横浜市幼稚園協会新年意見交換会に参加して。

2014-01-23 23:57:18 | カテゴリ:活動報告


横浜市幼稚園協会新年意見交換会

本日は、公益社団法人横浜市幼稚園協会・横浜市幼稚園父母の会連合会の新年意見交換会にお邪魔してきました。市内各区から、理事長や園長をはじめ関係者の方が集まられ、私も意見交換をさせて頂きました。

何人かの方とお話しさせて頂いて、それぞれ異口同音に人材確保や労働環境、行政や議会の理解不足と言った論点を挙げられていました。

幼稚園教諭や保育士の人材不足、確保の困難さは昨今報道等もされている通りです。ある園長からは、10年以上頑張って務めてくれる人と、2〜3年で辞めていく人との、その中間の人材が不足しているという指摘もありました。安定的に良い環境を子ども達に提供するには、安定的に経験のある人材が現場にいる必要があるものの、10年以上といった経験豊富な方が抜けてしまうと、次の人材が育つまで時間がかかり、どうしても提供できる質に波が出てしまうと。

人材確保と表裏一体とも言えるのが、労働環境の問題です。1つは給料が少ないこと。これは保育士さんも同様の課題を抱えています(福祉系の仕事に共通する課題)。また、先生達が子育てするための環境が整っていないこと。この点は、私も以前から市の担当者とは話してきましたが、働きながら子育てしやすい環境を支えている、幼稚園教諭や保育士の方々が働きながら子育てする環境が整っていないという課題です。一部の幼稚園では先生方のために、保育園を用意したところもあるそうです。横浜市も昨年末の議会で可決された補正予算では、保育士専用事業所内保育事業に対する補助制度を新設しています。まだまだ道半ばの課題です。

そして、行政や議会の理解不足。この話題で指摘されていたのは、何のために議論し制度を用意するのか、というテーマです。すなわち、何より子ども達がより良く育っていける環境整備が重要、という点です。市や県や国の管轄の話や、所管する省庁の縦割りの話や、それによって議論が前に進まないことや、とにかく預ける場所の整備にばかり目が向けられて、子ども達が置き去りにされているのではないか、という危機感でした。社会として、どういう人材を育てて行きたいのか、子ども達にどういう環境を用意して行きたいのか、という議論が抜けてしまっているのではないかというご指摘でした。

こういった乳幼児教育に関する課題は、幼稚園や保育所のあり方だけを考えていても、大きな改善は望めないのではないかと考えます。もちろん、現状での課題を解決して行くことは重要です。それだけではなく、特に「子ども達の環境」を考える場合は、社会全体の制度や慣習と向き合わなくてはなりません。

なぜ教育を行うのかということを、社会に出ること、就労すること(労働市場に参入すること)の方法やルートについて、見直すのか、見直さないのかという所から遡らなくてはならないと考えます。大学をでること、良い大学をでることなのか、それだけではない方法を描くのか。採用する側が、人材をどう選ぶのか、求めるのか。グローバル人材を育てるのは、語学力なのか、教育環境に対する考え方や取組み方なのか、身につける教育の内容なのか。国や地方自治体にとって、どんな人材を育てて行きたいのか、社会における教育への投資効果をどう考えるのか、教育機会の均等をどう確保するのか、どんな社会を築いていきたいのか。

社会も国も市も地域も、人があってのもの。何を目指すのか、そしてそのために予算をどう配分するのか。限られた予算の中で、「予算が足りない」という考え方ではなく、予算の予算の優先順位付け、すなわち社会にとって優先順位付けから、しっかりと考えて行かなくてはいけないなと、改めて考えさせられた意見交換会でした。

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