横浜市で暮らす、外国人の生活支援について

2022-10-03 19:07:31 | カテゴリ:活動報告


横浜市には約10万人の外国人が暮らしています(2022年8月現在104,082人)。西区の人口に匹敵するほどの大きな人数です。地域で生活する外国人と日本人とが相互に理解し合い、支え合って生活できるように、市が積極的に多文化共生の施策推進し、しっかりとサポートできるようにすることが重要ですし、横浜市国際交流協会(YOKE)国際交流ラウンジをはじめ、様々な団体と協力していくことも重要です。

先日、横浜市北部地域で、外国人の子育て支援をしている団体の方と、当事者の方から、横浜市での子育ての課題を伺いました。横浜市のWebサイトの多言語対応に課題があることや、保育園の申請などの手続きの難しさ、窓口で職員とのやり取りが大変、ラウンジを身近に利用できない等々、様々な課題を伺うことができました。

2022年9月14日に開催された常任委員会「健康福祉・医療委員会」と、同9月21日に開催された特別委員会「新たな都市活力推進特別委員会」において、横浜市に居住する外国人の方々の生活や子育て支援について、課題を指摘し、支援の充実を提案しました。

議会での議論①健康福祉・医療委員会

健康福祉・医療委員会では「横浜市中期計画2022〜2025(素案)」の説明が行われました。素案の「政策11多文化共生の推進」における、「主な施策1在住外国人に対する情報提供・相談対応の充実」では、「国際交流ラウンジの機能強化を図るとともに、行政と関係機関が連携し、医療など生活に身近な情報の提供や相談対応やICT機器、WebやSNSの活用などによる環境整備により、日常生活の安全・安心を支えます。また、地域日本語教室や児童の学習支援を担う人材を育成し、日本語学習を希望する外国人が、身近な地域で気軽に学習の機会を得られる体制づくりを進めます。」と説明が書かれています。

委員会の質疑において、修理医療局長に対して、外国人の方が医療保険制度について十分知識が無いことで医療費が高いものと思い込み、病院に行こうとしない人がいる、という問題を指摘しました。以下、やり取りの内容です。

soansassi

藤崎 ありがとうございます。一点8ページですね(※注:当日の配布資料では8ページ。実際の素案では48ページ)。在住外国人に対する情報提供、国際局と医療局で入っているところですけど、外国人の生活の支援されているようなところ、方とお話伺うと、母国ですね、出身の国の医療体制とか保険制度と、日本の体制が違うので、医療費が意外と窓口負担が少ないということを知らない外国人の方、要は病院ってめちゃくちゃ金がかかると思っていて、医療負担がかかると思って、もちろんちゃんと在留資格あって保険証を持ってる方々ですよね、だけど日本の医療制度どうなっているかのよくわからないから、病院がどこにあるとかわかっていても、そもそも自分が払うお金がめちゃくちゃかかりそうだと思って、病院に行かないという判断をしている外国人の方も結構いらっしゃるように伺っていて、ここで書かれている情報提供とか、これからね4年間どうされるかってあると思いますが、どこに病院があるかとかだけじゃなくて、その保険制度とか窓口で例えばどういう病気だったらどのくらいの負担が生じるかとかって、なかなかつかみづらいと思うんですよね。そこらへんもそんなに費用負担がかからない、かからないですよというかね、これくらいの費用負担ですよとか、だから病院に行ってもそんなに負担かからないんですよというのが伝わるような情報発信というのが必要なのかなと思うのですが、そのへん取り組みとしてこれから4年間やっていただきたいなと思うのですが、お考え等あれば教えてください。

修理局長 あのですね、受ける側の病院としてですね、例えば電話医療通訳みたいなことをですね、実際に我々はやっていて、で病院側もそのJMIP(外国人患者受入れ医療機関認証制度)というふうな外国人対応の受けられるような病院をちょっと増やしてきたという経緯がございますが、確かに委員おっしゃるようにですね、そもそも制度についてあまり詳しく知らないというようなことがあって、それについてはですね、ある程度の広報はしていますが、やっぱりまだまだ不十分なのかなと感じるところもございますので、今後はですね、日本の医療制度がどうだっていうことも含めてですね、もう少し広報のほうには力を入れていきたいなというふうに思います。

藤崎 ありがとうございます。要望だけですけど、やっぱりそのお医者さんが英語を話せるお医者さんだとか、英語対応してくださる、外国語対応をしてくださる医療機関があるものの、なかなかあと受付のその看護師さんとか医療事務の方とかが、なかなかそこを理解できていないとかそういったところもちょっとした課題になるとか、そういった話も聞くので、今局長がおっしゃったように、いろいろと充実していただいているので、だいぶ良くはなってると思うんですが、少し細かいところまでご配慮いただけるよう取り組んでいただきたいと思います。以上です。

議会での議論②新たな都市活力推進特別委員会

新たな都市活力推進特別委員会では、今年度「横浜の魅力を活かした選ばれるグローバル都市・横浜の実現について」をテーマに議論が行われていて、9月21日には国際局、経済局、文化観光局、港湾局が出席し、それぞれの事業のうちグローバル都市の実現に関する事業の説明が行われました。

私は国際局の三枝副局長(国際政策部長)に、医療局と同じ課題や、外国人の生活支援に関する課題について議論を行っています。

藤崎 ありがとうございました。国際局に伺います。今コロナ、アフターコロナの話もいっぱい出てましたけど、もともとその横浜市も外国人人口が十万人というところまで、一度いっていて、また交流が増えればですね、また横浜市の在留外国人の方も増えていくんじゃないかと思いますが、最近子育て系ですけど、外国人の支援されている団体の方とお話しすると、なかなか横浜市は生活支援の部分が不十分じゃないかというご意見をいただく機会がありました。

例えばこの間も医療局のほうで少しお話したんですけど、母国ですね、自分の本国のほうの医療制度、医療保険制度と日本の制度が違うがゆえに、保険証持ってるんだけれど、病院に行くと非常に高額な医療負担をしなくちゃいけないものだと思い込んでいて、保険証あるにもかかわらず病院に行かないという判断をされるようなケースがあるんですと。こういうのはしっかりとその生活に密着した情報発信とか情報提供していかないと問題じゃないかというご指摘をいただいて、医療局長もですね、十分に問題点を把握して検討していきたいというお話いただいたんですけど、国際局から見て、この生活支援という視点で、医療政策、医療制度等ですね、しっかりと情報発信していく必要があるんじゃないかなと思うんですが、ご意見いただければと思います。

三枝部長 ありがとうございます。在住外国人に向けての生活を含めた情報提供ですとか相談対応というのが大事だということかなというふうに考えております。でそれはまさに多文化共生施策の非常に大きな部分を占めるところだというふうに考えております。これまで横浜市としましては、YOKE国際交流協会ですとか、それから今11区かな12区かなにあります国際交流ラウンジなどが比較的市内にお住いの外国人の方に近しい場所として、そこを通じた情報発信ですとか、相談の受付、あるいは日本語学習の支援などに取り組んできたところでございます。 先生のご指摘の点が、制度そのものの不備ということなのか、それともその周知とか、相談体制の不備ということなのか、両面かとは思いますけれども、ご指摘の点はしっかりと受け止めて、YOKEやラウンジともですね、定期的に意見交換、情報交換の場は設けておりますけれども、そのあたりでさらに周知徹底をしていければなと考えています。

藤崎 ありがとうございます。まさに今ラウンジとね、YOKEのお話いただいて、支援団体の方々はもちろんラウンジやYOKEのこともよくね、ご理解いただいてるし、使われてもいるんですけど、例えばその子ども、外国人といっても所得の多い少ないもいろいろありますので、例えば生活保護受給しながら、これから出産、妊娠をしてみたいな話があった時に、やっぱりそのラウンジとかYOKEだと事足りないということなんですよね。やっぱり窓口にいかなくちゃいけない、で窓口に誰か付き添ってくれるわけでもない。窓口に多言語対応の部分ありますけれど、なかなか全体として日本の制度知らないと、1人で行って、なにしろ夫婦それぞれが外国人で、充分に日本の理解がないとか、制度の理解がないとか、言語の壁があるとか言うと、なかなかやっぱりその子育て、生活保護とそれぞれ日本人でも窓口で苦労するような部分が、外国人の人たちだとさらに苦労している実態があるというふうに伺っています。

そういう意味ではYOKEやラウンジという機能も非常に重要な役割を果たしてはくださっているんですが、国際局としてですね、やっぱりそういう生活に密着して、もう一度その外国人の方々が横浜で暮らしていく上ですね、どういった課題があるのかとか、他都市と比べてどういった制度に不十分なところがあるかとか、そういったところを見直しをしていっていただく必要があるんじゃないかなというふうに思いますが、お考えをいただければと思います。

三枝部長 ありがとうございます。ご指摘の件に関しましては、例えばあの区役所で、外国人の方が転入届をするというポイントが、ひとつ情報をお渡しするポイントになるかなというふうに考えておりまして、一部の区ではですね、外国人の方が転入手続きをされる際に、外国語での生活ガイドをお渡しし、あわせてその区を所管するというかですね、その区にあります国際ラウンジまでご紹介するというような取り組みをしてくれている区もあります。そうした区の取り組みがどのような効果があったのかというあたりを検証して、横展開できるものがあれば、していくというのがひとつの手かなというふうに考えております。

また国際局自身としましても、今回ウクライナ避難民支援ということで、国際局の職員自身が寄り添い支援と申しまして、例えば外国人の、避難民の方に付き添って区役所の手続きに同行したり、あるいは銀行口座の開設に同行したりというようなこともやっております。そうしたところから得られた知見をですね、広く在住外国人の方へのサービス提供とか相談対応に活かしていけるものがないかというのをですね、検証してそれを活かしていくということも考えていきたいというふうに考えております。

藤崎 ありがとうございます。本当ウクライナの支援もかなり手厚く、国全体としてもですね、非常にこれまでの日本の政府の対応としては類を見ないような手厚い対応をされてきたというふうに思いますし、横浜市でもウクライナ支援が非常に積極的に行われてきて、そういった知見を活かしていただくというのは非常に重要だと思います。一方でそのラウンジも、立地の問題とかいろんな問題で、みんながみんなやっぱり行くわけじゃないというところ、みんながみんな行ってくださればいいのか、それともそこに行きづらい問題というのが別の方法で解決しなくちゃいけないのかとか、そういったところも含めてですね、検討していただきたいと思います。

とくに私の青葉区なんかですと、外国人コミュニティみたいなものがはっきりとなかったりするというか、その中華街のようなところのコミュニティとか、そういったものがない地域であったりとか、なにしろやっぱりほんとに幅広い国の方がいらっしゃると、同じ民族とか同じ言語の話者だったりとか、近しい人たちがそもそも近所にいないというようなケースも多様にあると伺っています。そうするとやっぱりコミュニティ形成であるとかコミュニティがあれば得られたであろう情報であるとか、困ったときの助けてもらう人であるとか、なかなかそういったものを生活をしながら、ないしは働きながら形成していくというのが非常に難しいという外国人の方、そういう環境にある外国人の方も多いというふうに伺いますので、何でもかんでもラウンジの方だけで対応できるわけではないでしょうし、いろんな生活のスタイルやニーズとのミスマッチ等で、ラウンジだけでは十分じゃないということもあろうかと思います。

やはり今ウクライナ支援で得られた知見をしっかりと活かしていきたいというお話もありましたが、一方で例えば情報発信についてもホームページが見づらいとか、ある程度ページが進むと機械翻訳しかないとか、そういったいろんな課題も聞かれています。聞こえてきておりますので、ぜひですね、ウクライナ支援、そしてラウンジの方々との様々な意見交換だけではなく、やはりより多くの今横浜市に住んでいる外国人の方から意見をいただけるような機会を設けていく必要もあるんじゃないかと思いますが、見解を伺います。

三枝部長 これまでのところですね、市内にお住まいの外国人の方を一番幅広く意見を伺う場面としましては、おおよそ5年ごとに実施している在住外国人調査というものがございます。直近ですと令和元年度に実施したものがありまして、これの次回実施がだいたい令和6年7年くらいになろうかなというふうに考えております。一方で先生からご指摘のありましたラウンジにつきましては、ラウンジの活用実績などの数字は国際局も把握しておりますけれども、例えば実際に課題の解決につながったのかとかですね、サービス水準がどうだったのかといったような評価っていうんですかね、そのあたりについて、質的な評価っていうんですかね、そのあたりについてはこれまで実施していなかった面もありますので、今後はですね、そのあたりも実施をすることで、先生のご指摘のありましたような課題問題に、の解決にですね、つながっていけるのかなというふうに考えております。

藤崎 ありがとうございました。最後意見だけですけど、先程他の委員からもありましたけど、せっかく横浜に来たけど、横浜に住んでみたらいまいちで、他の都市に引っ越してしまうということがないようにですね、やっぱり横浜に来てよかったと、だからこそまた自分の友人や親せきや家族や、横浜に招きたいんだと、遊びに来てほしいとか、一緒に住みたいとか、そういうふうになっていくのも、またこの選ばれるグローバル都市横浜、選ばれる国際都市横浜というところだと思いますので、しっかり取り組んでいただきたいと要望して終わります。

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