横浜市会平成26年度決算第二特別委員会 消防局審査(2015.10.5)

2015-10-08 22:10:59 | カテゴリ:活動報告


10月5日(月)、横浜市会平成26年度決算第二特別委員会におきまして、消防局の審査を行いました。

1 消防車両の納期
2 地域防災力の向上
3 違反公表制度
4 ヘリコプターの更新整備事業

という4項目について、答弁を求めました。

以下、質問の原稿と答弁のメモです。(議事録ではないので、実際の内容とは言い回し等が異なります。)
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1 消防車両の納期                          

はじめに、平成26年度決算説明書のうち、7目消防施設費の消防車両購入費に関連して伺います。

説明書によれば、排煙サルベージ車の購入に関して、7,020万円の事故繰越が発生していますが、災害時の実動車である消防関係の車両が期限内に納入されなければ、その影響は大きいのではないかと思われます。まず

質問1 事故繰越しの経緯について、消防局長に伺います。
答弁1 市内に2台配置されている排煙サルベージ車のうち、NOx・PM法の規制により 、27年3月25日以降使用できなくなる車両1台を更新しました。27年3月13日を納入期限として26年5月13日に公告しましたが、6月25日に入札が不調となりました。再度7月15日に公告、9月4日に契約を締結し、契約上は納入期限を27年3月30日に設定しましたが、契約業者の製作工程の遅れにより期限に間に合わず、27年4月6日に納入となったものでございます。

3月30日が当初の納期だったものが、4月6日に納入されたとのことですが、更新車両の運用が開始されたのは4月27日と伺ってまいりました。この間、1か月弱の運用停止期間があったことになりますが、

質問2 運用停止している期間の災害対応について、警防部長に伺います。
答弁2 排煙サルベージ車は、中高層建物や地下施設等の火災において、排煙活動や水損防止活動を円滑に行うための車両で、本市では2台を配置しております。車両の運用停止によりまして、残りの1台による対応となりましたが、特別高度救助部隊が保有する大型ファンを装備した車両や、移動式の小型ファンなどの排煙資機材を最大限活用して、市内全域の災害に対応することといたしました。

他の車両で対応する予定であったとのことですが、これまでの3年間でも、13回排煙サルベージ車の出動があったということです。消防車両は計画的に配置され災害時にはなくてはならないツールだと思いますが、今回のように空白期間が生じたことには課題が残るのではないのでしょうか。

質問3 今後、このようなことが起こらないようにするため、消防局としてどのように対応していくのか消防局長に伺います。
答弁3 車両の更新における納期の遅延は、警防活動に支障をきたす恐れもあります。今後はできる限り早期に発注してゆとりのある工程とするよう努めるとともに、製作過程において契約業者に進み具合を頻繁に確認しまして、期限内に納入されるよう配意してまいります。

いつ災害が起こるかわかりませんが、「納期の遅れで人の命を助けられませんでした」では説明できませんので、しっかりと対応して頂きたいと思います。

2 地域防災力の向上                         

次に地域防災力の向上について、質問してまいります。東日本大震災を教訓として、横浜市は、地震被害想定を見直し、横浜市震災対策条例や横浜市防災計画の改正を行い、さらに減災目標の達成に向けた必要な対策を効果的に推進するための横浜市地震防災戦略を策定し、各区局がそれぞれの事業を継続的、効率的に推進しているところです。

こうした中、消防局においては、地域住民による自助共助で、地域を火災から守る取組として、スタンドパイプ等の初期消火器具の整備促進事業を進めてこられました。

質問4 地震防災戦略における初期消火器具整備目標の進捗状況について、消防局長に伺います。
答弁4 25年度に策定した横浜市地震防災戦略では、初期消火器具200基の設置補助を、34年度までの目標としていますが、地域の自助共助による消火体制の重要性を考慮し、26年度に見直した中期4か年計画において、29年度までに前倒しする形で整備することとしました。その結果、25、26年度で88基が設置されたほか、今年度に整備費の補助を決定した100基を加えますと、事業進捗率は94%となり、来年度中に目標を達成したいと考えております。

当初計画を上回るスピードで初期消火器具の整備が進んでいるということで、皆さん積極的に取り組んでいらっしゃるのだなということと、地域からの要望も高いのだなということが分かります。初期消火器具は、震災時に限ることなく、日常の火災予防や火災発生時の初期消火にも、その効果が大いに期待できるものと考えます。

質問5 初期消火器具が実際に活用され成功した事例について、予防部長に伺います。
答弁5 26年度は、戸塚、磯子、西、金沢の各区において、計4件、地域の皆様による初期消火により、被害の軽減が図られた事例がありました。さらに、今年度は4月に神奈川区、9月には南区で、それぞれ延焼の危険が高い住宅密集地域内で発生した建物火災において、火災現場の近隣の方々が、いち早く初期消火器具を使用して、消防隊到着前に放水を開始し、隣接建物への延焼防止に効果を発揮いたしました。

整備効果が出てきたことは喜ばしいことであると思います。初期消火器具の更なる整備促進に大いに期待をするところであります。

初期消火器具の導入は自治会町内会の防災活動がこれまで以上に範囲が広がるということを意味すると思います。これまでは防災訓練といっても、消火器から水を出すくらいしかできませんでしたが、私の地元でもスタンドパイプ式初期消火器具を使った防災訓練が行われています。こうした取組が盛んになれば、自治会の役割も拡大していくわけですから、初期消火器具の使い方などを一人でも多くの方に習熟していただく事が重要になるのではないかと、考えています。

東日本大震災以降、防災を契機として、地域コミュニティの新たな活動が生まれるなど、地域コミュニティ活性化への影響が見受けられます。地域防災拠点の運営訓練を拝見しましても、それぞれの運営委員会で創意工夫が施され、大きな前進があったように感じる一方、単位自治会町内会といった小規模な単位での訓練では、担い手不足や各種訓練の意義に対する認識が薄れるなど、まだまだ課題があり、充実させるための工夫が必要であると考えています。そこで、

質問6 26年度に行われた単位自治会町内会の防災訓練における消防局の訓練指導実績について、予防部長に伺います。
答弁6 市内約2,900ある自治会町内会のうち、消防署に訓練指導を要望された、約4割の自治会町内会の訓練に対して、スタンドパイプ式初期消火器具等の取扱方法をはじめ、それぞれのご要望に応じて、通報要領、けがの応急処置や応急担架による搬送要領などの技術指導を行いました。

地域の防災において消防団の方々にも大きな役割を果たして頂いていますが、一方で消防署に期待されるものが大きいと思います。地域住民の拠り所でもある消防局として、

質問7 単位自治会町内会による防災訓練の現状や課題を、どのように認識しているのか消防局長に伺います。
答弁7 一般的に自治会町内会の役員の高齢化が指摘される中、消防署が把握している範囲では、「訓練を定期的に開催している地域とそうでない地域」、「訓練内容を自発的に企画する地域とそうでない地域」など開催状況や取組内容に開きが生じておりまして、こうした開きの解消と全体の底上げが課題となっています。また、短期間に役員が改選されることで、訓練の反省点が次回に活かされず、継続的な取組が行われにくいほか、参加者の固定化や、若い世代の参加が少ないといったことなども課題として認識しています。

地域防災力の向上を含めた防災全般は、所管局である総務局や区役所の事業となるわけですが、訓練指導に当たる消防局としては、

質問8 単位自治会町内会の防災訓練の活性化に向けて、どのような取組を進めていくのか消防局長に伺います。
答弁8 ここ数年、訓練が行われていない自治会町内会には、スタンドパイプ式初期消火器具の普及啓発と合わせ、訓練の実施を働きかけております。また、自治会町内会から訓練の相談を受けた場合には、訓練の目的や目標を明確にした上で、地域の意向を尊重しつつ、過去の訓練や指導履歴などを参考に計画的かつ継続的な訓練が実施できるよう、サポートポートしていきたいと思います。なお、実施にあたっては、地域をよく知る消防団員の協力も得ながら、自治会町内会が自主的、主体的に取り組めるよう指導に当たります。

地域防災の要は、やはり人材です。危機管理室では、防災減災推進員の育成に力を入れているところですが、防災の担い手の育成、確保、そして色んな資格等をもった方が地域に入ってこれる、継続的に参加できることが重要ではないかと考えます。

質問9 地域防災の担い手育成に向けた消防局の取組について消防局長に伺います。
答弁9 成人の方の場合でございますけども、地域防災の担い手として、各家庭の防災を学んでいただいた家庭防災員の皆さんには、研修で学んだ基礎知識や技術を、地域に積極的に広げていただくための活動経費を補助するなど、家庭防災員の自主的な防災活動を奨励しております。また、将来の担い手であるこどもさんたちには、小学校で行うお出かけ防災教室、中学校で行う救命講習などで、基本的な知識・技術と、人を助ける心の大切さを伝えています。さらに、多くの皆様に、来春リニューアルオープンする横浜市民防災センターへの来館を呼び掛けています。こういったさまざまな体験学習を通じて、防災への意識、いざというときに行動できる防災力を高め、防災意識の広がりがでてくることを期待しております。これらの取組を通じて、将来の地域防災の担い手の育成・確保につなげていきたいと考えています。

いつ災害が起こるか分かりませんので、総務局や区役所とも連携しながら、地域の防災力の向上に、努めて頂きたいと思います。

3 違反公表制度について                     

次に、違反公表制度について伺います。
生活をしている市民にとって、安全な建物は、買い物や仕事や生活を行うために不可欠なものであり、建物に重大な消防法令違反があり、安全が確保できていない場合は、昨年10月から国の方針に基づき違反公表制度を実施することとなりました。本市は、違反公表制度の運用に際して、国の通知に加えて、独自の運用を行っているとのことですが、改めて

質問10 本市独自の運用について消防局長に伺います。
答弁10 公表対象とする建物は、国の通知では、デパートやホテルなどの不特定多数の者が出入りする建物としておりますが、本市では、工場や倉庫などを含め、消防法令の規制が及ぶ全ての建物としております。また、国の通知では、屋内消火栓設備やスプリンクラー設備、自動火災報知設備が未設置の対象としておりますが、本市では、これに加えて、機能が働かず作動しない状態にあるものも、公表対象に加えております。

本市においては昨年、火災予防条例を改正し、26年10月から違反公表制度の運用を開始し、1年が経過したところですが

質問11 違反公表制度の運用状況について予防部長に伺います。
質問11 26年10月16日から公表を開始し、これまでに59対象を公表し、28対象の是正が完了しております。10月1日現在、31対象を消防局ホームページで公表しております。

立入検査により、重大な違反を速やかに公表することは建物を利用する市民にとって非常に有効な情報であると思います。また、違反を公表されることで建物関係者にとっても大きな影響があると思いますが、

質問12 違反公表制度の効果について消防局長に伺います。
答弁12 公表制度の導入により、違反対象物の関係者の「公表されるのは避けたい」との意識とともに、法令遵守に対する理解が一層深まっております。この結果、是正にかかる時間が大幅に短縮され、年間を通じた是正率が、25年度以前は5割程度で推移していたのに対し、26年度は8割以上と大幅に向上しました。

違反公表制度により、違反是正が非常に進んでおり、制度導入が良かったのだと思います。
また先ほどのご答弁の中でも、まだ31件の重大な消防法令違反が公表されたままと改善がなされていないということですが、今後、是正の動きが見られない対象物もあると思います。そこで、

質問13 違反公表対象物への是正指導について、消防局長に伺います。
答弁13 消防局ホームページに公表した建物に対しくり返し立入検査を行うとともに、その関係者に違反を放置した場合の危険性や、火災を発生させた際のより重大な社会的責任を説明し、粘り強く説得を重ねながら、早期の是正に向け指導を進めております。その結果、大半の建物関係者が法令を守る意義を理解し、違反を是正、又は違反の是正に向け、前向きに動いております。一部理解の得られない関係者に対しては、より強い指導である警告や、消防法に基づく命令を行い、毅然とした姿勢で違反是正を行っております。

重大な消防法令違反を是正させるために、消防局が地道に是正指導に取り組まれているわけですが、今後は中核市や小規模消防本部においても、違反公表制度が展開されると聞いていま。先行して実施している大都市消防本部としての役割など

質問14 違反公表制度にかかる今後の取組について、消防局長に伺います。
答弁14 国の通知では、管内人口20万人以上の消防本部においても、30年4月までに、公表制度を実施することとされております。本市では、危険な違反対象物を是正させるため、職員の能力向上を図る内部研修ということをやっていますが、その中で、26年度以降、12消防本部から延べ16名の他都市職員を受け入れております。今後も、他都市消防本部から積極的に職員を受け入れ、実際の公表制度を学んでいただくともに、違反是正に関する意見交換を活発に行うことで、大都市消防本部としての役割を果たしてまいります。

横浜市でしか担えない役割というのがあると思いますので、しっかりと取り組んで頂きたいと思います。

4 ヘリコプターの更新整備事業                    

最後に、消防力のさらなる強化に関連して、新たに導入され、二機体制となった高性能ヘリについて質問します。

本市においても、24年度に引続き、26年度に2機目のヘリコプターも更新され、最新鋭ヘリコプター2機による体制が整いました。先日行われた横浜市総合防災訓練でも新2号機を用いた訓練が行われた他、しない各地での防災訓練に出動していると伺っています。

質問15 26年度の活動実績について空港長に伺います。
答弁15 まず、市内におきましては、火災に伴う情報収集活動を81回、救急搬送などを15回、合計96回の活動を行っております。次に、県内では、県下航空機特別応援として、足柄上郡山北町などの山岳救助活動に7回、藤沢市などの水難救助活動に13回、そのほか、救急活動など3回、合計23回の応援活動を実施しております。また県外での活動につきましては、26年度中には実績はありませんでしたが、25年度では、伊豆大島の土砂災害と山梨県の豪雪災害に広域航空消防応援出場し、人員輸送や物資搬送、そして救助活動など延べ19日間にわたり55回の活動をおこないました。

旧2号機は、平成9年の導入から更新までの17年間運用された中では、阪神淡路大震災、東日本大震災、大島豪雨災害など数々の大規模災害で活躍したと聞いております。今回、更新したヘリコプターの今後の

質問16 使用予定年数とその考え方について消防局長に伺います。
答弁16 一般に、ヘリコプターは飛行時間の累積などによる経年劣化により、不具合の発生や部品の交換頻度が増加する傾向にあり、高額な整備費と長期間の点検が必要となります。また、使用年数の経過に伴い安全性の低下や、より高性能な最新の機体が開発されている可能性なども考えられます。従いまして、今回更新した機体につきましては、航空消防活動の安全性の確保、費用対効果の観点及びこれまでの実績等を踏まえて、20年程度は使用したいと考えています。

2機のヘリコプターの購入には、貴重な市民の税金が使われていることからも、この費用に見合う効果を期待するところです。最後に、

質問17 新型ヘリコプターを活用した航空消防体制について消防局長に伺います。
答弁17 新型ヘリコプターは、人命救助能力や航続距離が大幅に向上したことにより、一度の飛行での救出可能人員が大幅に増え、長時間の捜索、救助活動が可能となりました。また、東日本大震災など大規模災害の対応においては、従来機では、ヘリコプターテレビ装置を搭載しての情報収集活動と捜索救助活動を同時に行うことはできず、その都度装備の積み替えが必要となっていました。新型機では、広範囲にわたる被害情報の収集や捜索活動、多数の方々の救助活動を装備の積み替えなしに、一連の活動として行うことが可能となり、災害の推移により様々な活動が求められる中、迅速かつ効率的な運用を図ることができます。これからもこのような高い活動能力を備えた航空消防体制により、市内はもとより県内外で発生する災害への派遣を通じて、大都市横浜としての役割も果たしてまいりたいと考えています。

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