横浜市総合防災訓練が行われました。

2011-08-29 16:21:54 | カテゴリ:活動報告


8月28日(日)、横浜市総合防災訓練が行われました。地域、区役所、消防局だけでなく、警察、自衛隊、海上保安庁、在日米海軍と連携をし、南関東地震を想定した訓練でした。詳細はリンク先(PDF)をご覧ください。

私の所属する委員会は消防局を所管し、これまでも震災対策の議論を行ってきましたので、視察に行ってきました。時間にも制約がありましたので、行った先は「緊急交通路確保道路啓開訓練」、「地域防災(医療救護)拠点運営訓練(南瀬谷中学校)」、「救出救助訓練」の3か所です。

道路のガレキを除去する作業。

自動車を撤去する作業。

南瀬谷中では、トリアージに関する啓発や医療拠点の備蓄、体育館に畳を敷いて仕切りを作る作業などを見学しました。その中で医療拠点の装備について薬剤師の方々から、足踏式吸引機はあるが、先端につけるべき部品が配備されていない、点滴の針が動くとすぐ抜ける針しか無いなど、問題が指摘されていました。現状でどのような配備状況があるのか、改めて確認が必要です。また体育館では中学生が、畳を敷きつつ、ダンボールで仕切りを設置する作業をしていました。

トリアージの説明。

仕切りに使われるダンボール。

避難所として畳やダンボールの仕切りが準備される体育館。

今回、訪問することはできませんでしたが、三ツ境小学校では「ペット対策訓練」が行われていると配布された資料に記載されていました。当局にどんな訓練が行われているのか確認したところ、(1)ゲージに犬が4匹入れられている、(2)獣医師よりペットにマイクロチップを埋め込んでおくと、被災時にはぐれてしまっても、見つけやすいという説明が行われている、という2点をもって訓練としているということでした。「訓練」というより「説明」ですし、犬をゲージに入れておく意味が分かりません。ペットのトイレの問題や、餌の問題、どう管理するのか、など訓練することはあるはずです。

メイン会場は、救出救助訓練の米海軍上瀬谷通信施設。米海軍は今回の訓練が初めての参加とのことでした。会場内にはビルや家屋の模型が並べられ、各種消防車両の他、消防局のヘリ、海上保安庁のヘリ、自衛隊のヘリ、米海軍のヘリと、4機のヘリが救助の実演も行いました。訓練の途中では、余震が来た設定で警報が鳴り、全ての作業スタッフが手を止め、ビルや家屋から非難をするシーンもありました。

米海軍消防車には「YOUR SAFETY IS OUR BUSINESS」。

訓練終了後は、車両の公開・見学が行われました。

私もこれまで何度も、地域の防災訓練には参加させて頂いてきました。そうした中で疑問に感じていたのは、いつも、どこでも同じような訓練をしていることです。もちろん、必要な訓練ではあるのですが、一体どういう時に、その訓練が活きてくるのかが分かりづらい。また、3月11日の東日本大震災の際には、結局横浜市の防災計画や、防災拠点のマニュアルなどが十分に機能しなかったという問題もありました。

こういった問題に対処していくためには、地域の防災訓練にも想定(シナリオ)が必要だと思います。もちろん、今回の総合防災訓練のような大規模のものは各地域ではできません。しかしながら色々な被害を想定することは可能なはずです。訓練を訓練で終わらせずに、実際に被災した時に活きる体験にしていくためには、より具体的な内容が必要だと考えます。みんなで一つの事を行うのではなく、一つの想定にみんなで動く。いざという時に、どんな役割が必要になるのかを理解できるような訓練が、必要ではないかと考えています。

資料1 資料2

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