2026年8月18日、所属する特別委員会「未来のまちづくり推進特別委員会」の視察で、北海道札幌市の「札幌駅前通りまちづくり株式会社」を訪問しました。エリアマネジメント会社です。本委員会の今年度テーマは「子育て世代に選ばれる駅周辺の魅力あるまちづくり」であり、地下歩行空間や駅前広場の利活用が活発な札幌駅前エリアを視察先に選定しました。代表取締役の内川亜紀さんにご対応いただきました。
会社概要と設立の経緯
札幌都心部は明治期の開拓使による碁盤の目状の都市計画を基盤とし、1972年の札幌オリンピック開催を機に下水道整備をはじめとする都市基盤や建物の更新が一気に進みました。同社設立の15〜16年前(2000年代半ば)の時点では、駅前通り沿道は銀行・証券会社が中心で、賑わいという言葉からは遠い場所だったといいます。
象徴的な転機となったのが、2011年3月12日にオープンした地下歩行空間(愛称「チ・カ・ホ」)です。1日あたりの通行量は夏場で約6万人、冬場は約10万人にのぼり、この立地特性を活かす形で沿道ビルの建て替えが加速しています。同社の事業エリアは駅前の(※資料では赤い点線で示された)約17ヘクタールの範囲を中心としつつ、実際には周辺へも活動が広がっているとのことでした。
整備に先立つ2003年には、地下歩行空間や大通公園の整備方針を議論する市民参加型ワークショップが開催されました。実動スタッフを含め1,000人規模が集まり、市役所内でも部局横断の議論が毎週重ねられたといいます。当時、実施設計の直前で市長選が行われ、「地下歩行空間整備の是非を問う」ことを公約に掲げた弁護士出身の候補が当選。着手の可否や白紙撤回も含め、あらためて市民意見を聴取した上で整備継続が決定されました。この過程で「ただの通路ではなく賑わいのある空間に」との市民の声が反映され、現在の地下歩行空間の姿になったとのことです。
2005年に整備が始まると同時に、駅前通り沿道の地権者31社が「駅前通り協議会」を結成し、2008年には地区計画を地元から提案。地下歩行空間へ接続することで容積率緩和を受けられる仕組みを導入し、これが現在の沿道再開発を後押ししています。常時賑わいのある公共空間を運営するには法人格を持つ組織が必要との認識で市と地元の利害が一致し、3年間の協議を経て2010年9月に会社が設立されました。内川様は同年10月に入社し、2年前から4代目の代表取締役を務めていらっしゃいます。設立時は数名だった体制も、現在は13名まで拡大しています。
株主構成は、地元商業者約40社が加盟する「駅前通り振興会」が筆頭株主で、その他に地元不動産オーナー、三井不動産・三菱地所などの大手デベロッパー、石屋製菓(白い恋人ブランド)などが出資し、札幌市も約3%を出資しています。出資者への配当は行わず、利益はまちづくり活動へ再投資する前提で運営されている点が特徴です。
黒い床の部分が貸出可能な広場
独立採算の収益構造
同社は市からの継続的な財政負担(指定管理料の恒常的な支出等)に依存しない自走型の運営を、設立当初から志向してきました。昨年度の売上高は約3億2,000万円で、内訳は施設管理収入(チ・カ・ホ、アカプラの指定管理業務に伴う、広場利用料収入等)が47%、壁面広告収入(地下歩行空間内の札幌市道・国道部分)が45%、残りが人材育成事業や受託事業等の収入です。
このうちチ・カ・ホ分については指定管理料はゼロで、利用料収入のみで運営を賄っています。指定管理料が発生しているのはアカプラ(赤れんがテラス)分のみで、年間1,200万円程度です。もともとチ・カ・ホは交通系のセクション、アカプラは都心まちづくりのセクションと担当課が分かれていましたが、最近統合されたため、今後アカプラの指定管理料の扱いも見直される可能性があるとのことでした。サイネージ等の更新時期を迎える設備についても、市の予算措置を待たず同社の収益で更新し、最終的に市へ寄付する仕組みを取ることで、市の財政負担軽減にも寄与しています。
なお、コロナ禍では公共施設としての休館措置により売上が約1億円減少し、一部補填はあったものの利用控えの影響もあって稼働率が大きく落ち込み、その後ようやく回復してきたとのことです。
アカプラの入口から。奥に見えるのが北海道庁旧本庁舎。当日は翌日のイベント設営中でした。
公共空間の柔軟な利活用を支える制度
チ・カ・ホ、アカプラともに市の「公の施設」として位置づけられていますが、独自条例「駅前通り地下広場条例」により、都市公園法等の縛りを受けずに商業行為やイベント開催など柔軟な利活用が可能になっています。加えて、道路法第20条に基づく「兼用工作物管理協定」により、通常であれば警察や道路管理者と個別に協議が必要な道路空間の利用について、包括的な協定のもとで手続きを簡略化しています。
地下歩行空間は全長520mを区画分けしながら運用し、年間約1,600件、1日あたり10数件のイベントに貸し出されています。営業時間は5時45分から24時30分まで。地下歩行空間開業前(2009年)と比較して沿道の従業者数等は約2割増加し、地下歩行空間に接続するビルの数は2010年比で3.1倍に拡大しています。
アカプラ(赤れんがテラス)は、隣接する札幌三井JPビルディングの整備に合わせ、公共貢献の一環として整備された広場です。樹齢約110年の街路樹(東京・荒川由来)が保存され、土木遺産に指定されています。整備にあたっては3回の社会実験を経て市民から提言を募り、計画開始から広場供用まで約10年を要しました。地域のビルオーナーや町内会等で構成する「活性化委員会」(年間予算約4,500万円)が、地域の祭り、市民参加型のフラワーカーペット(毎年約500人が参加)、綱引き大会など多彩なイベントを企画・運営しています。冬季は、道路管理を市役所任せにせず市と協議しながら遊具の無料貸出等を行い、保育園児から観光客まで幅広い層が冬の公共空間を楽しめる工夫がなされています。
防災・帰宅困難者対応の実績
チ・カ・ホは過去2回、一時滞在施設として開設された実績があります。1回目は2018年の北海道胆振東部地震(ブラックアウト)発生時で、3日間開設。当時は備蓄品が不足し、自衛隊による物資搬送を要請する事態となりました。2回目は2026年、記録的な大雪でJRが運行停止した際で、23時頃から翌未明にかけて約346人(体感としては5分の1程度が外国人観光客)を受け入れ、毛布を1,000枚以上配布しました。
これらの経験を踏まえ、地域と共同で「帰宅困難者対策の手引き」を策定し、冬季対応や多言語対応を検討したほか、定期的な受け入れ訓練を実施しています。通信事業者(KDDI)とは災害時の通信重点確保について契約を締結しているほか、施設内サイネージでは災害時にNHKの放送を流せる体制も整えています。指定管理協定において施設開設時の協力義務が定められており、備蓄品保管場所や施設の鍵の管理も同社が担っています。
人材育成事業とまちづくりビジョン
同社は「シンクスクール」(アートとまちづくりを学ぶ、約10年継続)、「ストリートデザインスクール」(2024年開始、道路空間の利活用を実践的に学ぶプログラム)という2つの人材育成事業を展開しています。後者は本州のエリアマネジメント組織「アーバンデザインセンター大宮」と連携し、受講生自らが社会実験の企画から効果測定までを行う実践型プログラムです。
北海道新幹線の札幌延伸を見据え、地元協議会を主体として約3年かけて「まちづくりビジョン」を策定しました(仕掛けは同社が担い、最終的な提案主体は地域協議会)。新規開発に際しては、地域独自ルール「地区街ルール」の遵守が市の要綱で義務付けられており、地域のエリアマネジメント組織、事業者、市の所管部署、第三者専門家等で構成する「開発検討委員会」が、開発段階から街の使われ方や防災訓練への参画等、質的な観点で協議する仕組みが設けられています。
現地視察:D-LIFEPLACE札幌からチ・カ・ホ、アカプラへ
事務所でのヒアリング終了後、実際に現地をご案内いただきました。最初に訪れたのは、竹中工務店が設計を手がけた第一生命ビル「D-LIFEPLACE札幌」です。自然光がふんだんに降り注ぐ吹き抜け空間が印象的で、家具やベンチも可動式になっており、撤去してイベントを開催できる設計になっています。同ビルの建て替えに伴い、これまで一箇所に集中していたバスの待合機能が分散したことから、待ち合いのための滞留空間としても活用されており、渋谷の宮下公園を思わせる公園的な雰囲気を持つ広場となっていました。
D-LIFEPLACEの広場を上から眺める。
D-LIFEPLACEの広場を下から眺める。
このエリアのデザインは同社が直接手がけたものではなく、設計者が作成したたたき台をもとに、イベントスペースとして貸し出す際の基準やルールを同社側と意見交換しながら調整していったとのことです。段差を利用した休憩スペースは互いの視線が合いにくいよう配慮されており、電源や備蓄の配置など実務的な視点からの提案も設計に反映されているそうです。同社は各施設に対し、地下歩行空間との接続部分に休憩スペースを設けるよう働きかけており、その基準の範囲内で各施設がオリジナリティのあるデザインを競い合う形になっています。中にはグッドデザイン賞を受賞した施設もありました。
D-LIFEPLACE札幌から地下に降りると、チ・カ・ホ(札幌駅前通地下歩行空間)の備品倉庫を見学しました。倉庫は交差点の直下、道路の地下に設けられており、所有者は札幌市です。イベントで備品を利用したい事業者は、まずこの倉庫を訪れ、自ら備品を持ち出す仕組みになっており、テーブルと椅子のセットが100円など、極めて安価な料金設定がされています。予約システムにより、誰がいつどの備品を使用するかが管理されています。なお、この倉庫にある備品はチ・カ・ホ所管のものであり、同社自身が所有する備品は別に用意しているとのことでした。
飲食店の前の広場の椅子とテーブルは誰でも利用可能。お客さんもそうでない人もいて汽水域のよう。
地下から地上へ移動し、アカプラ(札幌市北3条広場)へと向かいました。赤れんがの舗装には約21万個のれんがが使用されており、隣接する赤れんが庁舎(重要文化財)と同系色にそろえたデザインになっています。広場の一部にはテント状の民間施設も設置されており、官民協定に基づき官地と民地が併存する形で運営されています。もともと床面は土だったところを、保存対象であるイチョウの根を守るために一部かさ上げし、その段差を利用して自然と木陰ができる休憩スペースへと造成したとのことでした。広場の一角には、札幌が「舗装道路発祥の地」であることを伝える展示があり、百年以上前の当時の舗装の実物が保存・展示されています。
この一帯は東京オリンピック開催時にマラソンコースの一部として使用されることになり、急遽、通常は固定されている設置物を可動式に改修し、大会当日に取り外せるよう整備した経緯も伺いました。大通公園がゴールとなるコース設定であったため、沿道の広告物は少なく抑えられていたとのことです。なお、周辺道路の無電柱化についてはオリンピックにあわせて行われたものではなく、近年(5年ほど前から)の周辺整備にあわせて順次進められてきたとの説明がありました。
主な質疑応答
Q. 財政的には独立採算という理解でよいか。
A. その通りです。指定管理料等を市が恒常的に負担し続ける仕組みは市財政上も持続的でないため、壁面広告収入などで自走できる仕組みを設立当初から構築しました。地下歩行空間の開業翌日が東日本大震災だったこともあり、想定していた収益が得られないリスクを早い段階で経験したため、ある程度の内部留保を確保する方針も持っています。
Q. 事業内容がかなり多いという印象を受けるが。
A. 施設管理と言っても、広場の貸し出しに伴う業務が中心です。空間全体の空調や警備などは、札幌市から別の事業者へ直接発注されています。
Q. 地下歩行空間とアカプラの両方について指定管理を受けているという理解でよいか。
A. その通りです。ただし指定管理料が発生しているのはアカプラ分(年間1,200万円程度)のみで、地下歩行空間分は利用料収入のみで運営し指定管理料はありません。両施設はもともと担当課が別でしたが、最近統合されたため、今後の扱いが変わる可能性があります。
Q. コロナ禍の減収は市から補填されたのか。
A. 一定の補填はありましたが、利用控えの影響もあり稼働率が大きく落ち込んだため、完全な補填には至りませんでした。その後ようやく回復してきています。
Q. 有料貸し出しが可能な床(黒いタイル部分)の範囲は今後も拡大するのか。
A. ビルの建て替えが進むごとに地下歩行空間へ接続する範囲が増えるため、管理・清掃の対象範囲も拡大しています。ただし、ビル側に店舗ができると当該部分は貸し出し対象から外れるため、随時調整が必要です。
Q. 地下歩行空間全体の清掃も同社が受託しているのか。
A. 通路部分の清掃は札幌市が毎年入札を行い別の事業者に発注しています。広場部分の清掃のみ同社が5年契約で別の業者に委託しており、結果的に同一事業者になることが多いです。
Q. 札幌都心部の他のエリアマネジメント団体は、どのような組織形態か。
A. 株式会社形態は同社と「大通まちづくり株式会社」の2社のみで、他の約6団体(道庁南側のNTT中心の団体、郊外の新札幌エリアマネジメント(大和ハウス工業中心)など)は基本的に任意団体です。構成は地域の自治会・振興会・商店会・企業が中心で、都心部のエリマネ団体による連絡会も発足し、意見交換や勉強会を行っています。
Q. 容積率緩和の基準や運用要領、まちづくりビジョンの策定に、市の各課はどのように関わっているのか。
A. 市は必ずオブザーバーとして参画しています。所管する「都心まちづくり推進室」の職員は日常的に地域と接する体制にあり、都心部のハード・ソフト施策を一元的に調整する総合窓口として機能しています。
Q. エリアを拡大する際には、その都度行政の法規制対応が必要になるはずだが、これまでどのように進めてきたのか。
A. 現在の事業エリアは、母体である駅前通り振興会がもともと中心エリアと定めていた範囲です。会社設立当初(最初の4〜5年)は行政側の主導・支援が大きなウエートを占めていましたが、会社の自立度が高まった現在は、行政は側面支援・調整役に軸足を移しています。近年は市の各種ビジョン・計画の見直しが重なったこともあり、行政側から地域へ相談を持ちかける形での連携が再び活発化しています。
Q. 経済部局との連携はあるか。
A. あります。特に観光部局との連携が多く、フラワーカーペット等のイベントでも窓口となってもらっています。公共空間を貸し出していると、市役所の様々な部局からも利用相談が寄せられる関係性ができています。
Q. エリアマネジメント団体は、形式的な連絡調整の場にとどまり実行力を伴わないケースも多いと思うが、貴社が実行組織として機能している要因は何か。
A. スタッフ構成に特徴があります。設立時からの出向者に加え、美術作家、アートディレクター、デザイナー、ジャグリングパフォーマーなど、多様な前職を持つ人材を公募採用しており、それぞれの知見や経験を活かしてイベント運営等を実行しています。
Q. 帰宅困難者対応について。大雪によるJR運行停止時の受け入れでは、市職員11名と貴社社員が対応したとのことだが、社員の参集体制はどうなっているのか。
A. 事前に受け入れ訓練を行った際、調整担当者間でLINEグループを構築していました。当日は交通機関の状況を踏まえ、地下鉄で参集可能な職員かつ翌日出勤の予定がない職員を絞り込んで対応し、実際に参集したのは同社スタッフ3名でした。
Q. 施設開設や対応にあたっての権限や許可の枠組みはどうなっているのか。
A. 指定管理協定において、施設開設時には協力する旨が定められています。備蓄品の保管場所や施設の鍵の管理も同社が担っているため、開設判断は市と連携して行います。対応にかかった経費や、翌日以降のイベント貸し出しがやむを得ず中止となった際の補填については、市から手当てされています。
Q. 現地視察時・D-LIFEPLACE札幌にて。このビルは第一生命が全て建てたビルという理解でよいか。
A. その通りです。デザインは竹中工務店が手がけています。
Q. D-LIFEPLACE札幌について。このスペースのデザインは、まちづくり会社の皆さんで検討されたのか。イベント貸し出しの基準やルールも一緒に検討したのか。
A. 基本的なたたき台は設計者側が作成し、実際の運用を見ながら同社側と調整を図ったという経緯です。基準に沿ったうえで、各施設が独自のデザインを取り入れています。
Q. チ・カ・ホに接するビルやビル前の広場が、ここまで多様なデザインになったのは意図的に計算されたものか、それとも結果としてそうなったのか。
A. 各施設側から「周辺ににぎわいがにじみ出すようにしたい」という要望が多く寄せられ、調整を重ねる中で自然とこのような姿になりました。
Q. チ・カ・ホを利用する際の備品の貸し出しは全て無料なのか。
A. 品目ごとに料金が設定されています。テーブルと椅子のセットで100円など、非常に安価な設定です。予約システムにより、誰がどの備品をいつ使うかを管理しています。
Q. チ・カ・ホの備品倉庫はどのビルの地下にあるのか。
A. ビルの地下ではなく、交差点の下、道路の地下にあります。所有者は札幌市です。
Q. チ・カ・ホの空間活用について、イベントの貸し出し単位はどのように管理されているのか。
A. 基本的には柱と柱の間、6m×4mを1区画とし、面積(平米数)に応じて料金を設定しています。1日単位で入れ替わる場合もあれば、2週間程度同じ内容で貸し出す場合もあり、全区画を使った大規模イベントが行われることもあります。区画ごとの貸し出しになると、日々の調整はかなり煩雑になるとのことでした。
Q. アカプラのイチョウ周りの段差のある床は、もともとこのような形だったのか。
A. もともとは土の床面でした。保存対象であるイチョウの根を守るために一部をかさ上げし、その段差を利用して自然に木陰ができる休憩スペースとして整備しました。
Q. 周辺道路の無電柱化は、東京オリンピックの開催に合わせて行われたのか。
A. いいえ。オリンピックにあわせたものではなく、近年(5年ほど前から)の周辺整備にあわせて順次進めてきたものです。
所感
札幌駅前通りまちづくり株式会社の取り組みで特に印象的だったのは、「自走できる収益モデル」を設立段階から明確に設計していた点です。壁面広告収入を主な財源とし、指定管理料に頼らない運営体制を構築することで、市の財政負担を抑えつつ、会社としての意思決定の自由度も確保している点は、エリアマネジメント組織のあり方を検討する上でも参考になります。
また、2003年の市民参加型ワークショップから約20年をかけて、地下歩行空間・広場整備・容積率緩和という都市計画上の仕組み、そして運営会社の設立・自立化という段階を着実に踏んできた経緯は、単なる行政主導ではない、市民・地域主導という側面があります。市民参加によって政策形成を行い、自立したエリマネ会社が運営を担っていくという手法はなかなか簡単ではありません。
一方で、内川様からは「札幌には明治期以来、行政が主導し民間が協力する土壌がある」との指摘もあり、官民連携の在り方や推進力の源泉は都市ごとの歴史的経緯に大きく規定される部分もあると感じました。横浜市においても、都市デザイン行政が果たしてきた役割や、たまプラーザをはじめとする各地域のエリアマネジメント組織の現状を踏まえ、住民や地域コミュニティが一層活躍できる仕組みづくりを考えていく必要があると感じました。
また、同社では「まちのこそだて研究所gurumi」というプロジェクトに取り組んでいます。まちづくり会社である札幌駅前通まちづくり株式会社が、施設整備などのハード面ではなく「働き方」と「子育て」というソフト面から都心部の環境改善に取り組んでいる点に特徴があります。オフィスワーカーが集中し「北海道で一番、働く親が多い」とも言われるこのエリアで、当事者である社員自身の悩みを起点に2017年に始動しました。研究員という当事者目線での情報発信、インタビューや勉強会・イベントの開催、企業への理解促進の働きかけを通じて、子育てしながら働く人々の孤立感や負担を和らげています。2023年には「ほっかいどう未来輝く子育て大賞」を受賞し、活動の意義が対外的にも評価されました。さらに、子育てしやすい環境づくりを女性の雇用機会の拡大やエリア全体の活性化と結びつける視点を持っており、まちづくり会社ならではの発想で、働く人にとって暮らしやすいまちの魅力向上につなげようとしている点が大きな特徴です。
チ・カ・ホからビルに上ってもらえるよう工夫された、階段状の空間をもったビル。
グッドデザイン賞を受賞しています。
民間ビルの敷地・空間と溶け込んだアカプラの空間。
イチョウの保護のために設けられた段差に座り、くつろぐ人たち。街の中に人が居られる場所があるというのはいいですね。
Post comment
RECENT POST
- 2026.08.28
エリアマネジメント会社と公民連携の駅周辺魅力づくり。札幌市視察。 - 2026.08.27
年少人口の増加が続く、江別市の駅周辺まちづくり。視察報告。 - 2026.08.27
重要文化財・豊平館と、札幌市の官民共創の取り組みについて。 - 2026.08.26
豊富な社会資源に支えられた一時保護委託。札幌市東部児童相談所。 - 2026.08.25
地域と環境と防災を考慮した、札幌市の駒岡清掃工場視察報告。
RELATED POST
- 2026.08.27
重要文化財・豊平館と、札幌市の官民共創の取り組みについて。 - 2026.08.26
豊富な社会資源に支えられた一時保護委託。札幌市東部児童相談所。 - 2026.08.25
地域と環境と防災を考慮した、札幌市の駒岡清掃工場視察報告。 - 2026.08.25
絵本マイスターできっかけづくり。札幌市えほん図書館視察報告。













