2024年3月15日に開かれた常任委員会「国際・経済・港湾委員会」において、山下ふ頭再開発に関して当局と質疑を行いました。私はこれまで市会において、山下ふ頭再開発に市民意見を直接取り入れる枠組みを設けること等、市民参加機会を充実させることを提案してきました(※参考)。今回の常任委員会では、山下ふ頭再開発調整室長や副市長に対して質疑を行い、改めて市民参加の機会について提案を行いました。
以下、質疑の内容を文字起こしした文章です。
(※議事録ではないので、実際の内容とは若干言い回し等が異なります。)
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藤崎 はい、ありがとうございました。山下ふ頭のことで質問させていただきます。 今回予算審査でも色々ご議論あったところではございますけども、なかなかこう、市民の意見をどう反映させていくかというと、なかなか見えてこないかなというところがあります。 今回、皆さんの、特に関係の皆さんのお手元には、この「山下ふ頭に○○があったらいいな」という冊子が配られたと思いますし、この実行委員会の皆さんがたくさんの議論を重ねてご意見を集められて、色々と大変なこともあったかと思いますが、1つにまとめられる作業をして、立派な冊子を作られたと。こういった動きが市民の中にもあるということは非常にありがたいことだと思いますし、それだけ市民の関心は非常に高い環境にあるというのは、この山下ふ頭の現状だという風にも捉えています。そうした観点から、まず、この実行委員会の資料ですね、あったらいいなのこの冊子を受け取られて、新保室長ですね、新保室長のまずご感想というかご見解をいただければと思います。
新保山下ふ頭再開発調整室長 私もですね、こういう活動があるというのを知ったのは、実は新聞記事を見てですね、知ったというのが実際のところであります。先月ですかね、私のところにも届けていただきまして、中を見ますと、本当に300名以上の方が集まって、1年間かけて色々議論いただいたっていうこと、本当に頭が下がる思いであります。 で、具体的な提案内容といたしましては、山下ふ頭の、どちらかというとその山下公園に近い方、ここをですね、市民共生エリアという名称をつけて、そこには人、町、水、こういったものが繋がるエリアだということで計画をされております。 で、主な内容とすると、その芝生や低木の多目的公園、あとは海にこう触れられる浸水公園、一般の方々が利用できるような多目的なスタジオですとか、あと、企業や研究機関を中心に、そういった、イノベーションセンターで特徴的なのは、真ん中に運河を作ろうというようなことが特徴的な提案なのかなっていう風に思っております。1年かけて、本当に一生懸命こうやっていただいて、ぜひこういったことを参考にさせていただきながらですね、次のステップに我々の方も進めていきたいという風に考えて、 本当に頭が下がる思いで受け取らせていただきました。
藤崎 はい、ありがとうございます。室長おっしゃった通り、本当に素晴らしいご検討がされていて、こういう視点もあるんだなとね。運河を設けるとか、全体だけじゃなくて、やっぱり市民としてここの部分だけはっていうお話がね、されていると。非常に素晴らしいと私も感じましたし、一方で、室長ですら存在知らなかったということですので、いや、これは多くの市民にとっては、まだまだこういった活動があるということも知らない方も、関心はあるけどこういった活動があるというのを知らない方ももっともっといらっしゃったんじゃないかというふうに思います。で、これまで私も、昨年の本会議の一般質問等でもですね、市長に対して、山下ふ頭の再開発については市民の意見をしっかりと反映できるように進めてほしいというご意見を申し上げながら、市長からも、市民意見募集実施とか、市民の皆さん意見交流会を、意見交換会を開催するとか、市民の意見を伺う機会を積極的に設けていくということがご答弁されてきましたが、令和6年度においては、こうした市長の答弁の発言も踏まえて、令和6年度、どのように市民のご意見をしっかりと反映できるプロセスを作るお考えかを教えてください。
新保室長 6年度につきましては、今やっております検討委員会、これは引き続き継続をさせていただきたいというふうに思っております。で、委員会もですね、何度かご説明させていただきましたが、インターネットで公開をし、それを見ていただいた方からご意見をいただけるようなシステムを作っておりまして、300件弱ぐらいの色々今意見もいただいてるというところでございます。そういった意見は当然また委員会の方にこうフィードバックをさせていただきながら、なるべく市民の意見をいただいて、委員会でそれをベースに検討いただくっていうようなことでですね、続けていきたいというふうに思っております。で、検討委員会は大体6年、今年の末ぐらいにはある程度答申をいただけるようなスケジュール感覚でやりたいと思うんですけど、その後、また事業計画の案なんかを作成しまして、また市民の意見をいただけるような意見募集をしたりですとか、あとまた市民意見交換会ですね、こういったものをやっていきたいと思ってます。で、これまで2回ありまして、どちらかというとやっぱり10代、20代の方の意見が少なかったというところもありますので、 今色々、各大学の方ともですね、こういった取り組みについて意見交換させていただいておりますので、次やる時はそういった少しまたさらに若い方の意見なんかも積極的にいられるような形、工夫をしながら市民の皆様の意見を積極的に伺っていきたいというふうに考えおります。
藤崎 念のため確認ですが、令和6年度中に意見交換会を設けるということでしょうか。その意見交換会の計画はまだ具体的ではないということでしょうか
新保室長 まだ具体的になっておりませんけども、そういう準備はしっかりと6年度中にやっていきたいというふうに思っているところでございます。
藤崎 はい、ありがとうございます。カジノの時はですね、18区回って説明会開かれたりとか、幅広い意見を市民としっかりと交わしていこうというご姿勢があったかと思いますけど、山下ふ頭に関してはそういった形で18区展開して意見交換会を重ねていくとか、そういったことも必要じゃないかと。同じ場所で同じように開発してテーマが変わっただけですから、重要性については一緒だと思うんですね。で、そういう意味で、先ほど、室長が知らなかったことを悪いと言いたいわけじゃなくて、室長という立場ですらご存知ないぐらい、まだまだ皆さん参加の機会を設けられて、設けてもらってない。たまたま独自にこの実行委員会の皆さんがやってくださっただけなんで、市としてもカジノの時にあれだけ18区展開だって言ってやってこられたわけですから、こういった、今回、山下ふ頭再開発、これからのプロセスでも、そういう幅広くですね、市民の元に皆さんで足運んでいただいて、意見交換会開催していく必要があると思いますが、ご見解を伺います。
新保室長 はい、ありがとうございます。意見交換会につきましては、これまでもですね、9回ぐらい、9回ぐらいじゃない、9回開催しまして、なるべく市民に近いところでっていうことで、各区に出向いですね、意見交換させていただきました。で、まだ18区全部というわけにはいかなかったので、そういったことも含めてですね、しっかりと市民の皆さんの意見が聞けるように、今先生のアドバイスありましたけども、なるべく広い範囲に行けるようにですね、検討していきたいというふうに思っております。
藤崎 はい、ありがとうございます。これ、副市長に伺いますけど、数々市民の意見を聞くということでは何度も伺ってきてるんですけど、今年度、6年度で言えば検討委員会の、令和5年度もそうですけど、検討委員会をご覧いただいた市民の皆さんの意見を集めて、それをまた検討委員会に反映していくと。見てもらって、それを検討委員会の議論に反映していくということがご説明いただくんですけど、一方で、検討委員会そのものには市民の多くの方々参加、その席にはつけないわけですよね。で、やはり市民の意見を聞くというのは重要ですけど、最終的なこの意思決定プロセス、意思決定者としては、もちろん議会での議決というのがあるにしても、その手前の、市民が自分たちの考えをこれがいいんだと言いながらまとめ上げて、市民が意思決定プロセスにいると。政策形成じゃなくて、市民が意思決定のプロセスに入っていけるというのが今後重要なポイントになるんじゃないかと考えますが、副市長の見解を伺います。
平原副市長 カジノではなくてIRの説明会を全区でやってまいりました。で、今回も、市長の姿勢もございまして、できるだけ多くの市民の意見を聞きたいという風なことがあって、今回、この山下ふ頭の検討を進めるにあたっては、かなりですね、こちらから積極的に、先ほどの意見交換会もそうですし、検討委員会も常にオープンにして、その場で市民の意見が、ネット上を通じてですね、いただけるような、いろんな工夫をしながらやってきてるとこです。で、多分、検討委員会の答申がまとまってくればですね、それに対しての意見交換もしますし、意見募集もしていくというふうなことになります。ちょっと具体的な方法は別にしてもですね。やっぱり議会の中でも議論があるように、山下ふ頭の開発ってのは横浜全体にいい波及効果を与えるような開発にしていかなきゃいけないというふうなつもりは我々も十分持ってますので、ちょっと方法は別にしてもですね、できるだけ多くの市民の方の意見を踏まえた意思形成ができるような、そういう工夫はしていきたいというふうに考えています。
藤崎 はい、ありがとうございます。令和8年ですかね、事業化、事業決定を行っていくとスケジュール感が一応示されて、必ずしもそこが、100パーセントそこだけではないようなご説明も伺うことありますけど、やはり、時間をかけていけばいくほど、令和8年という「期限」に対して市民の参加する機会を十分に作れませんでしたと、いや、もう時間がないんですということになると、これは本末転倒で、市民の意見こそ重要であって、それは、スケジュールはその次に来るべきものじゃないかというふうに考えてます。そういう意味では、今、あらゆることを考えてくださるのかなというふうに受け止めましたが、まだ、先ほどの室長のご答弁だと、令和6年度、具体的にどこまでやるのかはっきりしてませんし、そういう意味で、令和6年度が過ぎると、もうあと残り2年ぐらいで事業決定をしなくちゃいけないとか、そういうスケジュールになってきてしまいますので、早急にですね、令和6年度中に市民との意見交換会をどう行っていくかとか、そういうスケジュールを作っていく必要があると思いますが、これは室長に伺います。
新保室長 先生言われるようにですね、確かに令和8年度の事業化という、8年度頃の事業化ということで、我々目標を立てながらですね、今スケジュールを作ってるとこでございます。とは言いながら、やっぱりこれまでのその行政の山下に対するまちづくりの考え方、やり方、こういったものを踏まえた時に、やっぱりそのスケジュールありきというところはですね、そこに重きを置くということよりも、やはりその市民の皆様の意見、ご理解、こういったものにやはり重きを置いてですね、この山下の再開発は進めていかなきゃいけないというふうに思っておりますので、そこは我々としては、先ほど副市長色々言っていただきましたけど、あらゆる手を試行錯誤しながらですね、ご理解が得られるような形で事業はしっかりと進めていきたいというにふうには考えているところでございます。
藤崎 ありがとうございます。令和6年度中、今ご答弁もれてたのか言いづらいのかわかんないですけど、令和6年度中にどこまでできるか、しっかりと組み立てていただくことも重要だと思いますんで、従前から申し上げてきたつもりですけど、検討委員会も重要ですけど、市民も重要、市民の意見っていうのはもっと重要と考えていますし、検討委員会と市民の意見交換会が並行することにもなんら問題がないはずですから、検討委員会、検討委員会で進めていただく。で、市民の意見交換会や市民の意見をしっかりとまとめられるプロセスも作っていく。それはちゃんと、両輪でですね、やっていただいて、バランス取っていただいて、市民があくまでも検討委員会に意見を言うだけっていう形にならないように令和6年度もしっかりと取り組んでいただきたいと要望して、終わります。
※参考:質疑の様子が神奈川新聞の2024年3月16日朝刊に掲載されました。web版はコチラ。
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