横浜市の行政手続きのオンライン化と押印の見直しについて。

2020-12-30 15:15:20 | カテゴリ:活動報告


横浜市行政手続きのオンライン化

2020年12月15日、横浜市会令和2年第4回定例会の「政策・総務・財政委員会」が開催されました。総務局の審査においては上程された議案の他に、「行政手続のオンライン化及び押印の見直しについて」の報告が行われました。

行政のデジタル化・オンライン化は以前から提案してきたことでもあり、コロナ禍によって国全体で推進される状況にシフトしてきました。横浜市に於いてもオンライン申請やハンコレスが進むのは良いことです。一方で、示された資料のうち、「(2) 行政手続のオンライン化 」の「イ 実施方法」の(イ)では「計画を策定します。 」と記されているにも関わらず、その計画策定時期が明示されていません。

質疑の際に、総務局長に対してこの計画策定をいつまでに行うのか質問しましたが、最後まで明示されることはありませんでした。「早期実現を目指し」という文言が資料に入っていたり、総務局長の答弁のなかでも「出来るものは出来るところから」という発言もありましたが、全体としての進行スケジュールがないのでは問題だと思います。国のスケジュールに従いたいということなのかもしれない、とも感じましたが、市民の利便性の向上や、横浜市政の効率化への取り組みですから、国が示した通りといわずに、横浜市として率先して取り組んでもらいたいと思います。

横浜市行政手続きのオンライン化
横浜市行政手続きのオンライン化

以下、藤崎浩太郎の質疑部分を抜粋した中継動画と、その文字起こしです。
(※議事録ではないので、実際の内容とは若干言い回し等が異なります。)

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藤崎 細かいところの確認も含めていくつかですけど、オンライン化のところの実施方法の(イ)ですね、700課で計画を策定しますとあるんですが、この計画をいつまでに700課分を策定するのかを教えていただきたいです。あわせて課長に責任が置かれてこれ計画を立てるのか、それとも総務局が一定程度関与しながら計画を立てるのか、そのへん含めて教えてください。

池戸局長 計画を立てていくとさらっとここには書いてありますけれども、先ほども ちょっとお話をさせていただいたようにですね、来年に向けてですね、新しい組織の検討を今しております。市長答弁でもさせていただきましたけれども。やはりこの中でですね、この計画については統轄をやっていこうと思っています。具体的にはですね、先ほどのオンライン化をすすめるにあたってもいくつか整理しなきゃいけない問題であったり、それからあのやはり財政的な、そのシステム改変には非常にお金もかかるということもありますので、新しい組織にはその計画づくりを各課にやってもらうのと同時に優先的なものをどこから手を付けていくのかというような計画論、そしてそれぞれの所管課と調整をしながらですね、具体的には今もやっているんですけれどもね、我々総務局のほうでやっているんですが、それぞれの課が持っている400弱システムあるわけですけれども、これを手直ししていくときには、必ず協議をしていただくことになっているんですね、どういう改変を今するべきなのか、あるいはどういう、どのくらいの予算をかけるべきなのかっていうようなところを今やっているんですが、そういう全庁的なデジタル化を進めていくにあたっての権限というんですかね、調整権限みたいなものを持っていただいたうえで進めていきたいと思っています。今回の全庁調査の結果とですね、年内にといってもあと数週間なんですが、国が示してくる新しいデジタルガバメントの計画、この方針をふまえてですね、本市の全体のオンライン化の方針は策定をしていきたいと思っています。この方針に基づいて各手続きの所管業務課において、先ほど申し上げたように、オンライン化に向けた実施計画を策定し、取り組みを進めると、それを今年度については総務局が統括しますけれども、これから新しい組織を考えるにあたっては、そういったところで統括をしてもらうように進めていきたいと思っています。

藤崎 ちょっとはっきりわからなかったんですけど、さっき出来るだけ、出来るものから順次オンライン化したいという話があって、場合によっては3月4月の異動時にやりたいという話もあったわけですけど、今のお話だと来年度令和3年度に新しい組織を作るんで、そこでおおむねやってもらうって話なのかなと思ったんですけど、というふうに聞こえたんですが、これは2層に分かれて進めていく話と受け取っていいのか、違うのか、そこをちょっと教えていただけますか。

池戸局長 すみません。2層に分かれてるというふうに聞き取れてしまったんだったら、申し訳ないのですが、組織の話をいたしましたけれども、それは出来てから何かやるというものではなくてですね、押印の手続きなどは、今年度出来るところからやはり進めていきたいと思ってるんですね、押印廃止の部分については。そういうものがあって次にオンライン化というものがやってきますので、そこはシームレスに進めていきます。もちろん一体となってですね、庁内全体でやっていくという部分については変わりませんので、なんか2層に聞こえたのだとしたらそこは申し訳ありません。1層です。

藤崎 計画の策定時期がいつぐらいになるのかが、私のまずの最初の質問で、そこがちょっと具体的に見えなかったので、要は令和3年度に新しい組織が出来てから具体的な計画を各課に策定してもらって、それいつを締め切りにして策定するんだ、がないと700課それぞれにお任せして、今年年末に出来る課がある、来年の年末に出来る課がある、再来年になっても出来ない課がある、みたいなことを許容されていくのか、それとも一定程度時期を、ゴールを、早めに出来る課はそれでいいとして、ゴール時期というものを設定して、令和3年度の何月までなのか、そういった設定はしないのか、されるのであればこれからどう考えるのか、そこを教えていただけますか。

池戸局長 先ほども申し上げましたように、国はですね、年内にデジタルガバメント実行計画を見直して、行政のデジタル化に関連する各施策の実現を加速化する方向と伺っております。令和3年の通常国会にIT基本法の改正も予想されているということでございまして、行政サービスの質の向上など、迅速かつ重点的に講じる施策について、この新しい見直しの中でですね、目標や達成時期を明記した重点計画を作成するなどの内容が盛り込まれるというふうに、我々もうかがっております。これを受けて、今ご質問の部分については考えていきたいと思っております。

藤崎 要は国が出してきたものに合わせて、市の計画を立てるということで、市として国より早めるかどうかっていうことは考えうるのか、それとも市が国が出した結論に合わせるのか、そこらへん市がどれだけ主導権をにぎってやってくのか、「早期実現を目指し」っていうのが取り組みの方向性でまずこれあって、それで実施方法としては国の方針を踏まえてとあるんですけど、主体は市が主体として早期実現と書かれてきたんじゃないかと思うんですね。そうするともちろん国のものって重要ですけど、一方では728を重点的にオンライン化するというのは、国の方針を待たずに書かれている話で、それって市が独自にやるのか、国に従う、国の方針を待たないと何もできないのか、そこらへんが市としてどんどん出来るんじゃないかなというふうに思うわけですよ。それであれば、国として、仮に市が出した期限よりも、国が出してくるものが早めだったらそれは修正しなきゃいけないかもしれないですけど、市として市民に向けてこれくらいのスケジュール感でやりたいというものがあって、それが国よりも前倒しされている予定であれば、それで進めればいいし。ということじゃないのかなと思うんですが、そのへんはいかがなんでしょうか。

池戸局長 私の答弁がいけないのかもしれませんけど、おっしゃる通り、先生のおっしゃる通りだと思っておりまして、もうたぶんあと1、2週間で、国のほうがある程度その自治体に対する計画の中身とかですね、そういった部分についてはおそらく出てくると思っています。ただその計画が出来るまで何もしないということではなくて、先ほども申し上げたように、押印の原則的な廃止であるとか、あとはそのできるものについてはやはりオンライン化を進めていくという部分については、もうあの各課といろいろな手続きとか進めております。現在ですね、我々横浜市の中で、電子申請届出システムというのを稼働しておりましてね、この中にはすでにあの先程の手続きとはまた違うものも含まれます、イベントの申込みたいな軽いもの、アンケートなども入っておりますけど、7000件を超える手続きで、今40万件を超える電子申請をここで受けてます。この中でですね、出来るものについては別に計画策定を待たずして、オンライン化はどんどん進めてもらいたいと思っておりまして、このシステムを促進するために市のウェブサイトに申請用紙のデータを掲載するとかですね、そういった市民の皆さんの利便性に向上するような取り組みはもう順次やっていきたいと思っております。出来るものはもう出来るところからやっていく、その部分については変わりはございません。

藤崎 出来るものはさっさとやるのは当然として、700課にオンライン検討を行わせて、計画策定します。をそれ期限どうするんでしょうねというところだけなんですよね。うちなかなか出来ません、でちょっと難しくて、をいつまで許容するかって話だと思ってて、法的にできないものは出来ないでしょうがないと思ってるんですけど、そこらへんも是非ですね、ちゃんとスケジュール感を我々にもね伝えて、要はゆっくりやるようなことじゃないはずなんで、どんどんどんどん締め切っていかないと、遅れていくところをじゃ誰が後押しするんだの役割が、たぶん令和3年度からの組織にも期待されてくるところだったりすると思うので、そこらへんのスケジュール感というのはどこかでね、示していただけるといいなというふうに思いました。

あとは、その次の質問ですけど、「728手続きを重点的にオンライン化」と, これはもちろん利便性の向上という意味で、受益者が多いのでその通りだなと思う一方で、まあ先程のお話ありましたけど、数の問題と質の問題みたいなものもあるはずで、私もこの間ちょっとご相談を受けたのが、難病指定に関する手続きとかが非常に大変だったとか、確かにそういう件数はないかもしれないけど、手続きに非常に苦労する方っていらっしゃるわけですよね。で、例えば子育てだってみんな大変だし、それからダブルケアラーみたいな人たちになると、子育て介護やりながら、それぞれの申請もやらなきゃいけないとか、そういうやっぱり質的な部分での利便性の向上っていうものも十分に考慮していただくことが重要だと思うのと、まあ今回のデジタル化オンライン化って、もともとあった話が、コロナの影響で前倒しされたというか圧倒的に進むようになった部分もある中で、やっぱり感染症リスク、まあもちろんあまねくいろんな人がリスクがあるので、防ぐというのは当然ですけれども、より重篤なリスクを抱えたような人たちにこそ、より手厚くオンライン化の恩恵が図られてもいいんじゃないかなと思うのですが、そのへんのお考えがあれば教えてください。

池戸局長 先ほど申し上げたように、オンライン化を進めるにあたっては、やはり数が大きい、そのマスの部分を優先的に押さえていきたいというお話はさせていただきました。あのただ今先生がおっしゃったように、難病、たしかに難病は一つ一つがとてもあの、認定も含めて難しいというのは承知をしています。手続き自体が難しいというのは、福祉の手続き、とくに障害者の手続きなども同じようなことだと思っています。それをまたデジタル化で解決をできるのか、それとももう少しそのまあ様式も含めてですね、わかりやすくするのかって、そこはちょっと分けて考えたいなと思っております。先程もご答弁いたしましたように、誰も取り残さないという部分については、これは私共基礎自治体の考え方の柱でございますので、そこはちょっと分けて考えたいと思ってます。

藤崎 ありがとうございます。今のはいみじくも、おっしゃる通りだなと思っていて、やっぱりこのオンライン化のメリットは、単純に申請のコストが下がる部分だけじゃなくて、受け付けた役所の皆さんのほうも、非常に利便性が高まる部分を期待していかないともったいないですし、そういう意味ではその申請のコストっていうと行かなくてもいいだけではなくて、そこにかかる手間数ですよね。出すほうも受け付けるほうもそこの手間をいかに減らせるかっていうところがいわずもがなで、それを進められていくはずなんですけど、そういう視点で是非ですね、オンライン化デジタル化だけじゃなくて、申請手続きの数とか、項目の内容とかも見直しを図る機会として進めていただけるといいんじゃないかと思うんですが、そのへんいかがですか?

池戸局長 今回このオンライン化デジタル化を進めていくにあたってはですね、入り口だけをまあオンライン化というのは皆さんが持っている携帯電話とかパソコンがそういうシステムにつながるということだと思うんですが、入り口だけつながってもですね、そこから先の事務が、今の区役所の福祉の部門なんかはそうだと思うんですけれども、やはり紙で処理をされていると、これはやはりデジタルファーストという形で解決するには、この中のやはり業務の見直しとかですね、統合整理みたいなもの、当然一緒にやっていかないと、区役所の現場の負担軽減にはならないわけですね。ですので今回そのオンライン化を進めるにあたっては、課題として我々も認識をしていますけれども、当然そういう業務の改善とか見直しというものもセット、これも1つの課題で、先程費用の課題も申し上げましたけれども、課題の1つというふうに認識をしております。

藤崎 ありがとうございました。まあぜひトータルでね、取り組んでいただく機会にしていただきたいと思います。一度決まっちゃうと変えるの大変なので、決める段階で手間数をいかに減らして、職員側も働きやすくしていくかというところも注力していただきたいと思います。

最後に、令和3年度に新しい体制作りを今検討されているということですけど、県なんかはね最近LINE株式会社の方を、DX部門に配置したりですとか、東京都だとヤフー出身者を配置したりですとか、いろんな形でICT企業出身者をそういった席に据えてですね、改革に取り組もうという、取り組んでいる自治体が出てきている中で、この本市として令和3年度の新しい体制づくりの中で、外部人材の活用とか、そこに期待していく役割とか、今検討されていることがあれば教えてください。

池戸局長 今ご指摘いただいてるのは、民間人材の活用という部分だと考えております。先端技術の活用などもですね、民間の先進的な知見などの活用が必要になる部分も当然あると想定をしております。その手法についてはですね、今後検討してまいりたいと思ってます。またですね、私共その内部人材の活用、それから育成の視点として、現在ICT関係の専門職、これを情報処理職として平成5年から採用してきております。今後その能力を広く活用してですね、本市のデジタル化の推進を担っていけるよう、その職のあり方、採用方法についてもこれも検討していきたいと思っています。

藤崎 よろしくお願いします。ありがとうございました。

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