2026年7月21日、所属する常任委員会「総務委員会」の視察で氷見市を訪れました。令和6年能登半島地震における財政運営について、ということで震災の復興事業等についてお話を伺い、現地も拝見しました。
氷見市の被災状況
2024年1月1日16時10分、マグニチュード7.6の地震が発生し、氷見市では震度5強を観測しました。石川県に隣接し能登半島の付け根である氷見市では、大きな被害が出ています。特に臨海部では液状化現象が起き大きな問題となりました。住宅の全壊は232棟、半壊は504棟、一部損壊は6,037棟となっています。富山県内の全壊が258棟、半壊が809棟、一部損壊が21,751棟となっていますので、全壊の9割は氷見市に集中していて、被害の大きさが伺いしれます。人的被害は15人で関連死は4名、重症2名、中等症1名、軽症8名で、避難者は約6,000人となっています。避難所は最大35か開設され、1月23日には全避難所が閉所されています。小中学校は14校中12校が被災したものの、1日遅れでの始業を迎えられたそうです。水道の断水状況も厳しく、14,000世帯が断水し、全面復旧まで3週間を要しています。横浜市は給水車の派遣や、応急給水活動等の支援を行っています。
復興予算の編成と執行
氷見市の行政運営の基本方針には震災からの復旧・復興が位置づけられ、特に「創造的復興を目指す」こととされ、人口減少等の課題にも対処できるように事業が進められているそうです。令和5年度から8年度において、復旧・復興の予算として277億3672万円が予算化され、被災者・被災事業者への支援、社会を支える公共インフラ等の災害復旧に要する経費として充てられています。令和5年度には予備費の3回の活用と補正予算が執行され、そのうち予備費の活用は専決処分で執行されています。あわせて財政調整基金の取崩しもなされ、令和5年度においては約5億5800万円が取り崩されています。避難所運営や応急修繕、災害廃棄物処理が発災直後から必要になり、令和5年度の実質単年度収支は、約5億1100万円のマイナスとなっています。一方で令和6年度からは特別交付税、国県支出金、市債発行などによって歳入が増えるとともに、災害普及事業費や物件費・維持補修費、補助金等のインフラ復旧や日常生活の復興への歳出が充実していっていました。また、災害復旧事業に関する市債発行については交付税措置率が高いため、災害復旧事業に係る氷見市の実質的負担額は、大きく軽減されている状況にありました。
液状化対策と、ひみ花プロジェクト
氷見市の被災で大きな問題となったのが液状化で、現在「液状化対策推進事業」が進められています。宅地液状化等の復旧支援が60件で行われたほか、市内の3地区(間島・栄町、北大町、中央町・比美町)を対象とした対策が進められています。3地区では「宅地液状化防止事業」という未然防止の事業が実験的に進められ、地下水排水溝の敷設等によって地下水位を下げる工事が進められています。この工事を通じてどの程度地下水位を低下させることができるのか、また地盤沈下の低下に影響があるかどうかを確認、検証することが目的とされています。
住宅への被害も多かったことから、公費による住宅の解体が進められています。令和8年3月31日時点で、公費解体の申込みが800棟、申請により公費負担となる自費解体184棟、合計984棟のうち932棟の解体工事が完了しています。市役所や現地に移動する際の町並みのなかにも、たくさんの空き地が見られましたが、多くが被災し、解体された住宅の跡地のようでした。現在住宅がなくなって更地になった場所では「ひみ花プロジェクト」が進められている。このプロジェクトは、空き地に花畑や花壇の整備がすすめられ、彩り豊かな憩いの場にしようという暫定利用事業となっています。
ご案内いただいた現地では、「一人一花in能登半島」が行われていました。現在2か所(加納町、池田町)で行われていて、私たちが訪れたのは加納町でした。以前は酒屋さんがあった場所で、震災により1階が潰れるという被害があった場所です。現在は元あった中庭の樹木等が活かされながら、一花の花壇とベンチが設置され、地域の方々が集える憩いの場として整備されています。整備費用には企業等の寄付が使われ公費を入れず、運営は地域の方々によって担われています。あくまでも暫定利用であり、地権者もあっての事業であり、今後は住宅を建てるなど本格的な利活用の検討が進められていくようです。
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