市民意見は無視?横浜市の新市庁舎整備について。

2013-02-22 20:40:14 | カテゴリ:活動報告


先日横浜市は、新市庁舎整備基本構想(案)に関する市民意見募集を行いました。集まった意見提出者は294名。そのうち反対が最も多く95名で、32%を占めました。北仲通南地区案に賛成が81名、港町案が35名、分庁案が4名、場所の明記は無いが賛成が26名、といった実施結果となっています。では横浜市はこの結果をどう受け止めたかといえば、「北仲通南地区での整備案が最適な案」、「北仲通南地区を整備予定地と位置づけ、検討を進めます」としました。最も多かった明確な「反対」の声はどこに消えたのでしょうか?「市民意見反映の基本的な考え方」では、「2「基本構想」案に反映しない意見」という項目の中で、「(1)新市庁舎整備に反対・否定的な意見」とし、「行政・市会の双方において、新市庁舎を整備するという前提は変わっておらず」、「整備を根本から見直すような意見を反映することはできない」と記しています。

つまり、市の前提条件に合わない意見は反映しない、というわけです。こんなことが許されていいのでしょうか?そもそも新市庁舎の整備計画は、多くの市民の方には十分に説明されてきませんでした。「市民意見募集」が行われたのも、「新市庁舎を整備するという前提」ができた後。市民の声を聞く姿勢など、横浜市には無いと言わざるを得ません。

私たちみんなの党は、この問題は大きな問題であると捉え、議会で何度も見直しを訴えてきました。

横浜市は約5兆円の借金を抱え、中長期財政見通しでは、平成26年度〜28年度の3年間だけでも一般会計財政収支は1,480億円の赤字が見込まれています。そして今年は土地開発公社の解散に伴う第三セクター債の1,380億円を新たに起債(借金)する予定になっていて、港湾埋立企業会計も潜在的な赤字状態を抱える中、市主導の開発事業失敗の反省と、将来に対しどう解決するかの議論が見られません。

財政状況が極めて厳しいなか、市は「北仲通南地区」に31階建140メートル総事業費約1,400億円の新市庁舎を整備する案を進めているのです。「新市庁舎の建設」は、現在の横浜市民のみならず将来の横浜市民の皆様の税金によって成り立つ事業ですが、140メートルの超高層ビルの新市庁舎建設を、市民議論不在のまま行おうとしていますが、本当にいいのでしょうか?

まだまだ問題は他にもあります。市庁舎の整備は、単なる整備にとどまらず、50年100年にわたる横浜都心部のまちづくり、都市計画のグランドデザインに関わります。にも関わらず、現在の案には2019年以降の人口減少、それに伴う市職員必要数の減少、道州制・地域主権の流れから来る市役所から各区への分権化などの考えが盛り込まれていません。市庁舎建設の理由である「分散化」の解消は、本当に必要か?現庁舎の耐震工事にかけた50億円はなんだったのか?地震が起きた際、津波は大丈夫か?といった課題も残されたままです。

平成24年度中に「基本構想」が策定される予定ですが、「基本計画」は平成25年度に策定予定となっています。私たちみんなの党は、今後もこの新市庁舎建設の問題を重要課題とし、見直しを求めていきます。

Comment

  1. 興味深いお話ありがとうございます。面白いですね。これ、反対は最多の意見とは言えないと思います。民意は賛成だと思いますがどうですか?

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