基盤となる本市のウェブサイトのオープンデータ化を進めています。また、旭区左近山団地で行った防災・減災のワークショップや、旧東海道の街歩きを楽しむアプリの開発など市民や企業の皆様からの提案により関係区局が連携して取り組んだ事例も生まれており、引き続き具体的な実践事例を各区局で積み重ねていくことで、オープンデータを全庁的に広げていきます。

オープンデータ推進の指針では、積極的な公開や、原則的な公開が示されてきましたが、各区局の意識向上には、マッチングやコーディネートも重要だと考えます。現在その機能として、「ヨコハマオープンデータデスク」が開設されていますが、

質問13 ヨコハマオープンデータデスクの機能と相談実績はどのようになっているのか、政策局長にお尋ねします。
質問13 よこはまオープンデータデスクは企業、NPO、大学研究機関、その他各種団体の皆様からオープンデータの利活用についての御意見や、御提案を幅広くお受けするために開設したものです。6月24日の開設以来、現在まで40件の問い合わせや視察依頼、御提案を受けており、現在のところ、福祉や子育て、まちづくりなどをテーマにした7つの案件で、オープンデータを通じた本市との協働事業の実現に向けて取り組んでいます。

オープンデータを通じた政策課題解決の礎にあるのが、行政の透明性、市民参加、官民の連携を基本としたオープンガバメントの発想だと考えています。行政による多様な主体のマッチングやコーディネートもこのオープンガバメントの発想がないと上手く機能しないと考えます。またオープンガバメントを具体的に展開していくためにはICTの活用が不可欠だと考えています。そこで

質問14 横浜市においてもオープンデータを通じたオープンガバメントの実現を ICTを活用して図って行くべきだと考えますが、市長の見解を伺います。
答弁14 中期4か年計画の素案において、公民連携を積極的に進め、民間と行政の対話の場を充実させるために、ICTを活用し、オープンデータを推進していくこととしています。そうした取組の中で、民間の方々の提案やアイデアを引き出し、市民の皆さま方との協働による地域課題解決に向けたアクションを展開していきます。

4 中学校給食

中学校給食についてお伺いいたします。先日教育委員会が実施した「中学校の昼食に関するアンケート」について、結果が公表されました。アンケート結果を見ると、価格については、全体の約8割にあたる方が、300円台から400円台ならば購入する、という回答をしています。そこで、

質問15 アンケート結果を踏まえ、できるだけ安く提供すべきと考えますが、教育長のお考えを伺います。
答弁15 具体的な提供価格につきましては、横浜らしい中学校昼食のあり方を、年内を目途にまとめていく中で、検討してまいります。

500円の業者弁当では、1ヶ月で1万円となり高過ぎるという声も聞こえます。市民が負担しやすい金額にするには、公費負担が必要ではないかと考えますが、

質問16 公費負担について、市長の考えを伺います。
答弁16 私もダイエーにいた当時、実はダイエーの社員食堂さんに、近くの、火が使えないビルでした。食堂をおけないので、やってもらったのは、300円切ったくらいが一番人気でした。500円はちょっと高いと思います。そういう点を含めて、只今検討しております。

さて、アンケートの自由記述欄において、中学校給食実施を希望する意見もありました。全体で524件、8.1%となっていますが、自由記述欄への記載の中では、26.3%と、決して少なくはない数字であると考えています。そこで、

質問17 給食を実施してほしいという意見があったことについて、市長の所感を伺います。
答弁17 給食については、実施してほしいという意見をいただいたことはございますし、その一方で、実施しなくてもよいとの意見も寄せられていますね。大勢は想定した配達弁当に賛同していただいた結果となっております。さまざまなご意見をいただいている中で、皆様からのご意見を踏まえながら、年内を目途に、横浜らしい中学校昼食のあり方を、まとめてまいります。

5 パブリックコメント・市民意見募集

平成24年9月11日に行われた、横浜市会本会議一般質問におきまして、私がパブリックコメントに対する評価を市長に質問致しました。その際市長は「意見が少ない案件もあることから、市民の皆様に情報をきめ細かく提供し、関心を呼ぶよう工夫していくことが課題と考えています。」とご答弁なされました。しかしながら、平成24年度のパブコメの意見数は、1案件あたり平均で86人の方から201件であったのに対し、平成25年度は1件あたり平均77人の方から144件と減少しています。

質問18 市長のご答弁後に取られた対応と、減少した原因、今後の取組みについて市長に伺います。
答弁18 それぞれの案件について、市民の皆様へ、各種会議での計画の説明や、様々な機会をとらえたPRに努めました。意見の数は、皆様の関心があるテーマかどうかによるところが大きいと考えますが、今後とも、様々な場面で皆様の関心が高まるよう、よりきめ細かい情報提供を工夫していきます。

これまでのパブリックコメントや市民意見募集の結果を拝見しますと、ある一定のボリュームで、市の方針とは異なる意見が出てくる事があります。反対意見や、市の方針に沿わない意見、少数意見など、

質問19 市長はどのように、こうした意見と向き合っているのか、応えているのか伺います。
答弁19 どのような意見についても、市民の皆様の声として、しっかりと受け止め、検討し、取り入れるべき点は積極的に施策に反映することや、反映できない意見についてはその理由を示すなど、説明責任を果たしていくことが重要だと考えます。

中学校給食に対する意見も非常に多かったのですから、市民の声に正面から向き合う必要があるのではないかと思います。

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