域内木材による、公共施設への木材活用。美瑛町視察。

2018-07-20 14:01:15 | カテゴリ:活動報告


藤崎浩太郎

7月19日は、所属する常任委員会「建築・都市整備・道路委員会」の視察で、美瑛町を訪れました。目的は、公共建築物への木材の利用促進について。

美瑛町では、「公共建築物等における木材の利用の促進に関する法律」に基づき、「美瑛町地域材利用推進方針」が定められています。町が整備する公共建築物の木造化について推進基準が設けられていて、学校、保健福祉施設、医療施設、運動施設、社会教育施設、集会場、町営住宅・職員住宅、庁舎・研修所、宿泊施設、倉庫に関して、それぞれ1,000㎡以下、1,000㎡超〜2,000㎡以下、2,000㎡超〜3,000㎡以下、3,000㎡超、といった施設の規模に応じた基準となっています。合わせて、この基準で明記されていない施設でも、積極的に木造化することとされています。また、町が整備する公共建築物の木質化推進基準も設けられていて、上記各建築物において、木質化を行う主たる箇所についても明示されています。

これまでの木材利用効果としては、美瑛産木材のPRに繋がっていることや、町民の施設への愛着が増していること、またアンケートからも市民から好評であることが明らかになっていると言います。基準がある一方、数値目標などは特に設定はされていないものの、現在建設中の市民プールでも内装の木質化が予定されていて、積極的に取り組みが行われているそうです。町としては森林認証の取得も目指していて、今後一層活用を高めていきたいと考えていらっしゃいます。

郷土資料館「美宙」と交流施設「Bi.yell」

町役場でのヒアリングのあとは、実際に木材が活用されている施設である、美瑛町郷土学館「美宙(みそら)」と、美瑛町活性化交流施設「Bi.yell」の2施設を見学しました。「美宙」は平成28年2月に竣工し、郷土資料館としての役割のほか、天文台を設けつつ、地域住民のコミュニティスペースとしての機能を持っている施設です。館内の内装にはふんだんにカラマツが使用されていて、地域木材の使用率が100%。入館すると木の香が溢れています。木材利用効果について市民アンケートでは、安らぎを得られる、温かみを感じる、落ち着くなどの感想があったそうですが、そうした印象を受ける施設です。4億円近い事業費を投じていますが、財源には国の補助金である、社会資本整備総合交付金や道森林整備加速化・林業再生事業補助金などが充当され、残りは起債によって賄われています。町内事業者に指名入札が行われていて、今後の修繕なども町内事業者に任せることで、地域経済の活性化にも寄与させようと考えられています。

美宙
美宙の内装

丘のまち交流館「Bi.yell」は、元々スーパーだった建物をリノベーションした施設。周辺スーパーとの競争によって撤退した後の施設が、有効に利用されぬまま廃墟になる恐れがあったと言います。民間事業者が購入を検討した時期もあったそうですが、実現せずいたところを、町が購入を決定。およそ7億円をかけて、交流施設へと生まれ変わらせます。こちらも内装の地域木材使用率は100%で、国の森林整備加速化・林業再生事業の補助が使われています。指定管理者制度で導入されていて、町の外郭団体である一般社団法人が運営をしています。平成27年8月から供用開始され、平成29年度は約12万6千人の方が利用されています。町の人口がおよそ1万人ですから、高い頻度で利用されているのが分かります。自由に利用できる「子ども遊びコーナー」に、ギャラリースペース、多目的スペースに、娯楽スペース、そして地下にはカフェも設けられていて、子育て世代が子どもを連れて来れたり、電車の待ち時間を過ごしたり、囲碁や将棋に興じたりと、交流施設としての役割を果たしています。こちらも事業費には国の補助金が2分の1充てられ、残りは起債となっています。

Bi.yell
Bi.yellの内装
Bi.yell
補助事業の明示
Bi.yell
Bi.yellの外観
美瑛町
美宙前で集合写真

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