横浜市が新たな図書館を整備へ。政策提案が実現へ前進!

2024-12-18 16:10:50 | カテゴリ:活動報告


2024年12月12日に開催された、横浜市会の常任委員会「こども青少年・教育委員会」において、「今後の市立図書館再整備の方向性」についての報告が行われ、「新たな大型図書館」を整備する方針が示されました(資料はこちらから)。私はこれまで議会において、図書館を増やすことを提案してきましたし、2023年の市会議員選挙において「図書館の新増設、図書施策の充実を推進」を政策に掲げてきました。いよいよ長年の提案が、実現に向けて進んでいきます。

図書館の数も、蔵書冊数も少ない横浜市の図書館

横浜市はこれまで「1区1館」という方針のもと、西区の中央図書館と、それ以外の17区の地域館の合計18館を増やさない前提での施策に終止してきました。この1区1館は平等なように見えますが、人口約11万人の西区にも1館、人口約31万人の青葉区にも1館と、人口比では大きな格差が生じています。「1区1館」の整備は大阪市も同様ですが、大阪市の場合は人口約277万人に対して24区24館ですので、約12万人に1館の図書館があることになります。一方横浜市の場合は約21万人に1館となり、同じ「1区1館」でも人口比では大きな差が生じていました。

他にも、蔵書の総量は約408万冊と政令指定都市で2位ですが(1位は大阪市の433万冊)、市民1人当たりにすると1.1冊で政令市最下位という状況です。図書館の老朽化や狭さの問題もあり、蔵書を増やすことにも課題が生じてきています。以上の課題から、青葉区民意識調査でも図書館に対する問題意識をお持ちの区民の方が多くいらっしゃることが示されてきましたし、私も直接数多くの方から図書館を増やすことや、内容を充実させることについてのご要望、ご意見をいただいてきました。数が少ないことに伴うアクセス性の低さや、老朽化や狭さによる利便性の低さという問題を解消するためには、新たな図書館を整備して、図書館数を増やすことが根本的な解決策であり、この議論に目を背けてはいけないと、長年にわたり林前市長と山中市長、教育長に提案を続けてきました。

図書館を新設し、アクセス性や利便性の向上へ

今回報告された「今後の市立図書館再整備の方向性」では、市立図書館が抱える主な課題が、①施設環境、②提供するサービス向上を担う新機能導入、③蔵書、④図書サービスへのアクセス性、⑤物流拠点機能の整備、の5つに整理されています。そのうえで、「対応の方向性」として、柱1:市立図書館の再整備・機能拡張、柱2:図書サービスへのアクセス性の向上、柱3:デジタル技術の積極導入、という3つの柱に整理された対応策が示され、柱1の中で新たな大型図書館の整備(時代・ニーズの変化等に対応する、新たな大型図書館を整備)が示されています。新たな大型図書館は、中央図書館と同規模の10,000~20,000㎡が想定され、「教育都市横浜の”知の拠点”」としての役割を担い、図書を含めた多様なメディアを扱い、居心地の良い空間づくりを目指しています。さらに、柱2のアクセス性向上策として、図書取次拠点の増設が示されていることもあり、図書取次サービスを支える物流拠点としての機能が新たな大型図書館に整備されることが示されています。

整備場所等の具体的な検討は来年度以降に行われていくということですので、市民の皆様に喜ばれ、多くの方に利用される図書館が整備されるよう、引き続き取組んでいきます。

【参考】これまでの私の議会質疑や視察報告はこちらからご覧いただけます。

藤崎浩太郎
図書館総合展(2024年11月7日)「政令市図書館政策プレサミット」での登壇の様子。

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