平成27年度予算案の中からの、注目施策シリーズですが、今回はこども青少年局の「妊娠・出産サポート事業」から、「妊娠SOS相談窓口(仮称)」の設置を取り上げます。中期四か年計画でも示された施策です。
昨年厚生労働省が発表した「子ども虐待による死亡事例等の検証結果」では、子どもの虐待死の要因に「予期せぬ妊娠(望まない妊娠)」が大きく影響していることが示されています。社会的養護に関わる方からも、予期せぬ妊娠によってつらい思いをされた方の話などが紹介されています。昨年の議会では、私も社会的養護、特に予期せぬ妊娠から、母と子を守るために「特別養子縁組」が重要な手段ではないかと提案をしてまいりました(参照記事)。今回の相談窓口の設置計画は、社会的養護など様々な選択肢に、予期せぬ妊娠をした母と子を結びつける入口となります。
妊娠SOS相談窓口は、すでに大阪府で「にんしんSOS」として取組まれていて、大阪府立母子保健総合医療センターが受託し運営しています。妊娠に関する相談と、その先の支援に関する相談となるため、相談を受ける人材にもスキルが求められます。そのため大阪では、「医療センター」のもとで、元保健師さんが対応にあたっているといいます。2011年から取組まれていて、年間でおよそ700件の電話やメールによる相談に対応しています。相談者の半数が10代であり、基本的な知識が不足していることケースが多いようです。
横浜市での取組については、(まだ予算案の段階なので可決されればですが)平成28年1月頃までには開設できるように準備を進めたいということでした。電話やメールで相談を受ける体制を整えるために、外部の委託先を見つけて、最適な人材を配置していくことになるようです。運営がスタートすれば、相談内容に応じた対応が、区であったり、学校であったり、様々な関係機関と協力しながら行われるようになります。そして、場合によっては養子縁組という方法も取られることになります。そうした視点からは、社会的養護の体制が充実していくことも重要になります。相談件数が増え、様々な課題を抱える方に対応するにも、受け入れ先がなければ救える人も救えなくなってしまうかもしれません。
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