令和2年度横浜市一般会計歳入歳出決算の討論

2021-11-07 17:02:10 | カテゴリ:活動報告


藤崎浩太郎

2021年10月22日、横浜市会令和3年第3回定例会の最終日を迎えました。第3回定例会は決算審査が行われ、「決算市会」とも称されます。最終日は、令和2年度の一般会計歳入歳出決算が採決される日であり、各会派から賛否が示されます。

今定例会の質疑において、令和2年度のカジノ推進費として3億3,655万8千円が執行されたこと、並びに令和3年度には契約ベースで、約2億9,000万円が執行されてきたことが明らかになりました。私達はこれまでカジノ・IRの推進を反対し、市民の多くの方から反対の意見があり、前市長はじめ横浜市が市民の声に向き合い、早々に推進を停止していれば執行されずに済んだ税金が、合計で約6億2,700万円にも上ることが明らかになりました。

山中市長の誕生によって、10月には完全に横浜市のカジノ・IRの推進が停止され、私達会派は決算自体には本会議で賛成をしましたが、私は会派を代表し「賛成討論」を行い、山中市長に対して今後カジノ・IR誘致の問題を整理するとともに、特に市民との向き合い方についての課題を明確にすることを求めました。以下、討論の原稿となっています。

賛成討論

立憲民主党・国民フォーラム横浜市会議員団を代表して、令和2年度横浜市一般会計歳入歳出決算を認定し賛成する立場から討論させていただきます。

令和二年度は、4月7日に初めての緊急事態宣言が発出されるなど、経験のない新型コロナウイルスの爆発的な感染拡大の波に飲み込まれた1年でした。市民の皆様は、感染された方、残念ながら亡くなられた方も数多くいらっしゃり、そうでなくても新たな生活様式への対応、自粛生活が求められました。様々な事業者の経営にも大きな打撃があり、事業をたたまれた方も数多く、市民生活に多大なる影響があった1年でした。

横浜市としてもコロナ禍で事業を見直し、停止するものは停止し、至急対応が必要となる感染症対策に予算が措置されるなど、職員の皆さんも経験のない状況下で大変ご苦労なさったことと承知しています。
厳しい状況下ではありましたが、医療機関・福祉施設での感染症拡大防止策、PCR検査体制の確保、重症・中等症患者等の入院受け入れ体制の確保、Y-CERTやY-AEITの取組み等感染拡大防止と医療体制の確保に取組みながら、中小企業への資金繰り支援や「新しい生活様式」対応支援、商店街への支援や文化芸術活動への支援等、経済活動への支援も積極的に展開したことを、また我が会派が要望した提案についてもよく答えていただいたことを、評価しています。

一方で、市民の反対意見やコロナ禍による観光業界の動向変化を捉えることなく、カジノ・IR誘致のために市税が投入され続けたことには大きな問題がありました。IR推進費の令和2年度の決算額は3億3,655万8千円、令和3年度の予算執行額は、契約ベースで、約2億9,000万円となり、合計で約6億2,700万円もの税金が使われてきました。市民の反対意見を正面から受け止め、早期に誘致活動を停止していれば、執行されずに済んだ税金です。

今夏の市長選で山中市長が誕生し、10月1日にはIR推進室が廃止され完全に横浜市のカジノ・IR誘致が中止されました。市民との約束を守り、迅速な決断をされた市長に敬意を表します。しかしながら、10月19日の都市整備局決算審査の際に、私からの「なぜ市民の7割もの反対意見に向き合わなかったか」という質問に対して、当局からは「IRは未だ我が国に存在せず、その事業内容や懸念事項への対策などについて、市民の皆様のご理解を十分に得られなかったもの」と答弁されるなど、前市長時代の答弁が踏襲され、いまだ当局において市民意見と向き合わなかった反省が足りていないと言わざるを得ません。山中市長には、今後カジノ・IR誘致の問題を整理するとともに、特に市民との向き合い方についての課題を明確にし、市長のリーダーシップのもと改善していくことを要望します

決算全体を振り返ると、市税は25億8,600万円の減収となりながらも、実質収支は53億8,900万円の黒字となり、我が会派としましては、令和2年度横浜市一般会計歳入歳出決算を総合的に見て、認定することとしました。

令和4年度予算編成にあたっては、400億円の収支不足が見込まれるなど、厳しい財政状況が続きますが、市民と向き合い、市民に寄り添った市政運営を行いながら、持続可能な財政運営を推進していただくよう要望しまして、賛成討論を終わります。

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