牛肉の放射線汚染。そして、横浜市の対応。

2011-07-12 23:27:47 | カテゴリ:活動報告


福島県南相馬市から出荷された肉用牛から、暫定基準値を超す放射線セシウムが検出されました。これまで、「流通しているものは安全」と国も自治体も主張してきました。

一方では、流通している食材に対して、本当に安全なのか不安の声も沢山寄せられてきました。牛肉に関して言えば、学校給食に使用されてきた牛肉の個体識別番号から、福島を経由した牛肉が使用されていることも指摘され、市民の方々から問題視されてきました。

また一方では、肉用牛を流通させる際に行われてきた放射線の測定方法は、生きた肉用牛の体の周りを測定器で測る、というもので、牛の内部被ばくを測定するものではありませんでした。

結局、流通しているものでも、安全ではないものが混じっていたんです。「安全」を謳ってきた行政の責任は重い。

横浜市は本日記者発表を行いました。下記に、全文を転載しました。要点は、「市立小学校と市立保育所の給食には、当面牛肉を使用しない」ということです。(保育所に関しては、そもそも牛肉を使用する献立が無く、4~7月は一度も使用されておらず、3月は一度だけ、コロッケの合挽肉として使用されただけとのことでした。)

遅すぎるんです。

今回の市の方針は「不安を抱く保護者に配慮して」決定されました。不安を持っている方は、ずっと前から沢山居たんです。子ども達の食の安全を守るために、食材の安全を確保して欲しい、食材の測定をしっかり行って欲しい。そういう声が沢山あったんです。私たちも、給食食材の測定が1日1品目しか行われない現状を変えることを、もっと多くの品目を測定することを、訴えてきました。

事が起きてから対応に回る。それではダメなんです。

市民の生命に係る問題です。先回りして対応していかなければ、取り返しがつかなくなるかもしれない。先を見越した対応が必要です。今回はあくまでも牛肉の問題。鶏肉や、豚肉から検出されないとは限らない。予防するためには、測定するしかないんです。確かめるほか無いんです。

今後も、市民の安全を守れる対策を取るよう、追求していきます。

************************************************************************

市立小学校と市立保育所の給食食材の対応について

平成23年7月8日(金)、9日(土)に、福島県南相馬市の緊急的避難準備区域から東京都食肉市場に入荷された牛の肉を厚生労働省の依頼に基づき、東京都が検査したところ、食品衛生法の暫定規制値を超える放射性セシウムが検出されました。

これを受け、7月8日付けで厚生労働省から宮城県、山形県、福島県、茨城県、栃木県、群馬県、新潟県に対し、牛肉のモニタリング検査の強化についての依頼文が発出されています。

また、福島県では、今回の暫定規制値を超えた牛肉の生産者に対して、原因究明調査を行った結果、屋外放置された稲わらから高濃度の放射性セシウムが検出されたと報告され、さらに、県内の全生産者に対して飼育状況の調査と検査を徹底するとされています。

そこで、本市では、このような状況の推移を見ながら、不安を抱く保護者に配慮して、当面、市立小学校と市立保育所の給食への牛肉の使用は控えることとします。あわせて、市内の民間保育所及び幼稚園等にもその旨お知らせすることとします。

なお、本市においても南相馬市から横浜市中央卸売市場食肉市場に入荷した牛、合計14頭について、7月9日(土)に検査した結果、暫定規制値を超えるものはなく、また7月7日(木)まで全国で57件の牛肉の検査が実施されましたが、暫定規制値を超えたものはありませんでした。

今後も引き続き、計画的避難区域及び緊急時避難準備区域を中心に、横浜市中央卸売市場食肉市場に入荷する牛の肉について検査を実施していく予定です。

************************************************************************

Post comment