横浜市の特別養子縁組への取組。常任委員会から。

2015-02-15 21:34:13 | カテゴリ:活動報告


横浜市児童虐待対策推進について

2月13日(金)、所属する常任委員会「こども青少年・教育委員会」が開催され、こども青少年局関連の補正予算や条例改正といった現年度議案や報告案件について、議論が行われました。

報告事項の中で、児童虐待対策の推進について、平成26年度の実績と、平成27年度の主な取り組みについて報告が行われました。横浜市では、児童虐待による死亡事例が続き、こども青少年が中心となってその防止に努めてきました。ここ数年は毎年虐待の発見件数も伸び、その対応への取組が進んでいます。居所不明児童の把握なども徹底され、今年度は今のところ虐待での死亡事例が生じていません。そうして点で、これまでの児童虐待対策には一定の成果が上がり、評価できると考えています。

一方これで終わりということではありませんので、今後の更なる取組にも期待しています。その1つが、先日もブログで取り上げた妊娠SOS相談窓口であり、特別養子縁組でもあります。常任委員会の場では、妊娠SOS相談窓口が設置され、多くの方の悩みや問題が解消されることが、虐待対策の入口の拡充になり重要なことである一方、出口となる具体的な対応策についてどのように考えるのかを、局長と議論をしました。27年度の取組の中でも、児童養護施設の整備が示されていますが、施設には定員の限界がありますし、国としては家庭養護にシフトしてきています。そうした意味で、ハード整備だけでなく、里親などソフト面での対策をどう考えるのか、局長に意見を求めました。局長の答弁では、里親のみならず、「特別養子縁組」についての言及もなされました。

特別養子縁組は、ここ1年ほど私も議会で力を入れてきたテーマです。特別養子縁組は、里親制度や、普通養子縁組とは異なり、「6歳未満」という縁組の年齢や養親の年齢などの制限や、実親との関係が戸籍上も消滅し実親子関係に準じる安定した養親子関係を成立させるなどといった特徴があり、家庭裁判所により成立の判断が行われます。民法では「特別養子縁組は、父母による養子となる者の監護が著しく困難又は不適当であることその他特別の事情がある場合において、子の利益のため特に必要があると認めるときに、これを成立させるものとする。」とされています(817条の7)。

横浜市でも、全国的にも問題になっている児童虐待。厚労省によると虐待によって亡くなった子どもの年齢は、0歳が43.1%、0〜2歳児を合わせると62.7%と報告されています(平成26年)。その原因として「望まない妊娠(予期せぬ妊娠)」が示されています。特別養子縁組が注目されているのはこの点です。虐待などの問題を抱え子育てすることが困難な実親から、子どもを育てたい養親に子どもが縁組されることで、虐待することも、されることも無くなり、子どもにとってより良い養育環境を用意しようという取組です。

里親も重要ですが、新生児・0歳児の虐待、虐待死を無くすには、特別養子縁組も一つの有効な策ではないかと考えています。望まない妊娠による出産や、経済的な理由などで保護者が育てられなくなった子ども、虐待などで家庭に恵まれないこどもが、養子を望んでいる養親とつながれることで、あたたかい家庭で暮らせて、育つ事ができる重要な選択肢だと考えます。しかしながら、現在特別養子縁組は社会的養護の一環とは位置づけられていません。全国でも400件程度、横浜市でも数件しか行われていないのが現状です。

昨年10月の議会では、横浜市としても積極的に特別養子縁組に取組むべきではないかと、市長に見解を求めました。その際市長からは、「里親などの養育者と子どもの間に、特別養子縁組等が成立し、法的にも安定した親子関係を築けることは、子どもの健全な育成にとって望ましいと考えています。」との答弁がありました。今回局長からも特別養子縁組に対する言及もあり、市長も、局長も同じ方向を向いているので、期待をしたいところです。

※委員会配布資料:児童虐待対策推進について(27年度の主な取組と26年度の主な実績)

Comments 2

  1. 大山めぐみ より:

    乳児園で過ごす子供達を暖かい家庭で育て、家族との結びつきを通じて成長をサポートさせてください。横浜がもっと特別養子縁組に積極的に取り組んでもらえるようお願いしたいです。

    • 藤崎浩太郎 より:

      コメントありがとうございます。
      仰るとおりで、施設養護を減らして家庭養護を拡大していけるよう、横浜市として支援体制を充実させていけるよう、今後も取組んでいきます。

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