横浜市会平成27年度予算第一特別委員会 教育委員会審査(2015.3.3)

2015-03-11 22:48:16 | カテゴリ:活動報告


3月3日(火)、横浜市会平成27年度予算第一特別委員会におきまして、教育委員会の審査を行いました。

1 子供と向き合う時間の確保
2 中学校昼食・中学校給食
3 図書館サービスの充実
4 市立高校のグローバル人材

という4項目について、答弁を求めました。

以下、質問の原稿と答弁のメモです。(議事録ではないので、実際の内容とは若干言い回し等が異なります。)
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1 子どもと向き合う時間の確保 

教職員の多忙や負担の増大については、以前から指摘されているところです。
昨年6月に公表されたOECDによる「国際教員指導環境調査」においても、日本の教員の勤務時間は、調査対象国の中で最も長くなっています。多くの教育課題を解決していくためには、教職員一人ひとりが、十分に気持ちに余裕を持って、子どもたちと向き合うことが重要であると考えます。教育委員会では、教職員が安心して、教育活動に専念することができる環境を確保するために、平成27年度予算に、多くの事業を計上しました。そこで、

質問1 27年度に行う教職員の負担軽減事業の基本的な考え方について、教育政策推進等担当部長に伺います。
答弁1 教職員の業務実態調査の結果によりますと、課題を抱える児童生徒への対応や事務作業に時間を要していることが明らかとなりました。そのため、27 年度の教職員の負担軽減事業では、カウンセラーやスクールソーシャルワーカーなど、専門的な人材の配置・派遣の充実に取り組むほか、会議の効率化等のためのグループウェアの導入などにより、働き方の見直しを進めてまいります。さらに、これらの事業の実施を通じまして、成果を上げている学校の取組事例等を積極的に収集し、全校に向けて発信・共有することで、教員が教育活動に専念できる環境を整えてまいります。

教職員の負担軽減に向けて、より効果が出るように努力していることがわかりました。しかし、教育委員会事務局が率先して、教職員の負担軽減のために既存の事業の見直しを検討し、可能なものはすぐに実践することがたいへん重要だと思います。子どもと向き合う時間の確保のために教育委員会事務局において、既存の事業についての見直しは行ったのでしょうか。そこで、

質問2 教育委員会事務局が行う事業の見直しについて、教育政策推進等担当部長に伺います。
答弁2 教職員の負担軽減のためには、新たな取組だけでなく、既存の事業の見直しも重要と考えています。26 年度には、教育委員会事務局の全課で、事業の見直しに取り組み、事務作業の委託化・事務手続きの簡素化、利便性向上に向けたシステムの改修や研修のeラーニング化、研修内容の精選や開催場所の工夫、などを進めてまいりました。今後はさらに、必要性の低下してきた事業や行事そのものの打ち切りなどゼロベースでの見直しも進め、教職員の負担軽減を図ってまいります。

来年度、教職員の負担軽減に向けた取組を進める中で、当然のことですが、事業の効果について、検証し、次年度につなげていくことになると思います。教職員の業務負担が軽減したかどうかの効果測定を行うことが大変難しいのは、想像できますが、子どもとしっかり向き合う時間の確保を効果的に実現するためには、定期的な検証を行うことが必要だと考えます。そこで、

質問3 今後、それぞれの事業の効果検証についてどのように考えているのか、教育長に伺います。
答弁3 職員室アシスタント配置事業など、27 年度から新たに実施する事業については、その効果や課題を学校と一緒になって十分に検証し、28 年度以降の事業の効率的な実施方法等に反映します。また、教職員の業務負担の変化につきましては、人員配置の充実、事業の見直しや事務手続きの簡素化、仕事の仕方の見直しなど、様々な取組や要因が複合し、その結果として効果が生じると考えています。個々の事業ではなく、負担軽減の取組全体の効果検証については、取組の進行状況を勘案しながら、検討していきます。

本来であれば、計画的に教職員の負担軽減策を進めるために、きちんと目標を設けて、定期的な振り返りを行うべきだと考えます。横浜の未来を担う子どもたちのために、今後も学校への支援をよろしくお願いしまして、次の質問に移ります。

2 中学校昼食・中学校給食 

 中学校昼食、中学校給食についてお伺いします。26年12月には、「横浜らしい中学校昼食のあり方」がまとめられました。家庭弁当を基本としつつ、新たに仮称、横浜型配達弁当を選択できる環境を整え、28年度中には全ての中学校で配達弁当の実施を目指すとされています。そこで、

質問4 今後実施する配達弁当が食育の推進にどのように関わっていくのか、健康教育・人権教育担当部長に伺います。
答弁4 配達弁当は、生徒や保護者が選択して注文することができ、成長期の中学生にとってよりよい「食」を考え、自ら判断することで、自分にとって望ましい栄養や食事のとり方を実践し、それを継続していくなど、食を管理していく力を身につけ、食育の充実につながるものと考えております。

26年12月16日の、第4回市会定例会の基本計画特別委員会において、わが会派の伊藤団長に対する答弁で、市長は、「私はご家庭からお弁当を持っていくことを希望している方もかなりいらっしゃると思うのです」とおっしゃっています。これまでのご答弁では、「家庭弁当が望ましいという意見をいただいている」といった答弁もありました。そこで、

質問5 家庭弁当が望ましいという意見はどのくらいあり、どのように把握しているのか、教育長に伺います。
答弁5 26 年度に行いました「中学校の昼食に関するアンケート」では、家庭弁当との選択制による配達弁当を「注文したい」と70%の方が回答しています。その中で「毎日注文したい」が約14%のみであり、6割以上が、注文頻度として「週1~2日」、「月数回」を選択していること、また、全体の約22%の方が配達弁当を「注文したくない、実施する必要はない」と回答し、その半数が理由として「家庭弁当を食べたい、食べさせたい」ことをあげていることから、多くの方が家庭弁当を大切にしていると判断いたしました。

「中学校昼食」という枠組みの中でのアンケート結果をもって家庭弁当が望ましいとされているが、「給食」の項目が無い中で偏ったアンケートに基づいた判断ではなく、フラットに項目をならべて公平なアンケートを行った方が良いのではないかと思います。

また26年9月9日の、第3回市会定例会の本会議一般質問において、わが会派の望月議員の質問に対して、教育長は、「中学校給食への考えですが、自立を目指して成長する時期にある中学生にとって、どのような昼食がふさわしいか、生徒自身がしっかりと考えられることが大事であると考えています。」と答弁されましたが、これまで本市では中学校給食が実施されていません。一方、数十年にわたって、中学校給食を実施している自治体もあるわけですが、

質問6 他の自治体と比べて、本市では、生徒の自立や昼食への意識が、どのくらい向上し、差がついているのでしょうか、教育長に伺います。
答弁6 食育は、子どもの心に働きかけ、行動化を促す教育ですが、その基盤は家庭生活にあると考えています。入学説明会や学級懇談会など折に触れ、保護者に対し食育への理解を求めています。このため、保護者や生徒には、食を通しまして自立や、食育に対する個々の理解度や意識が高まっていると考えています。

質問7 高まっていると考えているというご答弁だったのですが、具体的な何か数字というものはおありでしょうか。
答弁7 数字は持ち合わせておりません。

これまで色んなご答弁をいただいてまいりましたが、できればですね、そういった根拠のある数字をしっかりとお示しいただけるようなご答弁をいただけることがいいんじゃないかと思います。副市長にも一応確認ですけれども、4月からまた体制が変わっていくわけですけれども、こうした中学校給食に関しましても、

質問8 さまざまな事業におきまして、定量的な分析を行うことが重要ではないかと思いますが、副市長の見解を伺います。
答弁8 教育に限らず、いずれの取組についてもですね、市民の方の様々な意見をきちっと踏まえながらですね、取組を進めていくと、そういう中で、定量的なものが必要になる場合もあるでしょうし、あるいは、定性的にきちっといろんなご意見をうかがっていくこともあるんだろうというふうに思っております。いずれにしてもしっかりご意見を伺いながら進めてまいりたいと思います。

3 図書館サービスの充実 

「横浜市民の読書活動の推進に関する条例」が昨年4月に施行され、各区でも読書活動に関する「活動目標」を策定し、地域の読書活動が進められているところです。読書活動の推進においては、図書館が重要な役割を担うと考えます。予算概要の「図書館の運営」の中に「市立図書館のあり方検討事業費」という項目がありますが、図書館に対する市民のニーズが多様化するなか、本の貸出返却にとどまらない、時代や社会の要請に応じた、様々な工夫と努力が、市立図書館の運営面や事業面で求められていることと思います。
そこで、

質問9 これからの図書館に求められる役割について、教育長の見解を伺います。
答弁9 中央図書館におきましては、高度な調査研究に対する資料相談機能とともに、全館の図書館情報システムの中核的機能を果たすものと考えます。各区の図書館におきましては、図書貸出サービスの充実を図りつつ、関係機関との連携やボランテイアの育成等を積極的に行うことで、市民の課題解決や読書活動の推進における地域の拠点としての役割を果たすべきと考えています。

これからも地域の読書活動をより充実するために、区役所等と連携して取り組んでいただきたいと思います。地域の読書活動が充実していくことで、読書をきっかけとした市民同士のコミュニケーションがより豊かになることと思います。そのために、地域の様々な読書施設の利用を活発にするとともに、図書館の本を有効に利用して地域での読書環境を充実させることが必要と考えます。そこで、

質問10 図書館の本を活用した読書活動推進の取組について、中央図書館長に伺います。
答弁10 図書館では、地域の文庫団体等へ一括して図書を貸し出す団体貸出や、読み聞かせなどの活動を支援するためのグル―プ貸出の制度を設けています。今後は、こうしたサービスの広報を積極的に進め、読書活動団体だけでなく、地域の様々な団体や施設等で図書館の本を有効に活用していただけるよう取り組んでまいります。

団体貸出などのサービスを積極的にアピールして、地域の読書活動をより一層充実させていただきたいと思います。
 また、図書館資料の管理や効果的な活用に関わることとして、ICタグ導入という課題があると思います。第2期教育振興基本計画にも盛り込まれており、その検討が進められていることと推察します。ICタグについては、サービス向上につながる効果が期待されることから、早期の導入を検討すべきと考えていますが、

質問11 ICタグ導入の検討状況について、中央図書館長に伺います。
答弁11 ICタグにつきましては、事業者によるデモンストレーションや他都市での導入効果の分析等を実施し、効果的かつ効率的な導入のあり方を検討してまいります。

ICタグの導入により、図書館がより便利に使いやすくなることにより、読書活動の推進にも寄与すると考えます。ぜひ早期に実現をしていただきたいと思います。

4 市立高校のグローバル人材育成 

 次に市立高校のグローバル人材育成について伺います。
 市立高校では、これまでもグローバル人材の育成に向け、外部指標の活用など国際共通語である英語力の強化はもとより、多様な文化・価値観への理解や世界的視野に立った問題解決力を育成することを方針として掲げ、積極的に取組まれてきたと認識しています。高校生のうちに、海外に出ていき、同年代と交流したり、お互いの文化や考え方を理解することを実体験として学ぶことは、大変重要なことだと考えます。そこで、

質問12 海外姉妹校交流の拡充に向けた具体的な取組内容について、教育長に伺います。
答弁12 現在、市立高校9校のうち、横浜サイエンスフロンティア高校、みなと総合高校、南高校の3校が、カナダのバンクーバーにある高校と交流校の提携を結び、授業体験や生徒間交流等を行っています。27年度には、横浜商業高校がバンクーバーの高校と、金沢高校がサンディエゴの高校と、みなと総合高校が上海の高校と新たに交流校締結をする方向で調整しています。

高校生での海外体験により、さらに海外の大学で学びたいと考える 生徒が増えるのではないかと期待しています。市立高校では、27年度に海外大学進学支援プログラムを開始するとのことですが、正にニーズに合った取組だと高く評価しています。一方で、これまで海外大学への進学実績が少ない市立高校で、充実した支援をどのように行っていくのか気になるところです。そこで、

質問13 海外大学進学支援プログラムの実施体制について、教育長に伺います。
答弁13 海外大学進学を目指す生徒への指導や教員への研修等について、豊富な実績がある民間業者のノウハウを活用し、実施します。プログラム推進の拠点校である南高校を中心に、各市立高校で海外大学進学に対する指導実績を積み重ね、今後は、国内大学への進学と同様に、海外大学を目指す生徒を学校が進路指導できる体制を目指していきます。

国内大学同様、海外大学に進学することが当たり前に選択できる支援体制を整えていただき、横浜市立高校からグローバルに活躍できる人材が育っていくことを期待しています。

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