カジノ・IRほか、第3回定例会で議案関連質疑を行いました。

2019-09-05 21:54:16 | カテゴリ:活動報告


藤崎浩太郎

2019年9月3日、横浜市会令和元年第3回定例会本会議にて、議案関連質疑を行いました。

1 市報第7号「自動車事故等についての損害賠償額の決定の専決処分報告」
2 市第42号議案「横浜市会計年度任用職員の給与及び費用弁償に関する条例の制定」及び市第43号議案「地方公務員法及び地方自治法の一部を改正する法律の施行等に伴う関係条例の整備に関する条例の制定」
3 市第45号議案「横浜市市税条例の一部改正」
4 市第49号議案「横浜市特定教育・保育施設及び特定地域型保育事業の運営の基準に関する条例の一部改正」及び市第76号議案(令和元年度横浜市一般会計補正予算(第1号)私学助成幼稚園に対する副食費免除相当額補助事業(補足給付費)
5 市第65号議案「公立大学法人横浜市立大学の中期目標の変更」
6 市第74号議案「高速横浜環状北西線シールドトンネル建設工事請負契約の変更」
7 市第75号議案「市道西戸部第560号線及び市道西戸部第342号線道路建設工事(人道橋築造工)請負契約の変更
8 市第76号議案(令和元年度横浜市一般会計補正予算(第1号)小中一貫校整備事業及び緑園義務教育学校整備工事請負契約の締結に係る予算外義務負担)
9 市第76号議案「令和元年度横浜市一般会計補正予算(第1号)IR統合型リゾート推進事業」

という大きく9項目全部で31の質問を、市長に対して行いました。

以下、質問の原稿と答弁のメモです。
(※議事録ではないので、実際の内容とは若干言い回し等が異なります。)
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1 市報第7号「自動車事故等についての損害賠償額の決定の専決処分報告」

今回の議案書を拝見しますと、資源循環局の専決処分報告件数は9件で、このうち6件が自動車事故によるものとのことです。平成30年第2回市会定例会において私から、事故件数の推移や、自動車事故防止の取り組みについて質問いたしました。その際市長からは、自動車会社でのご経験も含め、非常に思いのこもったご答弁をいただいております。そこで、昨年のご答弁を踏まえ、その後の取り組み状況について、伺います。

まず、ドライブレコーダーを収集車両全車へ装着し、データを活用するとのご答弁がございました。データの活用については、発生した事故の原因を分析すること以外にも、活用の範囲は広くあるのではないかと考えます。例えば、運転者の安全意識が向上すること、急発進や急停止などの運転動作が記録されることによってより慎重な運転につながること、ヒヤリハットの事例を分析して未然に事故を防ぐ学びにつなげるなど、様々な効果が考えられ、装着がきちんと進められていれば、事故防止の効果に大きくつながるのではないかと期待しているところです。そこで、

質問1 収集車両のドライブレコーダーの活用状況について、伺います。
答弁1 平成31年4月から、収集車両の全車に搭載したドライブレコーダーを活用し、個別の事故分析や職員への指導など、より具体的で、実践的な自動車事故防止対策を行っています。

また、事故“ゼロ運動”を展開されたこと、ご就任当時から比べて約30%も事故を減らすことができたことについてもご答弁がございました。それは大きな成果ではありますが、一方で、今回の専決処分報告に当たり確認したところ、平成30年度の自動車事故発生件数は、49件とのことでした。ここ数年は50件前後で推移しているという昨年のご答弁から傾向は変わらず、下げ止まっているのではないでしょうか。例えば、資源循環局には、19の事務所がありますが、各事務所での事故が年間2件以下に収まれば、30%の削減になります。このような新たな目標を設定するなど、ドライブレコーダーの装着を契機に、新たな視点で、てこ入れを図るべき時に来ているのではないかと思います。そこで、

質問2 収集車両の事故防止策をどのように進めていくのか、伺います。
答弁2 事故の撲滅に向け、各事務所が連携した事故分析と再発防止策の実施、現場職員の意見を取り入れた運転技術講習などを行っています。今後は、ドライブレコーダーの分析結果を危険予知トレーニングなどに活かしていきます。また、局をあげての事故撲滅キャンペーンを実施するなど、事故防止策を強化していきます。

家庭ごみの収集運搬という、大切なサービスを担う収集車両が事故を発生させ、市民の皆様に御迷惑をおかけしてはいけません。また、現場の職員の方にとっても、一生を台なしにしてしまうことにもつながりかねません。自動車事故の撲滅は大変なことかもしれませんが、市民を守り、職員を守り、市政を守るためにも、大事な取組であると思いますので、今後も継続して取り組むことで、事故の撲滅を目指すことを要望しまして、次の質問に移ります。

2 市第42号議案「横浜市会計年度任用職員の給与及び費用弁償に関する条例の制定」及び市第43号議案「地方公務員法及び地方自治法の一部を改正する法律の施行等に伴う関係条例の整備に関する条例の制定」

地方公務員法及び地方自治法の一部改正に伴い、新たに会計年度任用職員制度が創設されることになりました。この法改正の内容を見ると、会計年度任用職員に期末手当の支給ができることが規定されるなど、非常勤職員の待遇改善が法改正の1つの大きな目的となっています。非常勤職員の待遇改善ということは働く方を守る重要なことでもありますし、働く方の条件が向上すれば、消費活動に繋がるなど、社会的にも好循環を生み出すものと考えていますので、大筋の方向性については好意的に受け止めております。

横浜市の非常勤職員の勤務条件についても、今回の制度見直しにあたって、特に現行のアルバイトについては、条件を満たした場合に新たに期末手当が支給されたり、様々な休暇が付与されたりといったように、大幅な処遇改善につながるものと伺っています。一方で、「会計年度」任用職員という名前が示すとおり、任期はあくまで会計年度の範囲とされています。また、総務省のマニュアル上も「任用にあたってはできる限り広く募集を行った上で、客観的な能力の実証を行う必要がある」もの、とされています。言い換えれば、原則公募のうえ、毎年度能力実証を要するものとされているわけですが、今現在本市で働く、特に嘱託員の皆さんにとっては制度移行のタイミングで雇止めにつながるのではないかという点が懸念されます。そこで、まずは、

質問3 令和2年4月の制度移行時に、現行嘱託員の雇用はどうなるのかについて伺います。
答弁3 現に働いている方々の雇用の安定を考慮し、原則として引き続き会計年度任用職員として任用します。

また、現行の嘱託員の制度について、多くの職では、45歳から65歳の年齢制限のもと、勤務成績が良好な場合に最大で19回まで更新することが可能でした。総務省が示す考え方に基づくと、任用に際しての年齢制限がなくなるというメリットはあるものの、任期は会計年度ごとになるため、これまでの運用と比べ、雇用が不安定になるのではないかという点も懸念されます。そこで、

質問4 会計年度任用職員の再度の任用の考え方について伺います。
答弁4 雇用の安定や人材育成、執行体制維持の観点から、国や他都市の状況踏まえ、再度の任用を4回まで可能としました。また、この後も、あらためて公募選考に応募することは可能です。

やはり雇用に関する不安というのは非常に大きい課題だと考えています。また、勤務条件についても処遇改善の方向性ということではありますが、趣旨についてしっかりと非常勤職員の皆さんに伝わらないと、せっかく改善を行っても移行までの間、不安を招くことになるかと思います。現行の非常勤職員の皆さんが安心して働き、能力を発揮するということは、組織にとっても重要なことであるはずです。そこで、

質問5 制度の変更により、不安が生じないよう、丁寧に制度浸透を図るべきと考えますが、市長の見解を伺います。
答弁5 これまでも、嘱託員本人や職場に対して、制度の変更点等をまとめた資料を配付し、説明してきました。今後も、制度運用の詳細について説明会を開催するなど、丁寧に制度を周知し、さらに庁内の理解を深めていきます。

法律を遵守しながらも、非常勤職員の皆さんが安心して、スムーズに制度移行できるよう要望して、次の質問に移ります。

3 市第45号議案「横浜市市税条例の一部改正」

本件においては、新築省エネ住宅に係る都市計画税の減額措置を延長することが議案として提案されています。この減額措置は、省エネ住宅の普及を促進させるために、平成25年度から導入されている本市独自の減額措置でありますが、今回、延長すれば3期目となります。そこで、

質問6 この減額措置を延長する目的は何か伺います。
答弁6 本市は住宅の省エネルギー化について、「横浜市地球温暖化対策実行計画」や「中期4か年計画」に目標を掲げ、取組を進めています。引き続き、新築の省エネ住宅の普及を促進させるため、減額措置の適用期限を延長します。

本市は平成30年10月に、『横浜市地球温暖化対策実行計画』を改定し、温室効果ガスの実質的な排出をゼロにする、「ゼロ・カーボン・ヨコハマ」を目指しています。
平成29年度の市内の二酸化炭素排出状況を見ると、家庭部門からの排出が最も多く、全体の4分の1を占めています。地球温暖化対策を進めるには、二酸化炭素の排出量が少ない省エネ住宅を増やすことが不可欠です。市内の新築住宅に占める省エネ住宅の割合は、平成30年度で45%と、平成25年度の20%から着実に増加してきていますが、一層の向上が必要です。

今回の延長により、減額措置の継続期間は導入から10年となります。当初と比べると、建築物省エネ法が制定されるなど、省エネ化に対する意識や市場の動向にも変化があると思います。その変化に照らし合わせ、今後は例えば、減額措置の条件の見直しや、他の施策を含めたより効果的な取組を検討する必要があるのではないかと考えます。そこで、

質問7 住宅の省エネルギー化の一層の推進に向けた今後の取組について伺います。
答弁7 国の動向や省エネ住宅の普及状況に応じて、市民の皆様への情報提供や、中小工務店への技術的支援など、様々な取組を進めます。

引き続き改善を重ね、住宅の省エネ化を更に推進していただきたいと思います。

4 市第49号議案「横浜市特定教育・保育施設及び特定地域型保育事業の運営の基準に関する条例の一部改正」及び市第76号議案(令和元年度横浜市一般会計補正予算(第1号)私学助成幼稚園に対する副食費免除相当額補助事業(補足給付費)

現在、保育所等の3歳児クラスから5歳児クラスの食材料費については、主食費は保護者による実費負担又は持参によって賄われており、副食費については利用料の一部として徴収されていました。幼児教育・保育の無償化に伴い、これまで利用料のなかに含まれていた副食費について、保護者が施設に実費として直接支払いをするようになる、とのことです。改正の経緯としては、食材料費が在宅で子育てをする場合でも生じる費用であること、学校給食や他の社会保障分野の食事も自己負担とされていることを踏まえ、国における検討会を経て、主食、副食費を含めた食材料費が無償化の対象外と整理されたためだと伺っています。

さて、保育所等の利用料は所得に応じて段階的な金額設定となっていますが、食材料費となれば、所得に関係なく実費として施設ごとに一律の金額となります。保護者は、10月から利用料が無償化になる一方で、副食費を施設に支払うことになりますから、これまで利用料が低く設定されていた低所得者層などについては、経済的負担が増える事が懸念されます。そのため、副食費の免除制度が設けられるということですが、そこで、

質問8 副食費が実費徴収となることにより、負担が増える世帯は無いのか、伺います。
答弁8 今回の無償化に伴い、利用料としてご負担いただいていた金額よりも、保護者の負担が増えるということはありません。

副食費の実費徴収や免除制度にかかる補助事業の実施にともない、予算の補正を実施するとのことですが、認可保育所の利用料等、無償化にかかる費用について、今年度については全額国費で賄われると伺っています。一方、来年度については、国1/2、県1/4、市1/4の割合に基づき、市としても無償化にかかる費用負担が生じます。そこで、

質問9 無償化に伴う令和2年度の市費負担への影響はどうなるのか、伺います。
答弁9 事業費が約128億円増加すると見込んでおりまして、そのうち無償化にかかる市の負担割合を試算しますと、約43億円となります。

子どもたちのためとなる幼児教育・保育無償化ですので、必要な費用が必要なところにしっかりと給付されることをお願いして、次の質問に移ります。

5 市第65号議案「公立大学法人横浜市立大学の中期目標の変更」

今回の議案は来年4月のデータサイエンス研究科の設置に伴い、中期目標を変更するというものですが、私は、この大学院の設置は、データサイエンス分野で市大が影響力、プレゼンスを高めるためには、昨年4月に新設されたデータサイエンス学部以上にインパクトがあるのではないかと大いに期待しているところです。これまでも、データサイエンス学部設置の際、政策総務財政委員会では、大学院の早期設置を求めてきたところです。横浜市大の価値、影響力を一層高めていく大きなチャンスにもなると考えています。

医学部とデータサイエンス学部の両方を有するわが国唯一の総合大学として、ヘルス領域の課題を解決できる人材を育成する「ヘルスデータサイエンス専攻」を設置するなど、市大の特徴を生かした構成となってはいますが、本研究科が首都圏で先行している状況を活かしていくためには、より多くの学生に学んでもらい、より多くの優秀な卒業生を輩出し、成果を上げていくことが重要です。そのためにも、より充実した研究環境が重要ではないかと考えます。産学官の連携や、課題発見・解決型PBLを提供していくという方針のなか、企業からの評価を高めることや、その評価に基づいて市大を選ぶ受験生を増やしていくことが重要だと考えます。また横浜市が進める健康医療分野のイノベーション施策「LIP.横浜」や、オープンイノベーションの「I・TOP横浜」との連携も深め、産学の連携を強化していくことも重要です。そこで、

質問10 企業との共同研究等の連携を一層推進していくための方策について伺います。
答弁10 データサイエンスに関するシンポジウムの開催や、様々な企業間ネットワーク等も活用しながら、企業の皆様との連携を積極的に進めていきます。こうした取組を通じて、企業の皆様と産学連携に関する協定の締結や、共同研究につなげてまいります。

大学院には学部を卒業し入学してくる人もいれば、仕事をしながら通う社会人もいるかと思います。大学院に通う社会人は、会社から派遣され業務時間内に学ぶ人もいますが、個人的なスキルアップを目指し、時間外の夜間や休日等を活用し、通う人もいると思います。どちらにしても、実務において、実際に課題に直面し、それを解決するための手法として、データサイエンスの活用を必要とする人たちが学びに来る場になろうかと思います。様々な業界、業種の方も来るでしょうし、ニーズも高い分野ですので、個人的には定員をもっと増やしてもいいのではないかとも感じているところです。

キャンパスはデータサイエンス学部と同様に金沢八景キャンパスを想定しているとのことですが、この分野の特性を踏まえれば、学生のみならず、いかに社会人に選んでもらえる大学院となるのかという点が重要と考えます。社会人向けに用意された様々な他大学院のプログラムでは、夜間や土日のプログラムの他、キャンパスを都心部や東京に設けるなどの工夫もされています。市大の特徴を活かしつつ、例えば、横浜で働く社会人が通いやすいキャンパスを設けるなど考えてもいいのではないでしょうか。
そこで、

質問11 社会人に選んでもらえる大学院になるための工夫について伺います。
答弁11 社会人が仕事を進めるうえで抱えている課題を解決できるような実践的な演習を中心に据えたカリキュラムを提供します。また、平日夜間や土曜日の講義開講など、時間割の配置も工夫する予定です。あわせて、社会人が通学しやすいよう、交通の利便性も考慮し、かつ企業との連携もしやすい横浜市中心部に、サテライトキャンパスを設置する検討も進めております。

国内初でデータサイエンス学部を新設し、今年度から大学院をスタートさせた滋賀大学はもとより、他の大学でもこの分野で追髄する動きが多く見受けられます。他大学との差別化を図り、先行大学としての利を生かした取組をスピード感を持って進めていただきたいと考えています。日本におけるデータサイエンスの大学といえば、横浜市大と評されるように、取り組んでもらいたいと思います。
そこで、データサイエンス研究科の設置を契機とし、

質問12 データサイエンス分野における市大のプレゼンス向上への期待について伺います。
答弁12 本研究科の設置を契機に、データサイエンス分野において、多様な社会的課題の解決につなげ、確固たる地位を築いてほしいと思います。これによりまして、横浜に優秀な人材が更に集まり、社会で活躍できる人材を輩出する大学として、存在感をより一層高めていきたいというふうにまた願いたいと思います。

私はこの大学院が単なる学びの場になるだけでは勿体ないと考えています。この場が、社会人同士の交流を生み、企業間の連携が生まれ、新しい風を産み出すことで市内経済の活性化につなげるといった、イノベーションの拠点になり得る可能性も十分考えられます。こうした視点も取り入れ、近い将来、市大がデータサイエンス分野を牽引する存在となっていることを期待して次の質問に移ります。

6 市第74号議案「高速横浜環状北西線シールドトンネル建設工事請負契約の変更」

横浜環状北西線は、横浜北線と一体となることで、横浜港と東名高速道路がつながり、市内経済の活性化や市民生活の利便性向上などに寄与する重要な路線です。シールドトンネルの掘削が完了し、橋梁の桁も次々に架けられるなど、工事進捗が目に見えて実感できています。先週、首都高速道路株式会社から、北西線は来春開通との発表があり、北西線事業は、開通に向けた最終局面を迎えています。

さて、今回、北西線事業の中核となるシールドトンネル工事について、約7億円の減額が示されましたが、減額が可能となったのはさまざまな創意工夫によるものと考えます。そこで、まず、

質問13 シールドトンネル工事の変更内容について伺います。
答弁13 コスト縮減のための協議・検討を重ね、構造の簡素化に伴うコンクリート打設量の減少、資材の搬入方法の効率化により、約4億7千万円の減額、また、本市と首都高の施工内容の見直しによりまして、約2億4千万円の減額となりました。

29年の第4回定例会での約19.5億円の減額に続き、多額の工事費を減額できたことは、評価したいと思います。一方、もう1本のシールドトンネルの工事は、首都高速道路株式会社に委託しており、委託金額は当初の約456億円のままとなっています。昨年の第3回定例会で、市長からより一層の工事費縮減ができるよう首都高速道路株式会社に働き掛けていくとの発言がありました。そこで、

質問14 首都高速道路株式会社への委託工事費の縮減に向けた調整状況について伺います。
答弁14 本市発注のシールドトンネル工事と同様に、コスト縮減ができることを確認しています。最終的な委託工事費は、首都高による工事費の清算により確定します。なお、委託協定の減額の変更議案は次回定例会にお諮りする予定です。

北西線事業は、本市が初めて実施した高速道路事業であるにもかかわらず、事業費縮減や早期開通に目途が立つなど、大きな成果をあげています。北西線は、開通間近となりましたが、引き続き気を緩めることなく、安全に、最後までしっかりと事業推進するようお願いし、次の質問に移ります。

7 市第75号議案「市道西戸部第560号線及び市道西戸部第342号線道路建設工事(人道橋築造工)請負契約の変更」

大岡川人道橋は、新たに整備されるJR桜木町駅新南口改札と新市庁舎建設や民間開発が進む北仲通地区をデッキレベルで結ぶ歩行者専用の橋であるとともに、新市庁舎へのメインルートとなっており、現在、整備が進められています。

議案書によれば、「橋桁の架設方法の変更に伴う機材の変更等による約3億5千万円の増額」となっており、変更の理由としては、より安全に橋を架けるためにも河川内に仮の受け台を設けず、大岡川を1回で超えて橋を架けなければならなくなったためと伺っています。このような大幅な工法の変更が生じ、契約金額が増えることは十分に反省が必要な、大きな問題だと考えます。この工事は3月にも契約変更し第2回定例会に専決報告しており、再び、本定例会で契約変更として議案が上程されております。3月時点で工法を変更することが判っていたと思われますが、

質問15 2回に分けて契約変更を行う理由について、市長に伺います。
答弁15 30年度に、関係機関などとの協議によりまして、橋の架設条件が変更となり、工場で行う材料加工が必要となりました。材料加工については時間を要することから、3月に契約変更を行いました。その後、架設工法の詳細が決定したので、本定例会で2回目の契約変更をお諮りします。

本来であれば、工法変更が判った段階で、直ちに契約変更すべきであったでしょうし、さらには、事前に調査や関係機関との協議を行ったうえで、工法変更を盛り込み、工事発注していれば、少しでも工事費を抑えられる可能性があったと考えています。
今後、このような大幅な設計変更が伴うような事態にならぬよう、発注前から工法を精査した上で工事を進めていただくことを強く要望します。

現地を見ますと、人道橋の橋脚が既に建ち始めており、引き続き、新市庁舎工事などと調整しながら、橋の架設や仕上げの工事を進め、完成に向かっていくと考えています。大岡川人道橋は、新市庁舎の玄関口に位置する重要な橋となりますが、改めて、

質問16 大岡川人道橋の整備効果について、市長に伺います。
答弁16 北仲通地区では、歩行者の増加が見込まれることから、桜木町駅周辺と北仲通地区を結ぶ、安全な歩行ルートを確保することによりまして、利便性が向上します。また、周辺エリアとの連絡を強化し、来街者の回遊性が高まることが期待されます。さらに、大規模地震による津波発生時の緊急避難路としての機能も発揮できます。

人道橋には屋根が設置されるとの説明がありました。雨を防ぎ、日差しを防ぐ、安全に通行できる工夫がされていると伺っています。大岡川人道橋は安全で、快適な、機能性の高い歩行空間として、北仲通地区の一つの象徴的な橋になると考えます。広く市民から愛される橋として、この橋にふさわしい名称をつけけることが、これからのまちづくりに活きるのではないかと考えます。そこで、

質問17 新しい橋の名前を公募でつけることが望ましいと考えますが、市長の見解を伺います。
答弁17 市民の皆様に親しみをもっていただけるように、橋の名前を広く募集し、決定していくことを、今後検討してまいります。

新たな市庁舎の玄関口にデッキを整備するわけですから、是非とも、この機会に、広く橋名を募集し、親しみやすく、呼びやすく、地域に浸透するような名前がつくこと期期待して、次の質問に移ります。

8 市第76号議案(令和元年度横浜市一般会計補正予算(第1号)小中一貫校整備事業及び緑園義務教育学校整備工事請負契約の締結に係る予算外義務負担)

本事業は、泉区緑園地区において、既存の緑園東小学校及び隣接する中学校予定地を活用して、9年間一貫した教育を行う施設一体型の義務教育学校である、緑園義務教育学校を設置するものです。

令和4年4月の開校を目指し、校舎や体育館の増築、既存校舎の改修などの工事を、工期を分けて逐次実施していくと聞いておりますが、このうち、今年度から始まる第1期工事において、工程の見直しにより今年度の出来高が減少するため、事業費を減額する補正予算が計上されています。そこでまず、

質問18 第1期工事の今年度出来高が減少する理由について教育長に伺います。
答弁18 近年実施されている、工期が複数年度にまたがる学校の新築工事において、職人不足の影響などによる工程の見直しが行われ、初年度の工事出来高が想定よりも減少する傾向が出ております。これらを踏まえて、本工事においてもスケジュールの見直しを行った結果、今年度における出来高の減少を見込み、所要額の減額補正を行います。

今年度の工程を見直し、工事出来高が減少することにより、その分の工事量が来年度以降にしわ寄せされ、全体の工期が遅延するのではないかと危惧されます。
緑園義務教育学校という新たな学校を設立するにあたっての準備や、工事中の緑園東小学校の運営などを考えると、工期の遅延が発生した場合、学校関係者だけでなく、児童・生徒、保護者、地域住民の方々など様々な方面に大きな影響を及ぼす恐れがあります。そこで、

質問19 工程の見直しにより、全体工期に影響しないか教育長に伺います。
答弁19 第1期工事における工程の見直しは令和3年3月の竣工を前提として行っており、現時点から調整することによりまして、遅延など工期への影響は出ないようにいたします。また、第2期以降の工事においても、令和4年4月の開校に向けた適切な工程の策定について、建築局と調整してまいります。

工事工程に関するスケジュール管理をしっかりと行い、緑園義務教育学校の開校に影響を与えないよう作業を進めていただきたいと思いますが、一方で工程の見直しなどが、事業費に与える影響にも注視する必要があります。
 
既に労務単価や資材価格の上昇を受けて、一部の工事において工事費の増加が見込まれていると伺っています。学校に必要な施設を、定められた時期に確実に整備することが第一ではありますが、事業費が一方的に増大しないよう、コスト管理を行うことも重要です。そこで、

質問20 今後の工程や工事内容を精査し、事業費を抑制していくべきと考えますが、教育長の見解を伺います。
答弁20 学校施設として必要な品質や仕様を確保しながら、工事費を抑制する設計及び工事を進めており、今後もこれらの取組を一層進めてまいります。また、労務単価や資材価格の上昇など、事前の予測が難しい事項についても、可能な限り予測の精度を上げるとともに、工程や工事内容の見直しについても建築局と連携して対応してまいります。

本市で3校目の義務教育学校となる、緑園義務教育学校の開校が確実かつ適切に行われるよう、整備工事を含む事業全体の着実な執行管理を進めていただくことを要望します。

9 市第76号議案「令和元年度横浜市一般会計補正予算(第1号)IR統合型リゾート推進事業」

これまで「白紙」とされてきたカジノ、IR導入について、林市長は先日記者会見で誘致方針を示されました。改めて、なぜこのタイミングで「白紙」すなわち、「IRを導入する、しないについての判断をしていない」という状態から、導入するという方針に転じたのかについて、確認させていただきたいと思います。

2年前の市長選挙から、林市長はカジノ・IRの導入は「白紙」としてきました。誘致表明後の市民の皆さんの反応や、メディアの報道からも分かるように、市長選当時から横浜のIR誘致には反対の声も多く、注目されてきたテーマでした。市長も、それを理解された上で誘致方針を白紙とされたわけですが、選挙で掲げられてきた「白紙」という公約を破棄し、誘致に転じることは大きな問題です。

質問21 市民に事前に説明することも、市民から納得してもらうこともなく、公約とも言える「白紙」を撤回し、誘致に転じたことの責任をどう考えているのか伺います。
答弁21 私は、これまでも「白紙」とは「する・しないの判断に至っていない」ということを繰り返し申し上げておりました。また、平成26年度からの検討調査のための予算を計上し、継続してその判断に必要な検討を進めてまいりました。この間、市民の皆様や経済界、そして市会の皆様からも様々なご意見をいただいてきました。これらのことや、国の動向、他都市の状況なども踏まえて、横浜の将来に責任を持つ市長として総合的に判断いたしました。

市民、有権者から選挙で選ばれている政治家として、民意に向き合わないことは大きな問題です。今からでも、改めて市民のIRへの意見、賛否を問い、誘致方針を見直すことは遅くありません。記者会見では18区での説明会の開催や、公聴会に関する言及がありました。補正予算としても、広報関連予算が3,000万円計上されています。

各区で開催されている大都市制度フォーラムのように、18区において説明会を開催するということでしたが、18区の公会堂の収容人数を合わせても約1万人しか入場できません。2017年の市長選挙の全投票数は約114万票です。このうち誰一人として、IR誘致を表明している候補者には投票していないわけです。カジノ反対を明示した候補者には、約53万票が投じられています。説明会を開催するにしても、前回の市長選を考えれば、相当数の開催が必要と考えますが、

質問22 18区での説明会は、各区1回だけで行うのか、それとも10回、20回と、より多くの方が参加できるようにしていくのか、考えを伺います。
答弁22 まずは、IRの実現に向けた本市の考え方をお伝えして、実施方針の策定や、区域整備計画の作成など、手続きの節目ごとに説明会を継続してまいります。多くの市民の皆様にご参加いただけるように、様々な機会を設けてまいります。また、広報よこはま特別号の発行や、インターネットでの動画配信など、ご都合で説明会にご参加できない市民の皆様に対しても、IRについてお知らせする方法を検討してまいります。

今回の補正予算では、IR推進事業としてアドバイザリー支援の費用の他、「IRに関するアドバイザリー業務委託契約の締結に係る予算外義務負担」の計上もされています。国からは、認定申請の時期は明確には示されていませんが、今回令和2年度から3年度にかけての予算外義務負担の設定となっています。そこで、

質問23 認定申請を行う時期がいつ頃になると見込んで今回アドバイザリー契約を行うのか、設定期間の根拠を伺います。
答弁23 国のスケジュールに関する情報など、現在の動向を勘案すると、早ければ令和3年度には、区域整備計画の認定申請が必要となります。アドバイザリー業務については、サウンディングや専門的な調査による実施方針の作成、これに基づく事業者公募、区域整備計画の作成の手続きまでを委託いたします。これらの委託は、監査法人やコンサルタントに一連の業務として複数年の契約で行う必要があるため、令和3年度までの債務負担を設定するものでございます。

「IRの実現に向けて」という資料や記者会見で市長は、横浜市は日帰り観光客の割合が多く、宿泊者数の割合が少ない課題を指摘されていた。しかしながら、横浜市のホテルの稼働率は90%近い数字を維持してきた中で、宿泊者数を増やすには、ホテルの数を増やさなければならないことが課題とされてきました宿泊施設が増えない中で、観光客数が増えれば、日帰り観光客の率が伸びるのは当然ともいえますから、果たして割合をもってして、東京都などと比較することが適切なのかも疑問です。当初、山下ふ頭の再開発においては、2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催までに一部供用を開始し、宿泊施設などが建設される考え方が示されていました。

しかしながら、林市長がIRの導入の態度を一度表明され、その後白紙にしたとはいえ、導入しないという意思を表明しなかったことで、供用開始時期が後退してきたという経緯があります。現在も港湾関係者から、カジノ導入に関する強い反対の意見が出されています。IRで宿泊数を増やそうとされているようですが、宿泊者数の増加機会を失ってきた原因は、まさに市長のIR誘致方針だと言えるのではないでしょうか。そこで、

質問24 本気で観光に関する課題を解決したいのであるならば、まずはカジノ誘致方針を撤回し、山下ふ頭の再開発が順調に行えるようにすることが必要ではないでしょうか。市長の見解を伺います。
答弁24 山下ふ頭開発基本計画では、目指す都市像として「ハーバーリゾートの形成」を掲げて、観光MICEを中心とした魅力的な賑わいの創出、親水性豊かなウォーターフロントの創出、環境に配慮したスマートエリアの創出などの3つの視点を掲げています。これらの視点は、国内外から観光客を集客し、観光や地域経済の振興を目指す日本型IRと方向性は一致していると考えています。さらに、民間事業者の投資と創意工夫を最大限に引き出す日本型IRの枠組みを導入し、山下ふ頭再開発の目標である、2020年代後半の供用を目指してまいります

記者会見では、説明すれば理解してもらえると考えていらっしゃるということでした。先日平成30年度に実施した検討調査報告書の説明会が4ヵ所で開催されました。アンケートも行われていて、その中では「理解を深めることができた内容」という項目の記述欄では、「益々反対する気になった」や「やはりカジノは必要ない」といった、反対する意見が深まったという記述も見られます。説明し、理解してもらうだけでなく、納得してもらえるかどうかが重要ではないでしょうか。説明会を開催するにしても、しっかりと賛否をアンケートで問い、その民意に向き合う必要があると考えます。そこで、

質問25 18区で行う説明会ではアンケートを取り、賛否を確認し、その意見を受け止めていく必要があると考えますが、市長はどう取り組むのか、伺います。
答弁25 まずは、説明会において、お子様も含めあらゆる世代に楽しんでいただける統合型リゾートの魅力や、世界最高水準のカジノ規制の内容、市民の皆様が不安に思っている治安や依存症対策に関する横浜市の取組を、しっかりお伝えしていくことが必要と考えております。今後の説明会においても、IRについてのご理解などについてアンケートを実施し、市民の皆様のご意見を伺うとともに、今後の検討にしっかりと生かしてまいります。

また市民意見を反映させるための方法として、整備法に記載されている公聴会の開催を示されています。市長は、「住民の意見を反映させるための必要な措置が」「規定されて」いると仰っていますが、法律上は「公聴会の開催その他の住民の意見を反映させるために必要な措置を講じなければならない」とされていて、市民意見を聞き、反映させる方法は、公聴会に限る必要はありません。
 
本市の公聴会で言えば、「横浜市都市計画公聴会規則」や、「建築基準法に基く横浜市公聴会規則」が設けられていますが、意見を述べるための手続きや人数の制限などがあります。会場における開催ともなるので、時間の都合や、定員の都合で公聴会に参加できないということもありえます。より多くの市民から意見を集め、反映させられる方法を用意することが必要ではないでしょうか。本市では今年8月に、敬老パスの市民アンケートを3万人に対して行っています。12月には「第4期障害者プラン」の策定に向けて、障害者手帳保持者の約10%、およそ17,000人を対象に、アンケー調査が行われる予定とされています。今回のカジノについても同様に、アンケート調査を行い、市民の賛否について意思を確認することも必要ではないでしょうか。そこで、

質問26 市民意見を集めるためのアンケートを3万人以上の規模で実施すべきと提案いたしますが、市長の考えを伺います。
答弁26 IRについては、国内初の国家的なプロジェクトでございます。まずは、その仕組みや内容を市民の皆様にしっかりと丁寧にご説明していく必要がございます。民意の反映の方法は、IR整備法で都道府県の同意、公聴会の実施、議会の議決などが規定されております。今後の国からの情報を参考に引き続き検討してまいります。

横浜商工会議所からIR誘致に関する要請が出され、市長も「真摯に検討されて提案されたもの」と好意的に受け止められているようです。経済活性化は重要ですし、横浜市内に約11万4千ある事業所の内、約12,000社の会員がある商工会議所の意見も重要だと思います。一方では、横浜市のまちづくり、地域づくりの担い手であり、本市の協働のパートナーである、自治会町内会からは否定的な意見も寄せられていると伺っています。横浜市の自治会町内会加入率は73.4%で、約123万世帯が加入しています(平成30年度)。その自治会町内の会長が集まる場等でも、IRの説明不足への不満の意見や、そもそもIRの導入反対の意見などが出されていると伺っています。普段から交流をもち、事務局も担う市役所、区役所としても把握されているのではないかと思います。そこで、

質問27 自治会町内会といった日頃から地域や市政のために汗を流してくださっている皆さまの意見に向き合わずに、IR誘致方針を打ち出した理由を伺います。
答弁27 6月に実施した市民説明会の開催にあたっては、昨年度の調査結果について、市連会及び区連会で情報提供して、今後の説明会は18区で開催すべき、十分な周知期間をとるべきなどのご指摘をいただきました。市連会及び区連会は、市政を進めていく上で、日ごろからご協力をいただいている大切な皆様でございます。先生も仰っていらっしゃいますが、本当にその通りでございます。今後も丁寧にご説明をして、ご理解・納得を得られるように私自身しっかりと努めてまいります。

また8月22日の記者会見では、「経済界の方は本当にやってほしいと言っています」というご発言とともに、「賛成の方もとても多い」というご発言もありました。市長が「多い」と仰る根拠が分かりませんでしたが、これまで市長も議会等でも触れられてきたとおり、「中期4か年計画2018〜2021」の素案にたいするパブリックコメントでは、カジノ・IRに対する意見のうち反対意見が94%を占め、6月25日、26日に4区で行われた説明会でのアンケートでは3−(7)「その他」欄には反対など否定的意見が70%以上記され、2年前のメディアによる世論調査では約67%がカジノに反対、2年前の市長選におけるカジノ反対を明示した候補者へは約53万票が投じられ、先日は抗議文等が提出されるなど、市民から多くの反対の意見が示されてきています。 そこで、

質問28 経済界の期待の声に向き合う一方で、市民の反対意見に向き合わない理由はなにか伺います。
答弁28 IRは、国内初の国家的なプロジェクトでございまして、その仕組みや内容について、市民の皆様に丁寧にご説明していく必要があります。いままで、やはりまだまだIRというのはどういうものなのか、なぜIRを、今横浜市が導入しようと私が決断したかということについても、まったく御説明が足りていないというふうに考えておりますので、繰り返し申し上げておりますけれども、まずは18区への説明会でしっかりと説明をさせていただきます。特に依存症対策や治安対策など具体的な検討を進めていくなかで、市民の皆様には適切にご説明して、ご意見を伺って、国や県とも連携しながら、しっかりと対応を進めてまいります。

これまでIRに関して「白紙」としてきたことで、横浜市の責任における調査・検討が十分に行われていません。平成26年度から毎年1,000万円の調査検討費が計上されてきていますが、そこで行われた調査結果は、監査法人などに調査を委託しまとめられたものであり、「平成30年度IR(統合型リゾート)等新たな戦略的都市づくり検討調査(その4)報告書」では経済効果なども示されていますが、カジノ事業者から情報提供された内容をまとめたものであり、横浜市が独自に調査分析を行ったものではありません。8月22日に公表された資料「IRの実現に向けて」は、平成30年度の調査をもとに監査法人が整理した数字とされていますが、元となる数字が事業者から出されたものに変わりありません。

カジノ・IRの整備は横浜市の将来に大きな影響があり、事業者が判断をくだすものではなく、横浜市民と横浜市が判断を下すべきものです。これまで横浜市は六大事業をはじめ、都市政策に力を入れ、その都市計画には内外から高い評価も寄せられてきました。今回、山下ふ頭という横浜市の将来の都市づくりにとって、非常に重要な場所での開発を行っていくわけです。依存症対策や治安対策にかかる費用の分析はされておらず、市長も記者会見では「これから精査していきます」とお答えになっています。市が自ら試算や、メリット、デメリットの評価を行い、カジノ以外の方法も並行して比較し、その上で導入の是非について市民と議論し、検討をすべきではないかと考えます。事業者の試算を鵜呑みにすることが、横浜市の都市政策のあり方としてふさわしいとは思えません。そこで、

質問29 誘致方針を取り下げて、再度、土台となる調査を市が主体となって行うべきではないかと考えますが、市長の考えを伺います。
答弁29 今回の経済効果の算出にあたり、昨年度には明らかになっていなかったIR整備法施行令などの内容を踏まえ、事業者の皆様に改めて情報提供いただきました。いただいた情報については、監査法人と横浜市で妥当性を確認したうえで、横浜市の産業連関表を用いて運営時の経済波及効果や雇用創出効果などを算出いたしました。こうした調査結果をもとに、IR誘致を実現していく決断を行いました。さらなる精度を上げた検討を進めて、市民の皆様にご理解をいただくためには、今回提案した規模の補正予算が必要となります。これをもとに、最終的には議決をいただく区域整備計画を策定していきたいと考えております。

今回の誘致方針への転換は、その理由が不明瞭です。市長が判断したその判断材料が、十分に示されていません。市民の関心も高く、重要な場所に立地し、規模も大きな事業で、長期に渡って影響の出る事業です。意思決定プロセスが開かれ、市民が判断するための情報が容易に得られる状況の中で、メリット・デメリット、賛否、複数のプランをどう検討したのかなどの、議論の経緯が蓄積され、残されていくことが重要です。

林市長が次回市長選挙に4期目を目指して立候補されるお考えがあるかどうか分かりませんが、IRが開業すると予定されている2020年代後半以降、そして開業後の期間に渡って、林市長が市政の責任を持てるわけではありません。横浜市政は、横浜市民のものです。市民とともに議論を重ね、その記録を残し、後世での評価を可能にしていくことが、市政を預かる市長の責任ではないでしょうか。そうした蓄積がない中で誘致方針に転じるのは時期尚早であり、無責任ではないでしょうか。そこで、

質問30 十分な調査も議論も行えていない今、なぜ誘致方針に転じたのか伺います。
答弁30 今年度の調査において、IR整備法施行令などを踏まえ、事業者から提案された情報の具体化や精査を進めて、これまでにない経済的・社会的効果を確認いたしました。また、IR整備法やギャンブル等依存症対策推進基本計画が国から示されました。治安対策やギャンブル等依存症対策に取り組む環境も整い、具体的な対策を講じていく見通しを持つことができました。そして、この日本型IRでございますが、最高レベルの厳しい対策ですね。IRに入場するための規制とかいうのは、一番厳しい事が盛られております。そういうことも、私どもは研究した結果ですね。また国の情報ではですね、様々な国民の方のご意見もありましたから、開業スケジュールが少し遅れるのかというような報道もございましたけれども、遅れはないという報道も受けまして、そしてカジノ管理委員会をこの秋にも設置する見込みであるということ、他都市において、いち早く大阪は誘致の名乗りをあげていらっしゃるわけでございますが、その他の都市も手を挙げていらっしゃるところもありますし、これから挙げようとしていらっしゃるか、検討していらっしゃるところも増えてまいりました。そうした状況を見ながら、今、ここで決断しなければ、私としては、誘致をしようと決意しておりますが、これは手挙げ方式でございますので、完全に選ばれるかどうかも分かりません。そういう中で、やはり横浜市として、きちっと準備を整えなければいけないし、ここではもう、時間を長く置くことはできないということもありまして、私自身も自分の中で納得して、皆様にご説明をしようと。しっかり御説明して、御判断をいただきたいという気持ち・決意がございましたので、ここでIRを実現する必要があるため、総合的にこの時期、タイミングを見て発表させていただきました。

質問31 合わせて、市民とともに議論を重ね、意思決定プロセスを開かれた中で行い、残していくことの重要性について、市長の認識を伺います。
答弁31 市民の皆様の代表である市会の皆様に、今後のIR実現に向けた本格的な検討・準備の状況を丁寧にご説明して、ご意見をいただきながら、進めていきたいと考えています。市民の皆様には、繰り返し申し上げますけれども18区に横浜市の考え方などを丁寧に、説明会を開催してまいります。また、今後の検討の進捗に合わせた説明会を開催するということもやりますし、広報よこはま特別号など様々な方法によって情報をお伝えしてまいります。

私たち立憲・国民フォーラム横浜市会議員団は、先日市長に「横浜へのカジノ誘致撤回を求める緊急要請」を行わせていただきましたとおり、横浜へのカジノ誘致には断固として反対であります。

横浜市は市民のものです。市長の任期が終わった後も、市民の生活は続き、横浜市の歴史は続いていきます。市民が反対しているカジノ誘致を、無理にすすめる必要はありません。

市長がカジノ誘致方針を撤回し、市民とともに、横浜の歴史や文化、風土にふさわしい山下ふ頭の再開発を、もう一度はじめからやり直すことを求めて、私の質問を終わります。

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