変わりゆく、防災訓練。

2012-02-05 20:25:35 | カテゴリ:活動報告


311東日本大震災以降、横浜市においても防災意識が変化しています。行政においても、平成23年度の補正、24年度の本予算などで、震災対策や、防災計画の見直しのための予算が計上されてきました。そして同時に、地域における防災への取組も変化しています。

本日はあざみ野中学校で行われた、地域防災拠点における防災訓練に参加しました。あざみ野中学の防災訓練は、毎年参加してきましたし、昨年もブログに記事を書きました。震災があったのは、この1カ月後でした。地震が発生した直後、青葉区内の各所で、自治会の方や商店会の方、消防団の方をはじめとして、区役所や消防署に頼らず、自主的に地域の方が対応に動かれました。その際、多くの方が認識されたのが、防災訓練の重要性と、これまでの取組の不十分さでした。昨年のブログでも記載しているとおり、これまでは仮設トイレの設営、消火器の使い方、地下貯水槽の使い方、といった訓練が行われ、毎年同じような内容が行われてきました。しかしながら、今年はこれまでの取組に加え、医師会、歯科医師会、薬剤師会、柔道整復師会、アマチュア無線非常通信協力会の協力のもと、トリアージの訓練や、地域医療救護拠点の機能としての訓練も行われました。

これまでの防災訓練は、防災倉庫を開けたりするものの、校舎の中を使用することはありませんでした。しかしながら今回は、まず体育館からスタートし、今回の訓練の目的等オリエンテーションが行われました。

オリエンテーションの模様

またトリアージの訓練は、保健室の隣の図書室を使用しました。発災時に駆け付けた自治会の関係者が、図書室の机や椅子を片付けて、怪我人を受け入れる場所を設営するところから始まりました。

机と椅子が整然と並ぶ図書室を↓

怪我人を受け入れられるように片づけて、↓

担架で怪我人役の人を運び入れて、↓

想定症状に合わせて、トリアージの取組についての解説が、医師会の先生から行われました。

この、トリアージ訓練のポイントの1つは校舎内を使用していることであり、もう1つは担架を使用していることです。実は、この担架の使用、これまでの訓練では行われていませんでした。防災倉庫内には以前から備蓄されていましたが、袋のまま未開封状態。昨年のブログでは、毛布を担架代わりにする訓練は行われましたが、担架そのものの使用がこれまで行われてこなかったのです。今回の訓練での大きな変化は、より実践に即した対応が行われたところにあります。

トイレの対応についても、今回は一般に販売されている既製品を利用するケースを訓練しました。建物に危険がある場合は、屋外に設置される仮設トイレが非常に有効になります。一方、建物の安全が確保されている場合は、校内のトイレを利用することが可能です。ただ、下水道等が機能していなければ流す事が出来ません。今回は、校内のトイレでパック式の備蓄仮設トイレを利用する方法の説明と、実際に設置した所を見てもらう取組が行われました。

今回の取組で、もう1つ大きかったのが、自治会役員などの事前の訓練です。あんまり写真を取っていなかったのですが、訓練にはゼッケンを身に付けた方が何人もいらっしゃいました。防災訓練の本番は10時開始でしたが、ゼッケンを付けていた役員の方々は9時スタート。生活維持、避難誘導、食料物資、庶務情報、救出救護といったゼッケンが色分けされ、仕事の分担が行われました。このゼッケンを付けた方々が、万が一の発災時にはオペレーションの中心を担うことになっています。誰が何を分担するのかを事前に決めて、実際に訓練をすることで、現場対応をよりスムーズにしようという取組でした。混乱する状況下を想定した、より具体的な取組です。

来年度予算の審議が、現在議会においてスタートしています。消防局の予算の中で重要な項目の1つが、防災計画の見直しです。4,000万円が計上されています。消防局の方々も、沢山の現場を見ているでしょうが、発災時に実際に動けるのは消防隊員ではなく、地域住民の方々です。絵に描いた餅、のような計画にならないよう、より実際的で現場目線の計画になるよう、私も議会で主張していこうと思います。

(以下、その他の訓練の写真です。)

医療救護拠点としての備蓄

医療救護拠点としての備蓄

医療救護拠点としての備蓄

防災備蓄倉庫の中

地下貯水槽の使い方も実施。

子ども達に人気の、消火器の使い方訓練。

三角巾の使い方も。

最後は炊き出し訓練で作られたカレーを頂いて、終了。

、アマチュア無線非常通信協力会

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