いじめ事案に関する、教育行政に対する運営委員会申し入れ

2024-03-29 11:44:18 | カテゴリ:活動報告


20240326運営委員会

2024年3月26日に行われた横浜市会運営委員会では、横浜市立中学校2年生のいじめ自死事案について、市長等への申し入れを行うことが決定し、4項目の申し入れが採択されました。

申し入れの採択に先立って、各会派からの意見表明が行われ、私は立憲会派を代表して意見表明を行いました。以下は、意見表明の際の中継動画と、読み上げた文章の原稿です。発言に際して少し言い回しが異なっている部分があります。

意見表明内容

立憲民主党を代表しまして意見申し上げます。

2020年(令和2年)に発生した中学生がいじめにより自死した事案について、横浜市教育委員会が、いじめ防止対策推進法に違反し、重大事態への対処を怠ったことは、看過出来ない事態であると認識しています。人命軽視甚だしく、議会を軽視し、これまでのいじめ事案に関する反省もなく、生徒を守らず、教育委員会を守るための対応が進められ、極めて問題です。

いじめ防止対策推進法第28条に定められている重大事態への対処義務を怠ったことについては、鯉渕教育長自ら認めていることであり、また、法に則り適切に重大事態への対処へ移行していれば救えた命だったかもしれないと鯉渕教育長ご自身が認めているところです。

法に違反し、悲劇を招いたことは、取り返しのつかない極めて重い事態です。さらに、第三者委員会から「いじめがあった」と報告されるまで、いじめによる自死であったことを教育委員会が認識できなかったことは、教育委員会の体制が健全に機能しているのかを厳しく疑わなければならない事態であると認識しています。

更に、いじめ重大事態としての調査報告については12月14日に確定されているにもかかわらず、公表されたのは3月8日と3ヶ月近く経過し、議会審議日程が極めて限られたタイミングでの公表でした。もっと早く公表できたはずであり、意図的に公表を遅らせ、議会での議論を妨げる目的があったのではないかと、疑わざるを得ません。議会を軽視し、市民を軽視し、自らの罪を隠蔽する教育委員会組織の体制や、職員の意識のあり方自体が、到底子どもを守れる状態にはないと認識しています。

横浜市中期計画2022〜2025では、「子育てしたいまち、次世代を共に育むまち、ヨコハマ」という基本戦略が掲げられ、『戦略1すべての子どもたちの未来を創るまちづくり』では、「安心して子どもを産み育てられる環境づくり」や「一人ひとりを大切にした学びの推進」という言葉が並べられています。しかし、教育委員会が行ってきたことを見れば、保護者にとって学校は、子どもを預けるには不安の塊のような場所であり、子どもが命を失う可能性がある場所であり、子どもたちにとっては、そこにいる大人たちが、自分のことを守ってくれない場所になってしまっています。

「地方教育行政の組織及び運営に関する法律」第7条において、地方公共団体の長は、教育長に職務上の義務違反があると認める場合においては、当該地方公共団体の議会の同意を得て、その教育長を罷免することができると定められています。職務上の義務違反が明確に認められる今般の事案は、本来市長による罷免が出来ることをあらためて認識しなければならない事案です。

この10年間で41名もの子供たちが自死を選択し、亡くなったことも明らかにされました。私たちは、命の貴さを最も理解すべき教育委員会が、法に違反し、いじめを苦にし かけがえのない命を失うに至った取り返しのつかない重大な事態を招いたことについて、そして、この10年間多くの子供たちが自ら命を絶ってしまったことについて、教育委員会の会務を総理し代表する立場である鯉渕教育長は、本来は不信任にも値するものと認識しています。
(※ 会務を総理とは、「教育委員会の会議を主宰」すること、「教育委員会の権限に属するすべての事務をつかさどる」こと、「事務局の事務を統括し、所属の職員を指揮監督する」ことを意味します。)

二度と悲劇を生まないために、いじめ防止対策推進法を順守し、いじめを苦に亡くなった子供たちが他にいなかったのか、現在もいじめを苦に自死を選択肢に悩んでいる児童生徒がいないのかどうかの総点検が必要です。また、いじめに係る係争中の案件についても、改めて調査を行う必要があります。今後、教育委員会の体制をゼロから生まれ変わらせる取り組みを進めてもらいたいですし、議会からも進めていきたいと思います。

以上のことから我会派としましては、市長等の責任ある対応を求めるなど、運営委員会として申し入れを行うべきであると考えています。

教育行政に対する運営委員会申し入れの内容

運営員会では「教育行政に対する運営委員会申し入れ」を行うことが決定し、以下の内容が委員長から諮られ採決されました。

1 今回のいじめ事案についての学校現場及び教育委員会内部での対応過程に関する徹底した再調査を行い、かつ、関係法令違反が明らかになった場合には、速やかに当該教育長及び当該職員に対する処分を行うよう、市長等の責任ある対応を求める。

2 いじめによる自死がなかったかどうか、他の自死事案に関する調査も徹底して行うことを求める。

3 今回のいじめ事案に関する議会への報告時期が遅れたことも問題である。1及び2の調査が終了し次第、速やかに市会に報告することを求める。また、重大な事案が今後発生した場合には速やかに市会に報告することを求める。

4 全ての児童生徒が安心してのびのびと学校生活を送ることができるような環境を整える責任は、大人たちにある。市長、教育長をはじめとする教育行政に関わる全ての関係者が自らに課せられた責任の重大さを認識し、いじめによる自死が二度と起こることのない教育委員会と学校現場を作り上げることを求める。

という4項目になっています。

当日の運営委員会の様子は、こちらのリンクからインターネット中継にてご覧いただけます。

翌日3月27日発行の神奈川新聞朝刊紙面では、記事内で私の発言が取り上げられています。Web版は有料記事となっていますが、こちらでもご覧いただけます

3月29日には平原副市長、伊地知副市長に、運営正副委員長から申し入れ書が渡されました。神奈川新聞にも記事が掲載されました

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