放射線対策予算と、横浜市の市民を守る本気度。

2011-08-17 22:01:49 | カテゴリ:活動報告


横浜市衛生研究所

横浜市では5月の補正予算にて、衛生研究所に放射線測定器を整備しました。その額約1,200万円。

そして現状での測定状況は、8月10日までで70検体です。市のHPにもレポートがありますので、ご覧になった方も多いと思います。掲載ページを見て真っ先に、少なすぎると思いました。皆さんはどうお感じでしょうか?

一方で、横浜市は小学校給食食材の測定を、民間の検査機関に依頼しています。毎日1検体。依頼先は2社。その内の1社は、横浜市衛生研究所と同じ測定器を使用しています。この2社が選定された理由は、横浜市の測定と同程度の測定を行える、というものでした。

同じ測定器を使用する横浜市衛生研究所と、民間の検査機関。どのように測定を行っているのか、調査を行いました。その結果が下の表です。

横浜市衛生研究所 民間A社
測定器 GEM25-70 GEM25-70
コスト 約1,200万円/1台

(本体1,100万 消耗品100万)

25,000円/1回
測定回数(実績) 平均すると1週間(月~木)に14検体 1日10検体程度
※横浜市以外からの測定依頼含む。
測定回数(最大) 4検体/1日(8時間) 35検体/1日(24時間)
バックグラウンド測定 毎週1回 50時間 毎週1回 10,000秒
検体の量 1.5リットル 2.0リットル
測定時間 2,000秒 2,000秒

測定については 「緊急時における食品の放射能測定マニュアル」(PDF)に基づき行われていますので、測定時間は同じ2,000秒です。しかしながら、器械の「校正」(測定精度の調整)にかける時間も、検体の量も異なります。同じ精度の測定ができているのか疑問が残ります。

特に問題なのは、測定の回数です。圧倒的に少ない。衛生研究所は1検体に、測定の準備などを含めて2時間をかけていると言います。また、測定品目の指示を出すのは食品衛生課です。衛生研究所は食品衛生課の指示無くして、測定はできません。食品衛生課に聞いても、現状では測定品目を増やしたり、給食食材を衛生研究所でも測定をする予定は無いと言います。

これが、横浜市の現状です。予算をかけて測定器を買っても、活用しきれていないんです。横浜市のこれまでの放射線対策は、非常に遅く、非常に甘く、とても本気で市民を守ろうとしているとは感じられないものです。

みんなの党として7月26日には横浜市長に要望書を提出しました。その項目には、給食食材の測定も含まれています。民間に委託して、1日たった1検体しか測定を行っていない。衛生研究所の測定器をもっと活用すれば、もっと多くの測定を行えるんです。衛生研究所に測定ノウハウが無いのであれば、民間事業者にアドバイスをもらって、より効率的な測定を行うことも可能なはずです。

指示と、ノウハウがあれば、衛生研究所はより多くの検体を測定することができ、市民の安全をより守ることが可能になります。市が、市長が、どういう判断をするのか。本気度が分かります。今後も、要望を続けていきます。

GEM25-70

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