若者就労支援。静岡方式と横浜市の取組。(2015.3.11議案関連質疑)

2015-03-14 22:29:10 | カテゴリ:活動報告


藤崎浩太郎

3月11日、平成27年第1回定例会本会議にて、議案関連質疑を行いました。

追加議案として上程された、「市第217号議案 平成26年度横浜市一般会計補正予算(第6号)」のうち、困難を抱える若者のための地域サポートモデル事業について、市長に対して3つの質問を行いました。

以下、質問の原稿と答弁のメモです。(議事録ではないので、実際の内容とは若干言い回し等が異なります。)

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1 市第217号議案 平成26年度横浜市一般会計補正予算(第6号)

市第217号議案「平成26年度横浜市一般会計補正予算(第6号)」のうち、困難を抱える若者のための地域サポートモデル事業について伺います。

私はこれまで、困難を抱える若者の支援は、リスクが小さい早い段階から、支援につなげることが重要であると考えてきました。本市においても、若者サポートステーションを始め様々な取組が行われています。また、青葉区の県立田奈高校が横浜市と協力して行っている就労支援の取組などは、高校卒業前のリスクを把握できる段階での取組として、全国で同様な課題に取組む多くの方に、一層知ってもらいたい先進事例であると考えています。

一方で、他都市にも学ぶべき事例もあり、そうした事例を研究することも有効だと考えます。昨年会派として、全国から注目されている豊中市の視察を行いました。豊中市では市で雇用された民間出身の職員が、3,000社もの企業を開拓するなど、企業目線に立ったマッチングなども行われています(参考ブログ)。

昨年は「孤立を防ぐ地域づくり特別委員会」の視察にて、静岡の就労支援ネットワークの話を伺ってきました(参考ブログ)。その中で、静岡では、相談や通所の場を設けず、市民相互の助け合いにより、地域の大人がサポーターとなって自らの人的ネットワークを駆使して就労支援することにより、利用した若者の約8割が半年の間に、就労や就労体験、就活等に結び付いているとのことでした。

こうした例からも、就労体験を入口にして地域に支援のネットワークを張り巡らし、地域のすべての若者が利用できる仕組みを構築することが必要であると考えています。そこで、この度の

質問1 困難を抱える若者のための地域サポートモデル事業においても、地域人材を活用した就労支援を目指すべきと考えますが、見解を伺います。
答弁1 まずは、身近な地域において、困難を抱える若者支援についての理解者や協力者を増やす取組として、講演会やセミナーを実施いたします。その後、今藤崎先生から色々な成功事例のお話を聞かせて頂きました、若者支援団体等との協働により、自宅や職場のある地域で、活動の一歩を踏み出していただけるような場を提供していくことを予定しています。こうした取組が若者の社会参加の場の増大につながると考えます。

今回のモデル事業では、地域において若者を見守り、社会参加を支援できる環境づくりを目指すとのことですが、具体的な成果をあげるには、ある程度時間をかけて取り組む必要があり、一年間だけの取組では、難しいのではないかと考えます。そこで、

質問2 この事業の28年度以降の展開についてどのように考えているのか伺います。
答弁2 地域における若者支援の環境づくりには時間がかかるため、事業の参加者同士のつながりや、参加者と活動団体とのつながりが継続されるよう、支援していく必要があると考えています。27年度の実施結果をしっかりと検証し、本市において、どのような取組がふさわしいのか検討を重ねまして、28年度以降の取組につなげてまいります。

全国の15歳から39歳の若者のうち家事も通学もしていない若年無業者と呼ばれる若者の数は約80万人おり、平成14年度以降、ほぼ横ばいで推移しています。横浜市では、平成24年度に実態調査を実施し、市内の15歳から39歳までの若者のうち、無業状態にある若者は57,000人と推計されています。労働力人口が減少する中で、働けない若者がこのように大勢いるというのは大きな問題だと思います。そこで、

質問3 困難を抱える若者の就労支援についてどのように考えているのか伺います。
答弁3 困難を抱える若者が専門機関につながっている割合は多いとは言えず、その中で就労に結び付く若者は少ないのが現状です。今回の取組では、地域の方々や事業所の協力を得て、まずはボランティア活動や就労体験の場を増やして、さらには、こうした地域での取り組みが若者の就労に結び付くよう充実させていきたいと考えます。

横浜市では、困難を抱える若者の就労支援については、全国的にみても、いくつかの先進的な取り組みされてきたと思いますが、他都市の事例も参考にして、若者を早期に支援につなげるよりよい仕組みを作っていただくことを要望して、私の質問を終わります。

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