次世代郊外まちづくりと、横浜市の政策形成プロセス

2013-03-20 18:30:38 | カテゴリ:活動報告


横浜市の政策形成過程、意思決定過程に、いかにして直接的に市民が参画、関与できるか。

という事を、ずっと考えながら、議会でも広聴・広報、報道、プロモーションといった部分や、オープンデータ、フューチャーセンター、フューチャーセッション、といったテーマに取組んできました。地方分権・地域主権改革が実現した後のこと、横浜市に権限や財源が移譲された後のことを見据え、今後どのような政策形成プロセスを横浜市として築いていけるかを考えながら取組んでいます。

現在たまプラーザ駅北側、美しが丘1丁目〜3丁目を対象として、横浜市と東急電鉄、そして地域の方々とで進められている「次世代郊外まちづくり」事業があります。今年度は、5回に渡るワークショップが開催され、このワークショップで行われた対話を基に、基本構想が策定される運びとなっています。この取組みは横浜市と東急電鉄との初めての連携事業であること、また横浜市が行っていく施策の基本構想に住民参加のプロセスが用意されたこと、またその手法がフィールドワークやワークショップ(行政に市民が質問する一方的な形ではなく、双方向的な方法)であったことなどから、私も注目して参加してきました。このプロジェクトが始まる前には、延岡市で行われた同様の取組みについても、視察を行いました

第1回ワークショップ&フィールドワークの様子

第1回ワークショップ&フィールドワークの様子

第1回ワークショップ&フィールドワークの様子

今回何度か私も参加させて頂いて、意見が活発に交わされていたことや、皆さん楽しそうに参加されていたことが印象的でした。テーブルの中には、必ず1人コーディネーターが配置され、市職員も入り、建設的な対話が交わされていたと思います。そして、既に具体的な活動につなげていこうという動きもあるようですし、運営側も相談体制を用意しているようです。

何より、重要なのは「これから」だと考えています。5回のワークショップから出来上がる基本構想が、どういった内容になるのか、実現されるのかどうか。そして今回の取組みを、今後他の政策・施策、他の地域にも展開できるか、より多くの政策・施策に導入できるかどうか。

第4回ワークショップの様子

行政だけで地域の課題は解決できません。財政的にも義務的経費(人件費、扶助費、公債費)が増大し、財政が一層硬直化し、新しい事業をどんどん行うという訳にもいきません。そうした中で、いかに地域の課題を解決するかといえば、行政任せでもダメですし、住民任せでもダメで、行政と住民とが協力していく他ありません。協力のためには従来型の、計画や構想、条例などの案に対して「パブリックコメント」や「市民意見募集」で「市民の声を反映します」というあくまでも「行政がまず作成する」という方法や、住民の方々が計画し、準備し、申請したものを「行政が審査する」という方法を転換する必要があります。これからは、行政も住民も地域の1関係者として、対等な立場で考え、対話し、解決策を作り上げるという方法、今回のたまプラーザの手法のような方法を、活用していかなくてはいけないと考えます。

第5回ワークショップの様子

これまでは、行政は市民の声を「広聴」という制度で「聴く」ことはありました。政策によっては、団体の代表者等が集められて議論が行われるケースもありましたが、何の肩書きも必要なく、ただ「住んでいる」人達が行政と一緒になってアイディアを出して、解決策を描き、そして実際に活動していくという機会は、ほとんどありませんでした。住民、NPO、ボランティア組織、企業、行政などが、対等に、協働し、共創し、地域課題を解決していく仕組みを、横浜市の政策形成プロセスに、しっかりと位置づける必要があると考えています。

オープンワークショップ

オープンワークショップの様子

オープンワークショップ

オープンワークショップの様子

もう1つ、今回の次世代郊外まちづくりで重要だった取組みが、「オープンワークショップ」です。たまプラーザテラスの2カ所に、テント等を設置し、それまでのワークショプの内容を展示するとともに、来場者にはポストイットに「こんな街になったらいいな」と思うことを書いて貼ってもらう取組みでした。こういう取組みは、現在横浜市が行っている市民意見募集等でも実施すべきだと考えています。パブリックコメントも、市民意見募集も、ほとんど回答者は数十名、多くても3桁です。区役所などに資料を配置し、後はホームページで見れるぐらいで、十分な告知などは行われていません。扱っている案件によっては、横浜市民の一部にしか関係しないものもありますが、中期4ヶ年計画とか、防災計画とか、市庁舎整備計画とか、直接市民生活に関係するような計画も沢山あります。後者のような、多くの市民に影響するような計画に関しては、各区の主要駅でテントを張り、資料を配布するとともに説明員も置かれ、その場で説明を受けながら意見を提出するような機会、場を設けた方が良いと考えています。

Comments 2

  1. 野口美湖 より:

    横浜市の次世代郊外まちづくりの取り組みに、とても関心を持ちご連絡致しました。突然のメールで失礼致します。
    現在、東京都の産業技術大学院大学でまちづくりについて研究をしております。既に、まちづくりの活動が進んでいるとは存じますが、私達の研究グループが共働でまちづくりのプロジェクトに参加させて頂ければと考えてメールを差し上げました。
    まずは、ワークョップなどに参加したいと存じます。取り急ぎご連絡させて、頂きました。

    • 藤崎浩太郎 より:

      野口さま、コメントありがとうございます!
      ぜひ一度、情報交換を致しましょう!

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