2月23日午前中は、International Open Data Day in 横浜に参加してきました。オープンデータは、私も何度か議会で取り上げたり、「横浜オープンデータソリューション発展委員会」の活動に参加したりと、今後の横浜市の取組み中で非常に重要な取組みになると考えています。というのは、オープンデータは間違いなく「住民自治」に大きな貢献をするからです。
インターナショナル・オープンデータ・デーin横浜では、3つの分科会「横浜街歩きアプリ体験ツアー」、「横浜オープンデータハッカソン&アイディアソン vol.2」、「横浜をWikipediaタウンにしよう!街歩き」が開催され、私は1つ目の街歩きアプリ体験ツアーに参加しました。50名程の参加者があったので、いくつかの班に分かれましたが、私の班は「junaio」という、いわゆるARのアプリを活用した街歩きでした。ARは、スマートフォンのカメラとGPSを利用して、画面上に様々な情報のダグ付けを行うものです。
写真を見て頂くとよく分かると思いますが、画面上に吹き出しが表示されています。今回の街歩きでは「横浜歴史フィールドミュージアムAR」ということで、吹き出しをクリックすると昔の横浜の浮世絵が表示される仕組みになっていました。
今回面白かったのは、街歩きという方法です。本来のテーマとしては観光的側面が強いものでしたが、歩きながらARの可能性について話が展開したのは、防災であり、商店街でした。震災発生時に緊急速報がスマートフォンに届くと同時にアプリが起動し、その人が居る地点からどこに避難すれば良いのか分かるようなARアプリとか。無料Wi-Fi環境の乏しい日本で、海外からの旅行者にARで情報を提供するにはどうすればいいか。商店街での無料Wi-Fi整備と、ARの連携が新たな価値を生み出すのではないか。といった話が、歩きながら生まれてきました。会議室では気づけないことが、歩きながら、実際に目にしながらだと、よく気づけます。
そして午後は、「第6回青葉区コラボレーションフォーラム」に参加。地域で活動される方々のシンポジウムが行われ、その後は「青葉区の地産地消」、「音でつながる」、「人とのつながり」という3テーマ、3テーブルに分かれて、ワークショップ形式で意見交換。
私が参加したテーブルは、「青葉区の地産地消」。その中で行われた対話の1つが、マッピングです。青葉区の情報サイト「あおばみん」では、地元産の野菜を楽しめる飲食店をGoogleマップにマッピングしています。また青葉区には、農産物直売所マップという資料もあります。この生産者情報も、飲食店マップに落とし込めないか、という話で盛り上がったのです。現状Googleマップへの落とし込みは、お店を調べる所からすべて人力で行われています。でももし、飲食店や直売所の位置情報などがcsvやXMLで公開されていれば、より簡単に活用する事が可能になるわけです。
オープンデータに私が期待するのは、この役割です。地域の課題を地域の人達が解決しようとした時に、その活動をバックアップするデータが、情報が容易に入手可能であり、加工することができる。そしてそのデータを活用して課題解決が促される。
地方分権、地域主権が今後進展していけば、横浜市に権限や財源が移譲されます。問題は、この移譲される権限・財源をどのように活用するかです。これまでは国にあったものが、ただ関内の本庁舎に移動しただけで、結局各区には権限も、財源も無いような状況では不十分です。横浜市に移譲され、更に各区に移譲される。更に区では、区役所だけではなく、住民の皆様の参画により、政策形成が行われる。そういう状況が理想であり目標です。
また、財政状況が苦しい中、そして義務的経費が増大してくなかで、行政には新しい事にどんどん予算を配分する余力もありません。行政単独では十分に住民ニーズに応えられない、住民の皆様との協働、連携なくして解決できないということが当たり前になっていきます。そうした中で、いかに情報を伝えるか。分かりやすく、伝えるか。そこには十分なデータと、分かりやすく加工された表現されていることが必要になります。オープンデータの取組みが進展すれば、加工しやすく、2次利用可能な状態で、行政が持つデータが最大限公開され、企業でも、NPOでも、個人でも、そのデータを利用したアプリなどを開発、提供する事ができるようになります。そうして提供されるアプリやサービスを活用して、住民の細かなニーズを把握したり、応えたり、改善したり、することが可能になります。海外ではそうした事例が豊富に生まれていますし、アプリのコンテストを行う事で、開発を促進したりしています。日本では鯖江市でも、アプリコンテストが行われていたりします。
インターナショナル・オープンデータ・デーin横浜は、NHKなどでも報道され、注目を集めました。同じ日の同じ時間帯に、青葉区では「地産地消に関する情報をGoogleマップに落とし込むにも、人力で調査・入力しなければならず大変だった」、という会話が行われていたのです。今横浜では、関内周辺を中心に、企業やNPO、行政などの人達が、オープンデータを推進し、活用しようと様々な活動が行われ、日々発信されています。そしてここ青葉区では、その情報を、データを必要としている人達もいます。
横浜のオープンデータの推進に、大きな期待を感じた一日でした。まだまだ行政としての横浜市は、オープンデータにつてはこれからという側面も大きいですが、迅速に、全市的に取組み、他の自治体や海外の国々をリードできるよう、議会から促していきたいと思います。
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住民自治にとって情報共有や情報利用 さらに情報活用技術・人材が欠かせません。藤崎さんが言われるように「横浜市に移譲され、更に各区に移譲される。更に区では、区役所だけではなく、住民の皆様の参画により、政策形成が行われる。そういう状況が理想であり目標です。」 住民がまちづくり計画の政策・プラン形成過程に参画する 当然 責任などを伴ってきます 責任をとれるような「有能な」人材を地域にどのようにして確保するのか 財源を使うのですからどの状況で承認するのか 公明性や公開性 さらに市民は公選されていませんから 市民代表性の確保が必要です。 そのあたりがクリアされずに進むと藤沢市で現在おこっているような地域経営会議の見直し・・といったことが起こるのでハと危惧しています