横浜市会平成27年度予算第一特別委員会 港湾局審査(2015.3.3)

2015-03-08 23:18:01 | カテゴリ:活動報告


3月3日(火)、横浜市会平成27年度予算第一特別委員会におきまして、港湾局の審査を行いました。

1 国際コンテナ戦略港湾の取り組み
2 大黒ふ頭における完成自動車の取り扱い機能強化
3 新港9号客船バースの整備
4 山下ふ頭の再開発

という4項目について、答弁を求めました。

以下、質問の原稿と答弁のメモです。(議事録ではないので、実際の内容とは若干言い回し等が異なります。)
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1 国際コンテナ戦略港湾の取組

横浜港の国際コンテナ戦略港湾の取組について質問します。
昨年の市会で、横浜港の輸入コンテナ貨物が伸びていない状況について、「東京港は首都圏の大消費地に直結していることから、荷主企業が東京港を選択する傾向にあり、船会社は東京港に先に寄港し、輸入貨物を降ろしたのち、横浜港で、輸出貨物を積むといった航路を編成している現状がある」との答弁がありました。
横浜港は、東京港とともに、我が国最大の消費地である首都圏への輸入貨物の玄関口として重要な役割を担っていることから、東京港の輸入貨物の状況も注視していく必要があると思います。そこで改めて、

質問1 横浜港と東京港の輸入貨物の推移について伺います。
答弁1 横浜港も東京港もリーマンショックの前までは、順調に取扱量を伸ばしていました。その影響により、両港とも21年に大きく取扱量が減少しました。その後、東京港は22年以降堅調に貨物量が伸び、21年の184万個から、25年は236万個と、4年間で約28%増加しております。一方、横浜港は、22年に大幅に増加したものの、その後伸び悩んでいます。21年の118万個から25年は120万個とほぼ横ばいとなっております。

横浜港が横ばいで、東京港が堅調に輸入を伸ばしているということは、首都圏に入ってくる輸入貨物が純増していることかと思います。今後、横浜港も輸入貨物を拡大させていくとのことですが、

質問2 新たな輸入貨物をどこから獲得してくるのか伺います。
答弁2 アジア地域は一貫して成長を続けており、我が国の輸入貨物全体に占める割合は約8割となっています。横浜港としては、この伸びゆくアジア地域からの貨物を積極的に獲得し、輸入貨物の拡大を図ってまいります。

港湾局の27年度予算概要では、輸入貨物の拡大に向け、物流施設を集積させ、ロジスティクス機能を強化していくという施策を打ち出しています。近年、圏央道の整備に伴い、埼玉県や神奈川県の相模原、厚木等の地域で、物流施設の立地が進んでいる状況にあるなか、横浜に物流施設を集積することは簡単ではないと考えます。そこで、

質問3 今後、どのように物流施設集積に向けて取り組んでいくのか伺います。
答弁3 コンテナターミナルに近接し、利便性が高い港頭地区の新山下、本牧ふ頭、南本牧ふ頭地区などをロジスティクスパークとして位置付け、事業者の進出意欲高める機能を備え、民間投資による拠点形成を図る計画です。今後、国や業界団体とともに、実現に向けた施策を立案し、戦略港湾施策の一環として、国へ支援策を強く要望し、実現を目指していきます。

港頭地区の一部のエリアをロジスティクスパークとして物流施設を集積させいくとのことですが、

質問4 なぜ、港頭地区に展開するのか、その理由について伺います。
答弁4 コンテナによる輸入貨物の円滑な引き取りにあたりまして、荷主企業は効率性・コスト面から、コンテナターミナルとの距離が近い場所に物流施設を設置する傾向にあります。そのためコンテナターミナル・物流施設が一体となった拠点の形成は、横浜港の貨物取扱量増加へ直接つながるものと考えております。

港頭地区への横浜港の物流施設の集積は急務ですが、物流施設建設には多額の費用を要することもあり、簡単に実現できるものではありません。国際コンテナ戦略港湾政策として、創貨を進めている国と連携して取り組んでいく必要があると思います。そこで、

質問5 国の取組及び国の施策との連携について伺います
答弁5 国は貨物をつくり出す創貨施策の実務的な検討を行うために「創貨ワーキング」を設置し、「新たな産業創出」、「企業の新規立地」、「貨物のコンテナ化の推進」、「流通加工倉庫の誘致」、の4つに整理して検討しております。本市もメンバーとして参加しており、現在、業界関係者とともに行っている横浜港での検討とあわせて、事業者の進出意欲を高める機能や、埠頭と埠頭の間の輸送の効率化などについて、国と連携し、ロジスティクスパークの形成を積極的に進めていきます。

物流施設の集積については、横浜港は言わば後発です。戦略を持って取り組んでいく必要があります。伸び行く輸入貨物の獲得競争はすでに始まっており、今後も厳しい競争が待ち受けていると思います。ぜひ、競争に打ち勝っていくような特徴あるロジスティクスパークの形成に取組み、横浜港の輸入貨物の拡大を実現させていただくことをお願いして、次の質問に移ります。

2 大黒ふ頭における完成自動車の取扱機能強化

大黒ふ頭における完成自動車の取扱機能の強化について伺います。
完成自動車は、横浜港で取扱う数多くの貨物の中において、輸出品目で第一位の取扱量があり、輸出貨物量全体の約4割を占めています。26年には、取扱実績が前年比で約1割も伸びるなど、今後も取扱量の増加を期待したいところです。
そのためにも、完成自動車を取扱う主要な拠点である大黒ふ頭において、より効率的、効果的に荷役を行うための機能強化を図っていくことが、重要であると考えます。そこでまず、大黒ふ頭における

質問6 完成自動車の取扱いについての課題は何か伺います。
答弁6 完成自動車の積み出しは、月末や月初めに集中する傾向があります。そのため、多くのユーザーが共同利用するT3からT8ターミナルでは、自動車専用船が着岸する岸壁と背後の荷捌き地が混雑し、船の沖待ちや他港へのシフトなどが生じています。また、輸送効率向上のため、世界的に自動車専用船の大型化が進んでおり、これに対応していく必要があります。

今の局長の答弁にありました課題の解決に向けて、昨年改訂した横浜港港湾計画では、大黒ふ頭における完成自動車の取扱機能の強化策を位置付けるとともに、早速、新規事業として27年度予算案に設計費が計上されています。
そこで、自動車専用船岸壁改良事業の

質問7 具体的な整備内容について伺います。
答弁7 T3からT8ターミナルと隣接するターミナルの一体利用を図るため、岸壁延長を現在1,100mから1,400mに延伸するとともに、水深を7.5mと10mから11mに深くします。また、岸壁背後の荷捌きヤードを約26haですが、これを約32haに拡張いたします。まずは、30年度までに、ベイブリッジ側の区間を完成させる予定です。

港湾局では、南本牧ふ頭の第5ブロック処分場整備事業の地盤改良工事において、支障物により工事費が増額になった事例がありました。
南本牧ふ頭のように新しく整備する場合と、今回のような既存施設の改良では条件が異なるとは思いますが、

質問8 当初見込んだ事業費が増加することが無いよう、取り組んでいくことが必要だと考えるが、局長の見解を伺います
答弁8 地質調査の結果等を踏まえ、施工方法や構造物の検討を進める中で、経済的な設計に努めてまいります。また、工事の実施にあたっては、利用者と事前調整し、効率的な施工計画を立てた上で、取り組んでまいります。

事業推進にあたっては、調査、設計段階から十分な検討を行うとともに、工事着手後もコスト低減を図るよう意識し、しっかりと取り組んでいただくことを要望して次の質問に移ります。

3 新港9号客船バースの整備

先の予算関連質疑において、客船受入機能の強化策の一つとして、みなとみらい21地区の新港9号岸壁を改修し、耐震強化を行うのにあわせて、客船バースとして再整備するとの答弁がありましたが、改めて、

質問9 客船バースの整備の必要性について伺います。
答弁9 客船の大型化や寄港数の増加に伴い、現在の大さん橋客船ターミナルだけでは、船会社の希望に応じた日程で、客船を受け入れることが難しいケースが発生しています。そのため、新たに新港9号客船バースの整備を行うものです。

みなとみらい21地区に立地する新港9号客船バースは、地区の賑わい創出の観点からも担うべき役割があると思います。新港地区には、ワールドポーターズや赤レンガ倉庫などがあり、周辺施設との連携を考えていくことも重要です。そこで、

質問10 客船バースに求められる機能について伺います。
答弁10 乗船客にとって利便性の高い客船バースであること、交通広場、観光バスの待機スペース、来街者駐車場を確保すること、商業施設などを含めた、みなとみらい21新港地区の更なる賑わいの創出、こういったものを検討し、来街者の回遊性向上にも寄与できる施設として検討してまいります。

整備にあたっては、公民連携事業を導入するとのことですが、限られた市の予算の中で、しかもオリンピックに向けて様々な事業実施が予定されている中、民間資金等の活用により、市の負担を軽減することは非常に重要だと思います。しかし、一言に公民連携事業といっても様々なやり方があると思います。そこで、

質問11 公民連携事業のイメージについて伺います
答弁11 本市が岸壁や緑地等の整備を行い、民間事業者が、出入国審査、税関、検疫等のための施設、また、商業施設などを含むターミナルの整備等を行うことが考えられます。具体案については、今後、検討を進めてまいります。

新港9号岸壁の先端部には、今は利用されていないようですが、横浜港のクレーン第1号と言われるハンマーヘッドクレーンが存置されており、この歴史的施設の活用についても、あわせて考えていく必要があると思います。そこで、

質問12 ハンマーヘッドクレーンの活用について伺います
答弁12 約100年前にできました国有施設で、国内に3基のみ現存し、経済産業省の近代化産業遺産に認定されています。ハンマーヘッドクレーンを含む新港9号岸壁の先端部は、計画上緑地に位置づけており、新港地区の水際線を結ぶ緑のネットワークの一翼を担うこととなっています。そのため、今後、客船バースの整備にあわせた保存活用策を、国と調整し検討を進めてまいります。

将来にわたってクルーズ客船に選ばれ続ける港となるよう、魅力的な客船ターミナルの整備を期待しています。

4 山下ふ頭の再開発

次に山下ふ頭の再開発について伺います。
我が国の高度成長期において、横浜港を支える主力ふ頭として重要な役割を果たしてきた山下ふ頭は、これまでの横浜の発展にとってシンボリックな場所だと思います。既存の市街地や鉄道駅に隣接し、広大な開発空間を有するこの山下ふ頭の再開発は、横浜市の将来に大きな影響・インパクトのある、市民にとっても大きな事業と考えています。そこで、

質問13 山下ふ頭の再開発の重要性をどのように考えているのか鈴木副市長に伺います。
答弁13 都心臨海部では、5地区の都市機能の連担性を高め、横浜の成長エンジンとなる都心臨海部全体の魅力を増幅させてまいります。この中にあって、山下ふ頭では、大規模で魅力的な集客施設の導入などを含めまして、新たな賑わい拠点の形成に向けて再開発を進めてまいります。また、既存倉庫などの多くは老朽化が進んでおり、移転を契機とした施設の更新を、横浜港の物流機能の向上につなげてまいります。このように、街づくり、また、港湾の機能強化、さまざまな面から非常に重要な事業と考えておりますので、積極的に街づくりを進めてまいります。

先日都市整備局で扱いましたが、都市デザインビジョンを策定中ということです。副市長に確認しますが、

質問14 山下ふ頭再開発ももちろん、都市デザインビジョンの対象になるということでよろしいでしょうか。
答弁14 都心臨海部全体のデザインですね。これは個々の建物の魅力だけでなくて街並み、特に横浜の場合は、港からの景観というものが非常に重要だと思っております。そういったそれぞれの側面を考えた場合に、やはり山下ふ頭地区、これを海側から見たときに全体にどういう街にしていくか、また個々の建物のどういうかたちで、そこを誘導していくのがいいのか、様々に検討していかなければいけない。これはまさにデザインの議論そのものだと思っていますから、全体の中で、しっかり検討・整理をしていきたいと思っています。

山下ふ頭の再開発については、現在、市長の附属機関として学識経験者を中心に設置した「山下ふ頭開発基本計画検討委員会」において、基本計画の議論が進められていると聞いています。
この再開発が、市民に喜ばれ将来像を描けるようなものとするためには、学識経験者がもつ知識等でリードするだけではなく、市民の建設的な意見をしっかりと取り入れ、計画に反映させていく必要があると考えています。
私は、昨年の審査において、再開発の基本計画の作成にあたり、市民の声を十分に反映させることについての考えを伺い、今後の計画の進展に合わせて、市民の皆様のご意見を伺う手法を検討するとの答弁をいただきました。そこで、現在、

質問15 市民の声をどのように反映させようと考えているのか伺います
答弁15 基本計画につきましては現在、専門的で幅広い視点から、山下ふ頭開発基本計画検討委員会において、ご議論いただいているところでございます。今後、基本計画の素案がまとまり次第、その内容につきましては市民の皆様のご意見を伺った上で、本市の計画として取りまとめてまいりたいと考えております。

質問16 念のため確認ですが、市民の声を反映させる方法は「市民意見募集」というような手法というイメージでしょうか。
答弁16 おっしゃるように、基本計画の素案というものを、市民の皆様に分かりやすく、リーフレットのようなかたちで作成をし、また、ホームページでも公開した上でご意見を伺っていきたいと考えております。

「みなとみらい」に次ぐ大規模プロジェクトである山下ふ頭の再開発が、今後50年先100年先に渡って、市民に愛され利用され続ける場所にしていただきたい。そのために、是非とも、

質問17 市民の皆様に理解して頂く、納得して頂く、そのために説明したり、コミュニケーションを図っていって頂きたいと思いますが、見解を伺います。
答弁17 山下ふ頭は、水辺を感じ港を一望できる位置にあります、多くの市民の皆様にとってすばらしい場所となるよう再開発を進めていく必要がございます。山下ふ頭再開発調整室長からも答弁ありましたけれども、基本情報や検討状況をホームページで公開し、情報の発信に努めております。今後とも計画の進展に合わせて適宜、市会にもご報告するとともに、パンフレットを作成するなど、市民の皆様にも分かりやすく計画内容をお知らせするなど、工夫してまいりたいと思っております。

市民意見募集なども返信の数が少ないなど、課題があると思います。どうやって市民の皆様とコミュニケーションを図っていくかが重要だと思います。副市長に伺ってまいりますが、先程は都市デザインビジョンの範囲になるというご答弁がありました。先日の質疑では、「市民の皆様をはじめ、多くの関係者と連携しながら、都市デザインに取り組み、横浜の価値を高めるとともに、自分の街への誇りと愛着を育てていくことが重要」といった趣旨のご答弁を頂きました。そうした視点から、

質問18 どのように山下ふ頭の再整備を市民の皆様と取り組んでいくのか、副市長の考えを伺います。
答弁18 これまでも計画を作る段階で、当然ご意見も伺いますし、まちづくりの中でも市民と一緒になって考えていく仕組みというものが必要だと思っていますし、いろいろな工夫をしながら、市民の声が極力反映できるようなやり方を考えていきたいと思っています。

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