横浜市も中学校給食実施へ!ハマ弁の給食化と課題。

2020-07-26 16:40:34 | カテゴリ:活動報告


横浜市中学校給食

これまで多くの方から、横浜市でも中学校給食を実現してほしいというご意見をいただいてきました。私もこれまで議会活動の中で、質疑や、市長への要望書などを通じて、何度も中学校給食の導入を求めてまいりました。(※参考:中学校給食関連記事)そして遂に、2020年7月1日に開催されたこども青少年・教育委員会において、2021年度から中学校給食が実施されることが正式に発表となりました。長い間、多くの市民の皆様が要望を続けられた結果です。

参考:2020年7月1日こども青少年・教育委員会資料

今回の決定は、従来の「ハマ弁」を学校給食法上の給食に位置づけ、選択制のデリバリー型給食として実施するというものです。学校給食法に位置づけられることのメリットとしては、保護者負担が食材費のみとなるため(設備費や人件費等は市が負担)、保護者負担の低減が見込まれること、使用される食材の国産比率の向上や地産地消の推進が行われることなどが示されています。

ハマ弁の給食化における課題

一方で課題もあります。「ハマ弁」については喫食率目標を2020年度までの5カ年で20%としながらも、2020年6月時点では10.1%と低迷し続けています。今回の決定はハマ弁を給食と位置づけるものであるため、普段の使い勝手としてはそれほど変わりません。また中学校給食を望む声の中でも、ハマ弁のような選択制では不十分、全員喫食が良いと考えていた方々のニーズには応えられていません。選択制デリバリー型給食の想定喫食率は20%と示され、最大30%まで供給ができるように供給体制を整えるとされていますが、少なくとも70%の方、体制が整う前であれば80%の方はそもそも選択したくても注文できない、という課題も抱えています。

他都市での取組状況

私はこれまで横浜市での中学校給食実施を求めながら、他都市の視察も行ってきました。横浜市と同じく政令指定都市である大阪市は、2011年度から選択制のデリバリー型給食を実施しましたが、2012年度、2013年度と実施したアンケート結果から「多数の保護者が全員喫食を希望していること」が判明し、2014年2月には全市的に「全員喫食」を導入することが示され、2019年度の2学期に全中学校での全員喫食が実現されています。鎌倉市の中学校給食は、横浜市のハマ弁と同じ事業者によるデリバリー型給食として実施されていますが、実施から3年目で喫食率が80%を超えていました。鎌倉市では当初から「原則給食」としてスタートしたことに、喫食率が高い理由があると考えられます。

2021年度からの中学校給食実現は、市民の皆様の声が市政を動かした重要な前進です。とは言え、これで終わり、というわけにはいきません。今回も民間事業者との5年契約が結ばれる予定となっています。大阪市が保護者や生徒等にアンケート調査を行い、真摯に向き合ってきたように、横浜市も保護者や生徒の声を聞きながら、課題があれば改善をし、より利用しやすい、ニーズに応えられる中学校給食へと向上させていくことが欠かせない、重要な点です。

Comments 10

  1. kaneko より:

    ハマ弁はまずい!
    業者弁当の方がまだまし。それでも…おいしくはない。
    と言っています。

    小学校の給食は美味しかったそうです。
    校内調理で暖かい給食が良いのです。

    • 藤崎浩太郎 より:

      ご指摘の通りで、味に関するご意見もありますし、
      自校調理方式や、全員喫食を求めるご意見も多くあります。
      今回のハマ弁の給食化においても、
      市が選択肢を制限した上でのアンケートは行われていますが、
      あらゆる意見を聞くということが行われていないのも問題です。

      これまで市長が一切「中学校給食」という言葉自体を使わなかった時代が長いなか、
      今回の決定は一歩前進ではありますが、
      これで全ておしまいではなく、今後もしっかりと改善されるように取り組んでいきます。

  2. 小澤 より:

    進学した中学校がハマ弁推奨キャンペーンをしていたこともあり時々、ハマ弁を利用させていただいておりますが。。

    子どもの感想は(先輩母たちからの評判通り‥)
    「冷たくて不味い」とのことです。
    ハマ弁をとっている数少ないクラスメートの中には、不味くて食べられないおかずが多々あるため、ハマ弁プラス別に家からおかずを一品持たせているそうです。

    子どもによると、特に炒めた野菜の副菜やつくねやハンバーグなどの挽肉の主食が、冷たいと本当に不味くて食べにくいそうです。

    私が食べたことがないので想像でしかありませんが、おそらく、コンビニのようにお弁当を温めて食べることができればここまで不評ではないかと思います。

    「栄養バランスの良いメニューを成長期の子どもに」という目的は理解できますが。。
    おかずを温める体制がどうしてもとれないのであれば、せめて、
    「冷たいと食べにくいおかずは避ける」という方向でメニューを考えていただきたいと思います。

    • 藤崎浩太郎 より:

      ハマ弁の味に関する問題、ご指摘ありがとうございます。
      給食化され、国産食材使用比率の目標が80%以上とされるなど、品質の改善が期待されますが、
      そもそも美味しいかどうか、冷めても食べやすいか、という部分もとても大事ですよね。
      市教育委員会にもしっかり要請します。

  3. 吉田 より:

     問題は中学校の昼食の時間の短さもあると思います。 ハマ弁は校舎の1階に全部届きます。そこに受け取りにいくらしいのですが、各自とりにいくため相当なタイムロスがあります。 ゆっくり食事をとる時間がとれないなら、自宅から持っていった弁当がいいと、息子は言います。 特に感染予防のため密になることを避けなくてはいけない中、弁当の受け取りにもっと時間がかかっているのでは? 受け取りの時間を昼食時間外にとる、少なくとも各学年のフロアまで弁当を運び入れる、などの工夫が必要ではないですか。

    • 藤崎浩太郎 より:

      問題提起ありがとうございます。
      ご指摘頂いた点、大変重要なポイントだと思います。
      利用率(喫食率)が上がれば上がるほど、生徒の皆さんの受け取り動線、受け取りに要する時間が、悪化する可能性があります。
      現在のハマ弁の利用においても、受け取りに行くのが大変という課題が指摘されているなかで、
      4月の中学校給食化以降、私もしっかりチェックし、改善されるよう教育委員会にも求めて行きたいと思います。

  4. より:

    現中2です。ハマ弁食べています。
    食べてみて思った事を書かせていただきます。
    味はまあまあです。周りが言うほど不味くは無いんじゃないかな…とは思います。
    しかし、問題はおかずで、冷たすぎます。ホームページを見ると、衛生上の理由もあるみたいですが、ごはん・汁物が暖かい分おかずの冷たさが際立ってしまっています。
    やはり、中学校にも給食室が欲しいです。給食室のあった小学校の給食に慣れてしまっている自分からすると、ハマ弁はとても貧相に見えてしまいます。
    また、前から問題になっている様に食べる時間が短すぎます。本当に、5分で良いので伸ばして欲しいですし、それによって喫食率も向上すると思います。(個人的に喫食率の低さは時間の短さが大きな要因だと思います)

    カジノや、新市庁舎を作るくらいなら給食室を…というのが率直な意見です。お弁当を持っていかずに済むようになったという点では本当に素晴らしいと思ったので、より良いものへ改善していって欲しいです。

    • 藤崎浩太郎 より:

      問題のご指摘ありがとうございます。

      温かい料理を食べられるようにしたいですよね。他都市では、センター方式などでも温かい料理を提供しようと、工夫がされています。今回の中学校給食化によって、横浜市でも温かい主菜を提供しようと、検討、準備がされています。子ども達が美味しい給食を食べられるように、私達もしっかり要求し、確認していきたいと思います。時間の問題も、他の方からもご指摘いただいてきております。落ち着いて食事ができるよう、時間の面の改善も求めていきます。

  5. ふくなが より:

    最大30%まで供給ができるように供給体制とありますが、今後喫食率が上がった際の供給率UPのためには何が障壁になっているのでしょうか?用地?協力業者手配?

    • 藤崎浩太郎 より:

      コメントありがとうございます。

      弁当型の給食を作っている事業者の生産能力が喫食率でいうと30%となっています。事業者が生産ラインを増やすことが可能であれば、もしくは、他に供給できる事業者を増やすことができれば、30%を超えて供給が可能な体制を築くことは可能だと思います。逆に言えば、この2つの方法がとれなければ、供給量を30%よりも上げることが難しくなります。

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