10月23日、台風19号の災害ボランティアのため福島県郡山市を訪れました。これまで東日本大震災や、熊本地震などの災害ボランティアに参加しましたが、水害でのボランティアは初めてとなりました。各地で甚大な被害をもたらした台風19号でしたが、特に多量な降水による河川の氾濫被害が大きく、今回は私の故郷でもある郡山市でも阿武隈川水系の逢瀬川が氾濫し、周辺が被災をしました。
ボランティアセンター
今回のボランティアも、社会福祉協議会に設置されたボランティアセンターでの受付からスタートしました。いわゆる視察ではなく、完全に一個人での参加です。9時15分頃にセンターに到着。被災から10日が経ち、平日ということもあり、9時30分出発便の受け付け時間には、私を含めて登録者は6名。男性3名、女性3名で班を構成し、ボランティアの要望があった個人宅までマイクロバスで向かいます。バスは中継地点となる集会所まで。集会所には社協のスタッフの方が居て、活動に必要なスコップやバケツ土嚢袋など、必要資材の調達を行います。これから訪問するお宅までは集会所から徒歩12〜3分ほど。6名の班員は歩いて、資材は社協の方が車で運びます。
1軒目:高齢女性一人暮らし
1軒目に訪れたのは、78歳の一人暮らしの女性宅。被災から10日ほど経っていたこともあり、お子さんや友人の手伝いも既に入っていて、泥のはき出しや、一部の家財道具の搬出は終わっていました。私達は、畳の搬出や、タンスなどまだ使える家具の移動、床などの掃除を行いました。水を吸った畳はとても重く、男性2人でも持ち上げるのが大変でした。一通り搬出、移動を終えてからは、みんなで床掃除。といっても、畳をはがした後の木の面を雑巾で拭き、泥汚れを落とす作業でした。ここの現場は1時間半程度で終了。
1軒目終了後は、一旦ボランティアの集合場所である地域の集会所へ戻りました。班長は作業完了を社協に報告し、午後のボランティア内容の指示を待ちます。6名のうち2名は午前中のみのボランティア参加でしたので、このタイミングで作業終了。残った4名(女性2名、男性2名)は、持参したお弁当を食べながら休憩をしました。
2軒目:高齢夫婦要支援認定有り
午後は2軒目のお宅へ。1軒目のお宅の近くで、86歳のご夫婦がお住まいのお宅。お二人とも要支援の認定を受けていて、軽い認知症もあるという報告を社協の担当者から受けたうえで訪問。2階建てのお宅で、1階部分が浸水被害。ボランティア要請があったのは10月16日で、訪問が23日ですから要請から約1週間が経過していました。要請内容としては、泥のはき出し、家財の搬出、家財道具の清掃といった内容でしたが、時間が経っていたこともあり、一部家財は搬出されていて、泥のはき出しも終わっていました。とはいえ、リビングだった場所は、被災から手つかずで、テレビやソファーなどもひっくり返り、本棚なども倒れ、書類も散乱し、どこから手をつけていいか分からないくらいの状況でした。
ここでは、女性チームが不要なものをゴミ袋に入れ、男性チームが大型の荷物と重いゴミ袋を搬出する、という大まかな役割分担が自然にできました。午前中から一緒にいるので、作業効率もあがります。リビングでしたので、契約書類など重要そうな資料もあり、1人がその仕分けを担当し、必要そうなものは残していきます。大きなものの搬出が終わると、全員が細かい処分作業に移行し、最後は床に残った泥のはき出しに、水拭きを行い、家主に報告、確認を行った上で、作業終了となりました。約2時間の作業で、終了時刻は15時5分頃。リビングの作業は完了したものの、台所やお風呂など、まだ作業が必要な場所が残りましたが、15時30分ころには集会所へ戻ることとなっていたので、帰る時間も考慮しての終了となりました。その後は歩いて集会所へ戻り、本部から車のお迎えがきて、ボランティアセンターへ戻りました。センターでは、班長さんが1日の報告を社協に行って終了、解散となりました。
まとめ:感じたこと、考えたこと
今回は被災家屋へ訪問し、搬出や清掃の作業となりました。水害の被災現場でのボランティアは初めてでしたが、とにかく全てのものが水浸しでした。当然といえば当然なのですが、テレビや電子レンジなどの家電製品も、パッと見ただけでは分からないものの、内部に水が入り込んでいるため、持ち上げると水が出てきたりします。畳も、本も、雑誌も、書類も、座布団も、水を吸っているためとても重いです。たまたま今回の班は男女比が半々でしたが、何度も参加している方の話では、女性だけで作業をすることもあるとのことでした。どうしても女性だけだと力作業が大変で、現場は力仕事が多いので男手が必要とされていましたが、日々のボランティア登録者に男性が多いのか、女性が多いのかは分かりません。
ボランティア作業の需要と供給のマッチングも、難しいところがあるなと思いました。ボランティアセンターで被災者から要請の受付をし、それをシートにまとめて、ボランティア登録者に作業を振り分けていくわけですが、今回のように1週間の時間差が生じることもあります。これはどれだけボランティア登録者がいるかにもよるのでやむを得ないのですが、一方では現場がどう変化しているのかは事前に分かりません。今回も、私達ボランティアは被災者の方からの要請時点での情報のみを持ってでかけるので、思っていたより作業が進んでいたりもしました。また現場が分からないため、力仕事がいるのかいらないのか、作業時間がどのくらいなのか、何名くらい必要なのかも、事前にはなかなか分かりません。ただ、少しでも情報があれば、スタッフや資材のミスマッチを減らすことができるかなと思いました。
高齢者世帯の被災の大変さも、改めて感じました。大型の家具や、水を含んだ被災ゴミは40歳男性の私でもとても重く、家から外へ何往復も荷物を搬出するのは体への負担が大きかったです。特に今回は、86歳とご高齢で、要支援認定受け、軽い認知症があるというご夫婦。センターには、同じ要請の電話が3回あったという話もあり、心配をしながら訪問しました。現時点でどんな支援につながっているのか、私達ボランティアには分かりませんでしたが、トイレやお風呂も使えない状況にあり、1階のリビングは被災時点からそのまま。ご高齢というだけで作業はとても大変ですが、複数の課題を抱えている方をどうサポートするかも現場での判断が必要だなと感じました。作業後集会所では、ご夫婦の様子を社協に伝え、こちらからも継続しての作業支援が必要であることや、お二人の様子、心配事項などを伝えました。
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