コロナ下の児童虐待、DV対策。横浜市は電話以外の窓口が必要。

2020-05-24 12:21:24 | カテゴリ:活動報告


藤崎浩太郎

5月14日(木)、横浜市会令和2年第1回臨時会の、「こども青少年・教育委員会」におきまして、児童虐待・DV対策と相談窓口についての質疑を行いました。今回の臨時会は、新型コロナウイルス感染症対策の補正予算等に関するもので、こども青少年局関係予算では「児童虐待・DV対策広報事業」として1,000万円の予算が計上され、可決されています。

これまで横浜市の児童虐待やDVに関する相談窓口は、電話相談に限られてきました。コロナ下の自粛要請などから、自宅で勤務する保護者、学校休業で自宅に居る子どもと、家族が家にいる時間が増えてきました。一方で、親子間、夫婦間でのストレス等から、児童虐待やDVの増加が懸念されながらも、直接発見される機会も減っていたり、家族が家にいることで相談の電話をかけられない、という課題も認識されてきました。また、スマホやスマホアプリに慣れている若年層が、電話相談を利用していないという課題も、従前より認識されてきましたし、関係する方々からも課題が指摘されてきました。

私も3月頃から、こども青少年局や、政策局に、課題を指摘し、電話相談以外の窓口を、特に利用者側が馴染みやすいLINEや、せめてメール窓口など早急に設けられないか、要請を繰り返してきました。残念ながら、未だその対策は実現していません。しかしながら、5月12日の本会議における質疑では、市長から「1日も早く」実現していく旨が答弁されました。5月14日の委員会では、その市長答弁に照らし合わせながら、こども青少年局長らに課題認識と、今後の取組について質疑をしています。

以下、質疑の内容を文字起こししたものです。
(※議事録ではないので、実際の内容とは若干言い回し等が異なります。)
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藤崎 児童虐待・DVのところ伺います。

この間、タウンニュース等ですね、工夫されて取り組まれたことは評価しているんですが、一方ではまだまだ十分じゃないんじゃないかというふうにとらえています。先程、古谷委員から児童虐待の件数の話がありましたが、DVの方の相談件数の状況をあらためて確認させていただきたいのですが、お願いします。

武居担当部長 DVの相談件数でございますけれども、ちょっと速報値ではございますが、昨年より約3割程度減少をしております。在宅ワークや臨時休業等で、加害者の配偶者の方が在宅しているために、なかなか外出も出来ず、相談もしづらいという環境があるのかなというふうに思っております。

藤崎 この間報道でも児童虐待が増えてるって話の要因として、面前DVについてもしっかりと書かれてきたことから、そういう意味では3割減の部分というのを、どう把握していくかというのは、どう評価していくかというんですかね、今児童相談、児相に児童虐待の相談件数がそれほど増加傾向にないとしても、一方で3割ものDV相談が減少しているということは、面前DVが相当数隠れたまま眠っていることと、ほぼ同じとみたほうがいいんじゃないかというふうに思っています。

一方で国や県がDV相談に非常に手厚く窓口を充実させてきた経緯もあるし、県はLINEをもともとやってましたし、国もチャットやらメールやらで拡充させてきた経緯がありますが、その国や県に対して相談がいっているもののうち、横浜市民が相談したものがどうなっているかということは把握出来ているんでしょうか?

担当部長 申し訳ありません。ちょっと詳細にはつかんでおりません。

藤崎 ありがとうございます。残念ながら横浜市は、電話相談しか窓口を持たずに来ているので、ここが課題ということで、先日も本会議の議案関連質疑で我が会派の坂本議員がですね、インターネット活用した支援について求めたところですし、それについて市長からは、「1日も早く」5県市(※神奈川県、横浜市、川崎市、相模原市、横須賀市)でやっている取り組みを1日も早く実現させていきたいというか、そういった主旨のご答弁をいただいていると思います。

ここでいう市長がおっしゃっていた「1日も早く」というスケジュール感がどのくらいのスケジュール感なのか、結局今在宅がのびて在宅時間が増えてることによる相談件数の減少、そこに付随する面前DVのおそらく増加しているであろうという状態、これは緊急事態宣言が解除されて、学校に通学できるようになるとか通勤するようになるとかで、在宅時間が減ればそういった部分が解消されていく可能性はもちろんあるんですが、一方ではそうすると、これ以降にこういったもの、インターネットを活用したものがリリースされても、現状困っている人たちのサポートには直接はつながらないということになるんですが、そのへんのスケジュール感、1日も早くといったところは、どういうふうにとらえていらっしゃるのか教えてください。

齋藤局長 ありがとうございます。先程のご質問にちょっと関連するところからということで、県の方のLINEのほうでございますけれども、昨年試行をやったうえでですね、今年度から本格実施ということで県の方はやっておりますが、県の方のLINEの相談に、仮に横浜市民が行った場合については、横浜市の児相なりですね、をご案内をすると、相談を受けるというような、では横浜市の案内窓口をということで、ご相談をいただくというような形にはなっているので、私共の児童相談所にお電話かかってきた後ですね、LINE経由ですというのはちょっと確認が届いていないので、すみません、数字については詳細は…ということでございますが、県の方にもしご相談があるとしたら、それは確実に私どものほうになんと言いますか、ご案内がいただけるというようは形で現在はやっております。
 今年度予算の中で県のやっているところというのは、県の児童相談所の相談手法のひとつのカテゴリーとしてですね、電話があったり、FAXがあったりいろいろあるんですが、その中の1つとして、LINEを今年度からやるということなので、児相の相談機能ということで、今県の方はやっておられます。ですので当然ですが、政令市、児相を持っている政令市、中核市については、対象になっていないと、そもそものエリア対象にならないものですから、そこで今年度予算でご協力いただいた話の中では、私共とか、川崎とか相模原とか横須賀で連携をしまして、県のそのLINE相談に上乗せをする、県の方が今相談の相手方として受けていただいている法人がございますので、この法人に私共の相談も受けていただくというような形で、同じ電話番号で県下でしたらここに行けば、横浜市民であろうが、川崎市民であろうが、ご相談が受けられると、ただ単に児童相談所をご紹介するだけではなくてですね、そのような形でやりたいということで、調査費というか検討費を計上させていただいて、取り組もうとしていたところでございます。
 そこにあの今回の新型コロナウィルス感染症の話が出てまいりましたので、今現在ですね、他の政令市とも話をしながら、なるべく早く神奈川県のそのシステムに乗るような形がですね、あのいろいろと課題もありまして、あの受ける方の法人側の、なんといいうかボリュームというか人的資源の問題ですとか、後は相談の時間帯ですとか曜日ですとか、色々と細かいところはあるんですが、この際そんなのはどうでもいいので、なるべくですね、今のその事業にいち早く乗れないかということで、あの政令市もいろいろ温度差がありますので、私共としては、乗らない政令市があればもうそれはたんば(※聞き取れず)、それはそれとして、我々だけでも県となんとか出来ないかということで、鋭意調整をさせていただいています。
 副委員長がおっしゃったとおり、出来る限りやらないと、早くやらないと意味がないので、市長のほうからもああいうような形で指示が出ておりますので、私共としては出来る限りやりたいと思いますが、なにしろ神奈川県の方のシステムにのっていく形になっているので、神奈川県の調整がですね、あの出来るだけ早くやりたいとは思っておりますけれども、若干の時間をいただいて、本来ですと来年の4月から導入するというのを大幅に前倒しをして現在検討しているところですので、まだちょっと時期については今確かなことが申し上げられませんが、出来るだけ早く取り組めればいいということで、鋭意取り組んでいるところでございます。

藤崎 今年度予算として組まれて、通常の予算で組まれて、今年度中に結論を出して来年度からっていうもともとのスケジュールだったところを、そういう意味では大幅にというお話だと思うので、出来れば5月中なのか、6月なのか、とにかく早い段階でリリース、おっしゃったとおり「5県市」足並み揃えていることで時間がたって、救えるものが救えなくなるんであれば、足を揃える意味はまったくないので、結果足揃えてもらえればいいんじゃないかと思いますんで積極的に取り組んでいただきたいということ。

先程アプリの方LINEの方も、県の場合だと児相のLINEとDVのLINE両方、虐待とDV両方LINEを持ってやっているので、それから、そこから案内された人たちが、必ずしも横浜市の児相に連絡しているかどうかというのも全部が全部つながっていかないでしょうし、全部が全部そういう相談でもないとは思うので、出来るだけその辺のどこまで把握できるかってのがありますが、相談者がどこまで特定できているかという問題もあるので、必ずしもその相談者が横浜市民だとわからないまま、LINEでやり取りしていくケースも多々あるとは思うんですが、そういった中で横浜市民がどういった状況に置かれているかというのを、想定しうるような、情報を県とやり取りしながら、「5県市」の動きも合わせて進めていっていただくことが、重要なんじゃないかと思います。

見えない数字を見えるようにしていくのは、これからの取り組みだと思うので、要望だけですけれども、迅速に丁寧に、命と体が、健康が守られるよう、取り組んでいただきたいと要望して終わります。以上です。

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