横浜市会平成27年度予算第一特別委員会 建築局審査(2015.2.25)

2015-03-08 22:07:13 | カテゴリ:活動報告


2月25日(水)、横浜市会平成27年度予算第一特別委員会におきまして、建築局の審査を行いました。

1 違反是正指導・市街化調整区域内の現状と取り組み
2 市営住宅等の今後のあり方
3 郊外住宅地再生の取り組み・田園都市線沿線での展開

という3項目について、答弁を求めました。

以下、質問の原稿と答弁のメモです。(議事録ではないので、実際の内容とは若干言い回し等が異なります。)
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1 違反是正指導、市街化調整区域内の現状と取組

 最初に、違反是正指導に関連して何点か質問いたします。私の地元である青葉区は、区画整理などにより開発された良好な住環境を保つ地区と、市街化調整区域により郊外の自然環境の保護が図られている地区などから構成されています。一方、これらの地域に違反建築物が建築されてしまうと良好な住環境が損なわれるなどの課題も抱えています。
 地元住民の方からも、隣接地に作業場が建設され車両通行による騒音や環境面で困っているとの相談があります。当局では、これら違法建築物等に対して建築基準法や都市計画法など関係法令に基づき指導を行っていると聞いていますが、まず、現状の確認の意味で、

質問1 過去3ヶ年の法令別の違反件数及び是正状況について伺います
答弁1 平成23年度から25年度の3ヵ年の主な法令別の件数ですが、建築基準法の違反件数は468件、是正件数が142件で是正率は約30%です。次に、都市計画法の違反件数は269件、是正件数が39件で是正率は約14%です。最後に、宅地造成等規制法の違反件数は14件、是正件数が3件、是正率は約21%です。なお、都市計画法違反は、ほとんどの案件が市街化調整区域内の違反建築物となっています。

特に、市街化調整区域内の違反建築の是正率が低く是正が進んでいない結果となっています。市街化調整区域に隣接している地区はそのほとんどが住宅地であり、資材置き場や事務所などの用途が混在することで、無秩序な地域につながるなど、住環境の観点からも早急に改善されるべき問題と考えますが、そこで、

質問2 市街化調整区域内の違反是正が進まない理由について伺います
答弁2 市街化調整区域内の違反は、法律上建築することができない建物を建設したものが多く、一部是正ではなく、是正は全面的な撤去となります。そのため、移転先の確保など物理的な改善が困難、あるいは資金面などで時間を要する、などの違反者の言い訳につながり、指導が長引く場合があります。また、土地や建物の転売などにより、違反指導中に連絡が取れなくなることもあり、これらも是正が進まない要因の一つとなっています。

多くの市民は法を遵守している一方で、違反者がいつまでも違反建築物を撤去せずに利用している状況は、不公平と言わざるを得ません。市街化調整区域内の違反建築物は、部分的な手直しでは解決せず、全面撤去に至るまでの指導に時間を要することは理解できますが、だからといって手をこまねいていては、是正が進まないことになります。
そこで、

質問3 市街化調整区域の違反建築物に対する今後の取組み方針について伺います。
答弁3 今後の取組みとして、27年度に違反対策部署の組織強化を行い機動力の増強を図ります。また、進捗管理システム導入により、違反案件のデータベース化を図り、継続的かつ効率的な指導を推進していきます。具体的な取組みにあたっては未然防止や早期発見・早期是正が重要であり、そのため、地元自治会、建設関連団体やNPO法人などと、更なる連帯強化を図ります。また、住環境に影響を及ぼす建築物や再三の指導にも従わない悪質な違反者に対しては、都市計画法に基づく是正命令を発令するなど厳正な対応を図ります。

組織強化による取組みなどにより違反是正をさらに推進することについては理解できました。住環境に悪影響を与える違反建築物に対しては、継続した指導を続け、的確な違反是正が行われることを、強く要望します。

2 市営住宅等の今後のあり方について

本市には284団地、約3万1千戸の市営住宅があり、これまで住宅セーフティネットとして機能してきました。この市営住宅を取り巻く状況は、住宅困窮者の多様化、建物の長寿命化だけでは対応できない膨大な老朽ストックへの対策、今後大量に発生する借上型市営住宅の期間満了への対応など、多くの課題が指摘されています。
このような状況の中、建築局では、持続可能な住宅セーフティネットの在り方を検討するため、住宅政策審議会において、「時代の変化を踏まえた市営住宅及び高齢者向け住宅等の今後の役割と供給の考え方」について諮問しています。
現在までに、3回の審議会が開催され、市営住宅と高齢者向け住宅等をとりまく現状を確認し、今後の役割と供給の考え方について、審議が進められていると聞いています。そこで、まず第1回から第3回までの審議会で、

質問4 市営住宅について、どのような審議が行われているか伺います。
答弁4 市営住宅につきましては、少子高齢化や厳しい社会経済状況により、住宅に困窮する方が多様化する中で、住宅セーフティネットにおける市営住宅の位置付け等について、ご審議いただきました。また、住宅に困窮する収入の少ない世帯数を推計し、その世帯の状況に応じた、市営住宅、公的な賃貸住宅や民間の賃貸住宅の供給割合につきましても、ご審議いただきました。

本市の人口は2019年に約374万人のピークを迎えますが、人口が減少に転じた後も高齢者世帯の増加が続く状況では、高齢者向けの住宅等の需要が益々高まるとみられているようですが、

質問5 高齢者向け住宅等について、どのような審議が行われているか伺います。
答弁5 将来的にも、今後、増加する高齢者世帯への住宅施策は重要であると考えています。そこで、市営住宅のほか、公的な賃貸住宅である高齢者向け優良賃貸住宅や、民間の賃貸住宅であるサービス付き高齢者向け住宅について、ご審議いただきました。その中で、市営住宅につきましては、既存の建物をバリアフリー化することにより、増加する高齢者への対応を図ることや、高齢者向け優良賃貸住宅は、新築だけでなく既存住宅の活用を検討すること、サービス付き高齢者向け住宅は、引き続き、適切な運営や質の向上を図るなどについて、ご審議いただきました。

現在、審議会で審議中ではありますが、その結果を、いかに今後の市営住宅に関する施策に、結び付けていくかということになるわけですが、

質問6 審議会の答申を受けた後、市営住宅の供給についてどのように対応していくのか伺います。
答弁6 適正な維持・管理の推進や地域まちづくりの観点など、様々な角度からのご審議を経ていただく答申や、本市の公共建築物マネジメントの考え方等を踏まえまして、「市営住宅の供給に係る基本計画」を策定していきたいと考えています。これによりまして、市営住宅が将来にわたって持続可能な住宅セーフティネットとして機能するよう、施策を進めて参りたいと思います。

住宅は社会にとっても重要な要素である一方、時代とともに機能や形状などあり方が変容してきています。従来の延長線での検討ではなく、縮小する社会のなかで、すでに終えた役割と、新しい役割とをしっかりと判断し、将来を見据えて取り組んで頂きたいと思います

3 郊外住宅地の再生の取組の沿線への展開

次に、郊外住宅地再生の取組の沿線への展開について、質問をさせていただきます。
現在、4つのモデル地区が選定され、たまプラーザ北側地区では、一定の成果が挙がってきていると共に、取組の沿線の他地域への展開に向けて、さまざまな課題が見えてきているかと思われます。
たまプラーザ北側地区の取組は、来年度で4年目を迎え、次のステップとして、モデル地区内の取組を、どのように沿線の他地域に展開していくかが課題かと思われますが、そこで、改めて

質問7 たまプラーザ地域における、取組のこれまでの成果について伺います。
答弁7 24年の住民ワークショップから始まりまして、地域住民が主体となり地域課題を解決する「住民創発プロジェクト」などの取組を通しまして、地域の方々のまちづくりへの参画意識が高まってきました。また、地域包括ケアシステムにつきましては、医療・介護関係者の連携づくりや、患者情報を共有できるシステムの構築が進んでおり、フォーラムも開催させていただきました。さらに、モデル地区内における企業社宅の再開発にあわせて、事業者と協議しながら地域利便施設の誘導を図るなど、様々な取組が進んでいます。

ハード・ソフトの両面で、具体的な取組が進んでいますが、今後、まずはこれまでの取組の成果を検証し、様々な主体が取組のプロセスを共有できるような形に文章化するなどして、例えば出版やWEBなどを用いて情報をより広く共有・発信することが、取組を展開していくためにも必要かと思われますが、そこで、

質問8 これまでの取組成果をどのようにまとめ、共有していくかについて伺います。
答弁8 プロセスも含めまして、取組の成果を目に見える形にし、情報発信をしていくことが、取組の沿線への展開を図る上でも、とても大切であると考えております。今後、地域発意型のコミュニティ活動の支援のあり方や、駅周辺への地域に必要とされる機能の誘導手法など、これまでの成果を整理・検証したうえで、これらの取組から得られたノウハウを広く発信しながら、しっかりと、共有を図っていきたいと考えております。

これまでの取組は、モデル地区内の住民の方以外の様々な主体も関わりながら進められているかと思いますが、多様な主体を、どのようなプロセスで巻き込んでいったか、今後、取組が沿線に展開していくためも、ぜひ幅広く共有していただきたいと思います。その上で、成果を田園都市線沿線の他地域にも展開し、より魅力のある沿線にしていっていただきたいと思いますが、そこで、

質問9 この取組を、どのように沿線に展開していくかについて伺います。
答弁9 すでに、田園都市線沿線の他の地域でも、様々な主体による再生・活性化に向けた動きが進みつつあるなど、たまプラーザの、この地区での取組の影響を受けた動きが生まれてきております。今後、これまでの取組で得られたノウハウ、あるいはプロセスの状況を十分に活用して、沿線の各地域にお住まいの方々とともに、企業・NPO・大学などの多様な主体と連携しながら、取組を沿線に展開したいと思います。

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