紫波町の視察は、循環型まちづくり目的でした。とはいえ、いま全国から注目されているオガールは、公民連携の成功事例。その中でも先行して作られたオガールプラザの中心には図書館が配置されていますが、これは図書館で誘客し、飲食や買い物に誘導するという設計によるもの。幸い空き時間があったため、図書館をのぞかせて頂くことができました。図書館を訪れた時最初にするのは、撮影許可願い。今回もカウンターの方に撮影の許可をお願いし、必要書類に名前など書いていると「名刺でも良いですよ」とのこと。名刺をお渡しすると、わざわざ主任司書の方が出てきて下さり、ご案内をしてくださいました。
紫波町図書館には、3つの柱があります。(1)子どもたち(0歳から高校生まで)と本をつなぐ、(2)紫波町に関する地域資料を収集・保存する、(3)紫波町の産業支援の3本です。図書館に入るとまず絵本などの児童向け図書があり、授乳室やこどもトイレも設置されています。奥に行くほど年代が上がり、レファレンスカウンターを過ぎて空間が変わると共に、一般コーナーに移っていきます。今回訪問した際には、戦後70年に関するコーナーが設けられていましたが、そこには当時の手紙や写真など、実際に紫波町に暮らした方々の資料が展示されていました。また紫波町は『銭形平次捕物控』の著者として知られる野村胡堂をはじめ、何人もの作家を生み出しています。そのため、紫波町出身の作家作品のコーナーが設置されたり、郷土資料をはじめとした紫波町の歴史などを知るためのコーナーが設けられています。
産業支援では、町の主な産業である農業支援のコーナーが充実していました。農法や辞典といったものはもちろんですが、直売所の地図や、農家さん向けの図書館案内など、工夫が凝らされていました。農業コーナーの隣には、「音楽やろうよ!」というコーナーが設けられ、楽譜やバンドスコアが大量に置かれています。紫波町では中々こうした楽譜類が手に入りづらいということもあり、若者のためにも設置されているそうです。オガールプラザには音楽スタジオがあるため、図書館の楽譜を使ってすぐ隣の施設で演奏の練習もできます。
また、まちづくりに取組む方も多いということで、まちづくりコーナーも充実。紫波町が取り上げられた資料や、紫波町の取り組みを理解するための図書がおかれていました。町内には書店が3店しかなく、盛岡市などに本を買いに行く方も多いということでしたが、そうした中で、生活する人たちにとって身近な本を取り揃えているという印象でした。東日本大震災後の2012年6月竣工ということも有り、耐震型の書架が配置され、地震がくると棚が斜めになるものや、書架の下にタイヤがある免震のものなど、3つのメーカーから書架を仕入れていました。館内にはBGMが流れていたり、飲食可能スペースがあったり、持ち込みOKの学習スペースがあったりと、多くの方が気軽に訪れやすく、居心地の良い空間づくりに努められていました。
合間にアポなしで訪問したのに、快くご案内くださった主任司書の方や、質問等に気軽に答えてくださった職員の方々には大変感謝です。20分程度しか時間がなくて残念でしたが、素敵な図書館でした。
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