横浜市会平成27年度予算第一特別委員会 都市整備局審査(2015.2.25)

2015-03-06 00:00:32 | カテゴリ:活動報告


2月25日(水)、横浜市会平成27年度予算第一特別委員会におきまして、都市整備局の審査を行いました。

1 都市デザインの推進
2 ヨコハマ市民まち普請事業
3 鉄道駅のホームドア整備
4 初黄・日ノ出町地区

という4項目について、答弁を求めました。

以下、質問の原稿と答弁のメモです。(議事録ではないので、実際の内容とは若干言い回し等が異なります。)
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1 都市デザインの推進 

横浜の都市デザインの推進について、質問します。
 横浜がこれまで、歴史や文化など独自の魅力を持つ街を育んでこれたのは、都市デザインの取組が大きく貢献してきたものだと考えています。
そこで、

質問1 26年度の取組について担当理事に伺います。
答弁1 魅力のある都市づくりを進めるため、桜木町駅西口広場、金沢八景駅周辺のまちづくり、旧東海道「保土ケ谷宿」のみちづくりなど、公共施設等のデザインの企画・調整のほか、歴史的建造物の保全活用に取り組みました。また、都市美対策審議会からの提言を受け、これからの都市デザインの方向性を示す「横浜都市デザインビジョン」の作成を進めています。

縮小する社会の中で、都市を取り巻く状況も大きく変わり、次の時代に向けた新たな都市デザインの取組が必要だと考えます。そのような状況下において

質問2 「横浜都市デザインビジョン」の作成の目的について伺います。
答弁2 横浜は、全国に先駆けて、都市デザインに取り組み、多くの成果をあげてきました。しかし、近年、社会状況が大きく変化し、都市に求められる課題が、ますます複雑かつ多様になってきており、このような時代であるからこそ、様々な方が主体的に魅力のある都市づくりに参加し、取り組む必要があると考えています。こうした認識のもと、横浜が都市デザインの先駆者として、引き続き先導的な役割を担い都市づくりを進めていくため、「横浜都市デザインビジョン」を作成しました。

これからの時代、より魅力的な都市づくりを進めていくうえでも、次の時代に向けて都市デザインの役割を明確にすることは必要だと思います。また、行政だけが都市づくりに取り組むのではなく、異なる分野や立場の人々が議論し連携して取り組むことがより一層重要です。そこで、

質問3 新たな時代に向けた「横浜都市デザインビジョン」の特徴について伺います。   
答弁3 このビジョンでは、様々な方が横浜で都市づくりに取り組む際に、共有すべき価値観として、都市の活力を生む「創造性」、心地よさを生む「親近感」、新たな挑戦を促す「寛容性」、相互のつながりをつくる「有機的」、都市に深み・味わいをもたらす「物語性」の5つを掲げています。産学官民でこの価値観を共有し、それぞれが自律的に、都市づくりに取り組むことを掲げたこと、また、「風景スケッチブック」という形で、将来像の一例をイメージ図でも伝える工夫をしていることなどが特徴となっています。

横浜は長年、都市の魅力を高めるために、街の景観形成をはじめ様々な都市デザイン活動に取り組んできましたが、このように都市デザインの考え方をまとめたビジョンは初めて作られたということです。内容を拝見すると、概念的で理念的で、具体性は無いものの、幅広く包括している、上位的な概念かと思います。今後も都市デザインによる都市づくりを進めるためには、このビジョンを広めて様々な事業に反映させていくことが、とても重要です。そこで、

質問4 今後の取組について伺います。
答弁4 今後は、都市デザインに関するシンポジウムや研究会、ワークショップなど、様々な機会を通じて、「横浜都市デザインビジョン」を広く共有していきます。更に、様々な事業のデザイン調整にあたっては、関係部署や民間事業者にも協力を得ながら、このビジョンの内容を反映させていきます。なお、27年度は、港のある風景など、地区の特性を生かした景観形成の指針となる「横浜市景観ビジョン」の改定作業に着手するので、「横浜都市デザインビジョン」の内容も踏まえて進めていきます。

都市デザインの取組を進めるとともに多くの方々に知ってもらうことも大切な事と感じています。特に概念的であるが故に、直接的には落とし込めないところもあると思いますので、作ってお終いになってしまってはもったいないと思います。
都市デザインの役割はますます大きなものになっていくと思います。都市デザインビジョン自体が、都市デザイン活動の日常化を掲げ、その担い手は「全ての人」と表現され、非常に意欲的なものだと思います。庁内においても、全庁的に取り組んでもらいたいし、多様な主体が参加できる場や仕組みがなければ、理解して終わりになってしまってはもったいないと思いますが、

質問5 改めて横浜にとっての都市デザインの意義と役割について副市長に伺います。
答弁5 横浜は、これまで市民が誇りに思う都市をつくるため、都市デザインの先駆者として取り組んできました。これまでの都市デザインに対する取組が、横浜の魅力を作り上げてきている、非常に大きな要素だと思います。今後も、市民の皆様をはじめ、多くの関係者と連携しながら、都市デザインに取り組み、横浜の価値を高めるとともに、自分の街への誇りと愛着を育てていくことが重要と考えています。横浜が、他の都市とは異なる魅力と個性を持ち、国際的にも選ばれる都市であり続けるために、より一層、都市デザインの取組を進めていきます。そのためにも、作られたビジョンを大切に、生かしていくことが大事です。

新中期4か年計画を含めて、オリンピックを前に、大型の様々な整備、再開発が行われますので、このビジョンが生かされて、より良い横浜市が築かれていくことを期待しています。

2 ヨコハマ市民まち普請事業 
 
次に、「ヨコハマ市民まち普請事業」について伺います。
「まち普請事業」は、市民の皆さんが地域の環境改善を図るための施設整備を提案し、コンテストでその提案が選考された場合、次年度に最高500万円の施設整備の助成金を交付する横浜市独自の事業です。2月1日には、今年度の二次コンテストが行われ、3件のオリジナリティあふれる施設整備の提案が選考されたと聞いています。17年度の事業開始から既に10回のコンテストが行われ、各地域で様々な施設の整備が実現しています。そこで、

質問6 これまでどのような整備が行われてきたのかを伺います。
答弁6 26年度までに38件が整備されました。その内訳は、コミュニティカフェなどの交流施設の整備が11件、ビオトープなどの水や緑の環境整備が14件、広場や遊び場の整備が5件などとなっています。

「まち普請事業」では、実際に地域に施設が整備されることになりますが、その施設の維持管理や活用に市民の皆さんが継続的に参加していることが特徴となっています。他の助成事業では、整備後に活用しきれなくなり、維持管理しなければならない期間に満たずに運営が困難になる例などもあると聞いています。せっかく整備されても活用されてない状況となってしまうのは残念なことです。そこで、

質問7 施設の活用の継続状況と維持管理する期間の条件について伺います。
答弁7 38件のうち、現在も活用が継続されている施設は36件、一部活用施設は1件、廃止された施設は1件です。維持管理の期間は、建築物を整備した場合は木造建築の耐用年数の半分程度として10年、その他の施設は修繕を要するまでの期間として5年間、維持管理していただくことになっています。維持管理費の助成はないため、一般の補助事業の維持管理期間より短く設定していますが、運営を工夫するなどして、長く活用していただいています。

引き続き活用されていることは、横浜市民の皆さんの高い地域活動意欲の現れだと感じます。
先日、まち普請事業を活用して金沢区に整備されたコミュニティカフェ「さくら茶屋」を見学しました。この地域は、高齢化が急速に進む地域を住民のコミュニティの力で乗り切っていこうと大変意欲的で、その活動の場としてコミュニティカフェが重要な役割を果たしていることを目の当たりにしました。税金の使われ方としても効果的だと感じましたし、地域活動の好事例として実際に多くの見学者が訪れるなど波及効果も生じており、高い事業効果が現れていると考えます。そこで、

質問8 適切に事業効果を把握することが必要だと思いますが、局長の見解を伺います。 
答弁8 「ヨコハマ市民まち普請事業」では、地域ニーズに対応した施設が整備されるだけでなく、地域の活性化や新たなコミュニティの構築などにより、生きがいや地域の元気をつくりだすなどの効果が現れています。このような事例をエピソードとして把握するだけでなく、事業効果を定量的に測ることも必要だと認識しています。現在、有識者と共同で、整備効果を定量的に把握し、可視化する研究にも取り組んでおり、このことにより、一層地域コミュニティの向上を図ることのできる事業にしていきたいと考えています。

市民参加型事業への投資効果を見えるようにしていくことは、面白い取組だと思います。ぜひ、その指標による事業の評価を広く共有できるようにしていただければと思います。地域には様々な課題があり、その課題を市民の皆さんが解決していく際のツールとして活用されるためには、より多くの市民の皆さんに「まち普請事業」を知っていただくこと、より多様な提案をいただけるようになることが必要だと思います。
一方、この「まち普請事業」は事業開始から10年を迎え、一つの転換期を迎えるとも考えられるのではないでしょうか。一層幅広く活用されるための方策なども考えていかなくてはならないと思います。そこで、

質問9 今後の事業展開の考え方を伺います。
答弁9 「ヨコハマ市民まち普請事業」は、これまで市民と行政の協働で進めてきましたが、新たに、企業にも積極的に関わっていただく事業へと発展させていきます。具体的には、地域貢献意欲の高い企業に、施設の整備や運営の段階に協働の形で参加していただき、双方にメリットが生じるようにしていきます。そのことにより、中期4か年計画のテーマである「人も企業も輝く横浜」の実現を図っていきたいと考えています。
「ヨコハマ市民まち普請事業」は、市民の皆様が主体的にまちづくりに取り組む際の重要な事業であり、より幅広い主体が参加することで、魅力と活力ある横浜を実現していきます。

横浜といえば、経済局ではCSRの取組もありますので、そうした取組と都市整備局も協力をしながら良い成果が上がることを期待したいと思います。またそうした中で、住民自治、市民の皆様の主体的な活動が増えていくことを期待しています。

3 鉄道駅のホームドア整備

次に、鉄道駅のホームドア整備について伺います。
ホームドアが整備されると、高齢者、視覚障害者や車いすの方々はもとより、ホーム上での「ながらスマホ」の利用者やお酒に酔っている利用者も含め、ホームからの転落や電車への接触を防ぐことができるため、鉄道利用者の安全が図られ、誰もが安心して鉄道を利用できるようになります。
今年度は、東横線、みなとみらい線の横浜駅でホームドア整備が進められており、来年度の予算案には東急東横線菊名駅のほか、相鉄線でも横浜駅のホームドア整備に対する補助金が計上されておりますが、整備主体である鉄道事業者においては、さらに積極的に整備を進めてもらいたいと考えます。
そこで、

質問10 ホームドア整備に関する各鉄道事業者の最近の動向について伺います。
答弁10 国がホームドアの整備目標を定め、国と自治体が連携して支援を行うようになったことを契機に、鉄道事業者の取組が加速されていると考えています。東急電鉄は、先月、2020年までに東横線と田園都市線のすべての駅にホームドアを整備する計画を公表しました。JR東日本も、東京都心部の山手線での整備に目途が付き、山手線以外についても、利用者が多い駅を優先にホームドア整備を推進するとしていますので、本市としても、市内の駅への優先的な整備を働きかけていきます。

 国や自治体による公的な支援によって、鉄道事業者の取組が進んでいることは非常に良かったのではないかと思います。
私の地元である青葉区では、東急田園都市線の遅延が発生しており、利用者から見ると遅れるのが当たり前のようになっています。事故が多発している駅周辺の住民からは、本当にどうにかしてほしいという、切実なご意見を数多く聞いています。電車の大規模な輸送障害は、社会全体の経済的な損失にもつながるものですので、ホームドアの整備によって人身事故による遅延が減少すれば、経済的なメリットも高いと思います。
本市の補助制度では、利用者数10万人以上の駅と視覚障害者の利用が多い駅を対象としていますが、それ以外にも、事故が頻発している駅やホーム上の混雑が激しい駅、ホーム上に傾斜がある駅なども含め、必要性の高い駅には行政支援を進める必要があると考えます。そこで、

質問11 利用者の安全性を一層向上させるために、駅の実態に合わせてホームドアの補助制度の拡充を図るべきと考えますが、局長の見解を伺います。
答弁11 本市としては、まずは、利用者数10万人以上の駅へのホームドア整備を、平成32年度までに完了させることを目標に進めていきたいと考えています。利用者数10万人未満の駅については、基本的には、鉄道事業者が独自で対応していただきたいと考えていますが、人身事故が多発する駅や、ホームが混雑している駅などへの支援については、目標の達成状況を見極めた上で検討していきます。

色々方針もありますので調整も必要かと思いますが、住民の皆さんの声も聞いて取り組んで頂きたいと思います。

4 初黄・日ノ出町地区            

次に、初黄・日ノ出町地区のまちづくりについて伺います。
京浜急行日ノ出町駅から黄金町駅までのエリアでは、2005年1月から警察、地域、横浜市が、「バイバイ作戦」と称し、違法飲食店の一斉摘発を進めてきて今年で10周年を迎えています。また、こうして摘発された空き店舗を、横浜市は可能な限り借り上げて、黄金町バザールなどのアート活動によるまちの再生を進めてきました。そこで、

質問12 現在の店舗借り上げ状況について伺います。
答弁12 違法行為が行われていた小規模店舗は、約250店舗ありましたが、これまでにマンションや駐車場などに転用にされた店舗を除き、約160店舗が残っています。そのうち、現在、75店舗を借り上げています。

警察と市などが連携した環境浄化と空き店舗の転用により、違法目的の使用は少なくなり、治安向上については一定の成果はあったと考えます。
しかし、本市の借り上げは、まだ半数程度に達しているに過ぎず、不安要素はぬぐいきれません。そこで、

質問13 借り上げられない理由について伺います。
答弁13 居住用、飲食店などとして引き続き活用されている店舗を除いた、空き店舗になっているところについては、本市が借り上げられるよう取り組んでいますが、借地関係などの権利関係が複雑であり交渉が難しいなどの理由から、借り上げることが困難となっています。

市が借り上げの姿勢を緩めれば、当然、当時いい思いをした人が再び戻ってくることになり、当該地区がバイバイ作戦よりまえの状況にもどってしまいます。交渉は非常に困難だと思いますが、たゆまず、続けていく必要があるものと考えます。
また、以前、当該地区を視察した際に、京浜急行の高架下がフェンスで囲われているのが、閉塞的で防犯上にも課題であると感じ、地元組織の初黄・日ノ出町環境浄化推進協議会でも議論されていると聞いています。そこで、

質問14 今後の取組について伺います。
答弁14 現在も、犯罪抑止のため、警察による監視を24時間体制で行っていただいております。本市も、厳しい財政状況ではありますが、店舗の借り上げを進め、用途転用を積極的に図るとともに、定期的なイベント開催の支援を行ってまいります。また、京浜急行高架下の活用につきましては、今年度、黄金町駅側に、コンビニエンスストアと駐輪場を設置し、一部フェンスを取り除きました。その他の高架下につきましても、引き続き、地域の方々のご意見を伺いながら、賑わいのあるまちとなるよう取り組んでまいります。

警察と行政は手を緩めることなく、引き続き警戒を強めていただきたいと思います。
また、次の10年に向けて、地域と連携のもと、日ノ出町に完成する桟橋や京浜急行の高架下を活用するなど新たなまちの賑わいの展開を切望し、これまで以上のまちづくりの推進を期待します。

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