神戸市会のペーパーレス化と、議会制度改革。議員の宣誓制度も。

2026-01-19 16:43:56 | カテゴリ:活動報告


藤崎浩太郎

2026年1月19日横浜市会運営委員会の視察で神戸市会にお邪魔し、ペーパーレス化や議会制度改革等について取り組みを伺いました。現在横浜市会においてもペーパーレスの取り組みが試行実施などで進められ、令和8年第1回定例会からは委員会におけるペーパーレスが本格実施されます。

ペーパーレス議会の推進

神戸市会のペーパーレス化は、令和元年9月に市会運営委員会理事会等においてICT利活用の1項目として提案がなされています。同年10月〜11月にかけてシステムの比較検討、12月にはペーパーレス化の方向性が決定されています。「DiscussCabinet」というシステムが「Sidebooks」との比較の後、選定されています。システム導入と合わせてWi-Fi環境や電源というハード整備についての議論も行われつつ、試行実施の必要性が議論されています。令和2年9月からペーパーレス議会の試行実施が1年間という予定ではじまり、紙資料は希望者へ配布するという形で進められています。令和3年1月からは本格実施に向けた検討が行われ、令和3年9月から本格実施に移行。紙資料の当局からの印刷配布は一切無しとなっています(個別に印刷することは可)。システムの作りとしては、フォルダの設定・階層化は自由、キーワード検索が全フォルダ、PDFやWord文書の検索が可能、予算は420千円/年(ID数194)となっています。

フォルダ内で共有されている資料のうち、横浜市のシステムと異なっていて優れていると感じた点として、議事録の速報版も用意されていることが挙げられます。神戸市会では正式な議事録は60日以内に公表される決まりとなっているそうですが、速報版は事業者から3日程度で神戸市会事務局に提出されることになっているそうです。ただその段階では聞き取れない部分が明確になっていなかったり誤字などがあるため、修正作業を行う必要があり、実際にシステムに速報版の議事録が共有されるのは1ヶ月後くらいになっていいるということでした。また、行政各局からの委員会資料等の提供・アップロードの時期は、開催日の1週間前と決めれれています。横浜市会では正式資料は当日となっていて、事前に固まった資料が提供されないことが課題となっています。神戸市においては当局もルールに従って資料作成を行い提出しているということで、ルール次第で運用は可能だということがよくわかりました。

ペーパーレス議会の効果

ペーパーレス議会の効果として、業務効率化、経費削減、議会の活性化、の3つの視点で説明がなされました。業務効率化としては、議員側にはいつでも・どこでも資料を閲覧できる、必要な資料をデータ保存できる、当局や市会事務局への問い合わせが不要になること、職員側としては資料を一元管理できること、紙資料の印刷が不要になったこと、紙資料の持参が不要になること、問い合わせ対応が減ることが挙げられています。経費削減としては試算として、紙資料は年間60万枚の削減につながり、経費としては年間約500万円の削減と示されています。議会の活性化としては、議員については資料の閲覧が容易になることに加え、市民からの問い合わせに活用しやすく、政策検討に資料を活用しやすくなること、市民のメリットとしては議会や審査結果をHPで確認ができ、議論・政策検討の充実によってより良いまちづくりにつながることが示されていました。この議会の活性化についてはまだ道半ばという捉え方がされていて、これから一層活性化していきたいというお考えでした。

議会制度改革

令和5年から横浜市会においても議会基本条例の見直し、議会運営の検討作業が行われましたが、神戸市会においても令和4年に、「神戸市議会基本条例」が策定された平成24年6月から10年経過したことを機に「議会制度改革検討会」が設置され、議会基本条例の検証、議会制度改革の検討が行われています。検討されたのは、1.神戸市議会基本条例の検証、2.前回の検討会で残された課題のうち検討の必要なもの、3.その他各会派からの提案項目、の大きく3項目となっていました。

1.の「神戸市議会基本条例の検証」については、議会基本条例に議会における議長の役割を明確化することが可決されて、条文が追加されています。具体的には、議長の中立活公平な立場や民主的な議会運営について、議会の代表者として議会機能強化に向けた議論を推進する役割を果たすこと、議会に関する諸課題の解決のために関係機関と連携し議会制度の改善等に積極的に取り組むこと、が明記されています。

2.の「前回の検討会で残された課題」のうち検討されたのは、会期と議員定数の2項目です。会期については通年制の導入が議論されたものの、原稿の2会期制を継続するという結論に至っています。議員定数の改正については、神戸市会の定数は当時69名となっていました。議員定数を人口規模が近い政令市と同水準で計算し直すと、60名程度となるものの、急に9名減は問題があるのではないかなど様々な意見がだされ、段階的に削減する案が多数の会派によって賛同され、令和5年の選挙においては定数が4名減となり、現在は議員定数が65名となっています。

議員の宣誓

神戸市会の特徴ある取り組みとしては、議員の宣誓が挙げられます。平成18年に収賄容疑で神戸市議が逮捕されるという事件が発生しています。これを契機に議会に「政治倫理確立委員会」が設置されて、20回の委員会が開催され議論が行われています。最終的に本会議において「政治倫理の確立に関する決議」が可決され、同年(H18)に「神戸市政治倫理綱領」が策定されています。内容としては、責務と政治倫理基準から構成されています。責務としては、政治倫理の保持、誠実かつ公正な職務執行、市民の声の市政反映、資質向上および品位と高い見識の育成といった内容が定められ、政治倫理基準としては法令順守、不正の疑惑を持たれるおそれのある行為の禁止、執行機関の公正な職務執行を妨げる働きかけの禁止、不正・不当目的での職務上知り得た情報の使用などが定められています。また平成19年からは、改選後の任期の初めに、個々の議員が宣誓書に署名し、提出することとなっています。宣誓書は、「私は、神戸市民から市政に携わる権能を託されたことを深く自覚し、強い使命感と高い倫理観を持って、神戸市政治倫理綱領を遵守し、誠実かつ公正にその職務を行うことを誓います。」という文章になっています。

藤崎浩太郎

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