横浜市会平成25年度予算第一特別委員会 こども青少年局審査(2013.3.4)

2013-03-09 00:48:02 | カテゴリ:活動報告


3月4日、平成25年度予算第一特別委員会にて、こども青少年局の審査を行いました。

以下は、質問の原稿と答弁の要約です。(実際のやりとりとは言い回し等が異なります。正確な議事録ではありません)

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みんなの党の藤崎浩太郎です。

まず、児童虐待対策の推進について、伺います。

子ども達が成長していく過程において、様々な楽しいことと同時に、虐待、イジメ、貧困、孤立など、 様々なリスクが横たわっています。子ども自身が、そして場合によってはその親も、望まずして問題に直面してしまう。貧困の連鎖や、貧困による疎外、疎外による貧困といった悪循環も指摘され、いかにしてこの連鎖を断ち切ることができるかについて、日本中で取組まれている所でもあります。大事なことは、子どもだけの支援、親だけの支援という分断された支援ではなく、親も子も両者の状況を把握しながらの支援であり、子が親になったときに、問題が繰り返し表出しないようにしていくことであり、様々なライフステージをカバーする一気通貫の支援ではないかと考えます。こうした視点から、 質問します。

1 児童虐待対策の推進

連日のように全国各地の児童虐待による重篤な事例に関するニュースが報道されています。最近では、県内においても座間市で、6歳の子どもが暴行を受け、骨折して、両親が逮捕された事例が報道されました。本市においても様々な虐待事例について、日々対応していると思います。
そこで、

(1)児童虐待の発生状況について、児童相談所統括担当部長に伺います。

答弁⇒23年度の件数は、820件で、16年度に次いで過去2番目に高い件数。年度未対応件数は、22年度以前から継続して対応を行っている数を含め、23年度末時点で2,148件。24年度の新規把握件数については、23年度を上回る状況で、900件に迫る見込み。

さて、虐待により幼い命が失われることは、決してあってはならないことですが、同じことを二度と繰り返さないためにも、区役所や児童相談所をはじめとする関係機関が、様々な視点で事例を振り返り、共有することで、再発防止に努める必要があると考えます。
そこで、

(2)発生した重篤事例を踏まえ、どのように対応しているのか、局長に伺います。

答弁⇒6人の外部専門家による「児童虐待による重篤事例等検証委員会」を設置し、事例に関する調査や発生原因の分析等を行い、再発防止策を検討している。検証委員会の提言に基づき、各家庭に寄り添った適切な支援の進め方、医療機関・学校等関係機関との連携、区役所や児童相談所の組織的対応など必要な施策を講じ、具体的な事例に学ぶ研修の実施など、職員の人材育成にも活用している。

厚生労働省が、平成24年7月に発表した「子ども虐待による死亡事例等の検証結果等」に関する「第8次報告」によれば、平成22年4月から23年3月までの1年間に、子どもが虐待により死亡した件数は、全国で98人となっており、前年比で10人増加しています。中でも、心中以外で虐待により死亡した子どもは51人で、そのうち0歳児が23人(45.1%)と最も多い状況となっています。出産後まもなくの育児不安や子育ての重い負担感がその背景にあり、早期からの相談や支援を開始する必要があることが、「第8次報告」でも提言されています。
少子化の進行や女性の社会進出など、妊娠・出産のあり方、子育てのあり方も変容しています。合わせて、子どもを取り巻く環境が変化し、支援のあり様も変化してきているのではないかと考えています。
状況によっては児童虐待という方向にも進んでしまいますし、明らかな虐待に至らずとも、この時期の不適切養育は子どもの心の成長にとって大きな妨げとなり、時には世代を超えた虐待の連鎖につながるともいわれています。
妊娠・出産という子育ての早期から適切な支援を行うことが非常に重要であると考えます。25年度に産前産後ケア事業の拡充を図っていますが、
そこで、

(3) 産前産後ケア事業の見直し理由とその効果について、局長に伺います。

答弁⇒産前・産後の負担や育児不安の軽減を図ることを目的としたヘルパー派遣制度をより利用しやすくするために見直しを行い、里帰り出産した方が、自宅に戻った時に利用できるよう、対象者を産後8週から5か月未満までに拡大した。また、退院直後からヘルパー利用が可能となるよう、出産前の妊婦32週から事前申込みができるようにすると共に、所得の低い方の自己負担額を軽減した。

産前うつや産後うつなど、産前産後の母親のメンタル面でのケアの重要性は指摘するまでもありません。虐待の背景に、母親の精神面での課題も指摘されています。
不安を抱える中で、家族や周囲からの支援を受けられず、孤立していく方もいらっしゃるのではないでしょうか。妊娠・出産をする子育て家庭に対して、この事業をよく知ってもらい、利用を促すことがとても重要です。
母子健康手帳を交付する際に、産前産後の大変な時期に子育てをサポートしてもらえる産前産後ケア事業の周知徹底をお願いします。

次に、25年度に新規実施する「産後母子ケアモデル事業」について、伺います。
先にふれた「第8次報告」などでは、児童虐待による死亡事例において、望まない妊娠による出産等がハイリスク要因となっていると報告されています。
そこで、

(4) 事業が必要になった理由と目的について、局長に伺います。

答弁⇒退院後は慣れない育児で心身ともに大きな負担がかかり、最もサポートが求められる時期だが、家族等から十分な支援を受けられない方もいる。また、この時期に重篤な虐待事例の発生も見られます。そこで、産後の心身ともに不安定な時期に、本人や家族の養育力に不安があるなど、特に支援を必要とする母子に対し、デイケアやショ-トステイを実施し、育児不安の解消や児童虐待の予防を図る。

産後母子ケアモデル事業は、産科医療機関や助産所を活用して実施するとのことですが、

(5) 事業の具体的な内容について、医務担当部長に伺います。

答弁⇒産後4か月未満の母子を対象に、家庭的な雰囲気の中で妊娠・出産・育児を専門的に支援する助産所等を活用し、産後の体力回復に向けた心身のケアや授乳・沐浴方法などの育児技術の援助を行う。また、赤ちゃんのいる生活に慣れ、自分にあった授乳方法などを選択して子育てができるよう一緒に考え、母と子の愛着関係の形成を支援する。

モデル事業を実施するにあたり、妊娠や出産にかかわる産科医療機関や、妊娠の届出時から関わりをもつ区福祉保健センターの専門職が、育児不安や養育上の問題をかかえた子育て家庭を的確に把握すること、デイケアやショートステイの利用にむすびつけること、そしてサービス利用終了後も、在宅での育児支援を継続していくことで、児童虐待の予防にもつながるではないかと思います。そのために、産科医療機関をはじめとする関係機関との連携を進めていただくようお願いします。
さて、本事業は、モデル実施ですので、今後、検証していくことと思います。
そこで、

(6) 事業をどのような観点で検証していくのか、局長に伺います。

答弁⇒産後母子ケアモデル事業は、平成26年度までの2年間市内3か所程度の助産所等を活用してモデル実施。モデル事業における個々の事例を通して、利用効果や利用ニーズ、医療機関等との連携の仕組みや、今後の産後ケア事業の展開方法について、区役所をはじめ、産科医療機関等や助産所などの関係機関とともに丁寧に検証していく。

モデル事業の検証をきちんと行い、出産後の母子への新たな支援策の取組を進めていただくようお願いします。

次に、システムの活用策について、お伺いします。
先にふれました、厚生労働省の「第8次報告」によると、「情報が組織として共有され、漏れなく適切な評価、対応につながるようなシステムや体制をつくることが必要」であり、「再発防止という観点では、行政機関の対応の検証だけでなく、なぜ虐待が起こったのかという発生原因を探る必要がある」と述べられています。
この指摘を踏まえると、事例の情報を効果的に統括することのできるシステムを構築し、虐待のリスクに早期に対応することが重要と考えます。

本市では、乳幼児健康診査の未受診者対策の強化等を目的に、25年3月から新たな母子保健システムの運用が開始されたということです。このシステムは、母と子をひも付し、妊娠の届出から子どもが18歳の年齢に到達するまでの健康情報等が総合的に管理され、子育て支援に活用するとのことです。児童虐待の重篤事例が続いており、この母子保健システムを活用した未受診者対策、虐待の未然防止対策の推進が期待されるところです。
そこで、

(7) 母子保健システムの目的と効果について、局長に伺います。

答弁⇒母子保健システムは、妊娠・出産・乳幼児期、学齢期を通じた子どもの健康情報を一元管理することにより、子どもの健やかな成長発達のための支援や、親への育児支援などに活用することを目的としている。また、育児虐待のリスクが比較的高いとされている乳幼児健康診査未受診者を抽出し、他の母子保健サービスの利用状況を把握し、必要な支援を行うために活用するとともに、児童相談所などの関係機関からの問い合わせに迅速に対応するなど、児童虐待の未然防止に活用する。

このシステムは、本市の母子保健の対策を検討する上で、親と子に関する基本的な情報源になると考えますので、適切な運用管理をお願いします。

さて、24年度に、区役所と児童相談所の連携強化により、更に児童虐待対策を推進することを目的に、「児童虐待対策 連携強化 プロジェクト」が設置されました。25年1月にまとめられたプロジェクトの報告書によると、25年度以降の具体的な対応策の一つとして、「情報共有促進のための業務改善」や「効果的な組織対応の徹底」を行うために、「養育支援台帳システム」を改修し、業務を効率化することが指摘されています。
それを踏まえ、25年度予算案では、「児童虐待防止への取組を充実」するために、「養育支援台帳システム」の改修を実施するとされています。
この「養育支援台帳システム」は、区役所と児童相談所の両機関が、支援が必要な事例の情報を共有し、支援状況を確認する会議等で活用されていると聞いています。
そこで、

(8) 養育支援台帳システムの改修の目的と効果は何か、局長に伺います。

答弁⇒システムの改修により区役所と児童相談所が、支援の必要な家庭の情報を今まで以上に効率的に共有することを、目的としている。また、区役所の児童虐待対策の調整役を担う区こども家庭支援課に、保育所入所や生活保護など、区役所の持つ情報を集約し、組織的対応の強化を目指す。

行政の様々な情報を常にシステム等にデータとして蓄積し、比較・分析して情報共有し、関係部署が相互に情報を引き継ぎ、市民のライフステージに応じて、様々な情報を一元的に管理・活用すべきと考えます。特に本市は、369万人の人口を抱え、様々な特徴をもつ多様な地域から構成されています。本市が蓄積していくデータは、量も豊富で、多様性に富むデータとなり、貴重な研究材料にもなり得ます。今後児童虐待の原因を探ったり、リスクを把握したり、場合によっては大学との連携で研究を行ったりする時にも、データを蓄積し、分析できるようにしておくことは重要です。児童虐待対策において、二つのシステムを有効に活用することは、重要であると考えます。データを一貫して管理していく。分析可能であり、1人の人が子どもの時から、大人になるまでの状況を継続的に把握できるシステムにすることで、様々なリスクからしっかりと守っていく。そういうシステムの設計を、この機に行うのが良いのではないかと考えます。
そこで、

(9) 様々なデータを蓄積して分析することにより、児童虐待の発生予防や再発防止にいかすべきと考えるがどうか、局長に伺います。

答弁⇒児童虐待対策を効果的に進めるには、データを活用し、必要な分析を行うなど、実態を把握することが重要。児童虐待は様々な要因が複雑に絡み合い発生しており、個別性を十分に把握し、刻々と変化する状況に応じた専門的な対応が求められる。そこで、データ分析等に加え、支援に関わる職員が適切に対応できるよう、感度を高め、資質の向上していくことも必要と考える。

さて、児童虐待を発見したり、孤立した家庭を支援したりするための「ヨコのつながり」として、「地域子育て支援拠点」や「親と子のつどいの広場」、自治会町内会、アパートのオーナーや不動産事業者などが連携するとともに、地域と区役所等行政機関を結ぶネットワークがあると、通報の促進や日常的な支援にも役立つと考えます。健康福祉局に於いては孤立死防止のために、ガス会社や電力会社など民間事業者との連携がスタートしています。
そこで、

(10)児童虐待を早期発見するために、地域との連携をどのように進めていくのか、局長に伺います。

答弁⇒児童虐待を早期に発見するため、民生委員・児童委員や子育て支援団体、民間事業者など地域関係者とのネットワークを活用し、様々な情報を集約することが重要。そこで、支援が必要な家庭に関して、それぞれの関係者が地域で把握した情報をためらわずに区役所や児童相談所に提供していただけるよう、市内のコンビニエンスストア全店、商店街各店の合計約13,000店舗への協力依頼を、引き続き行うとともに、地域の皆様が参加する様々な機会を通じて、広報・啓発を幅広く進める。

地域・関係機関による見守りや支援により、児童虐待が未然に防止され、虐待の再発や連鎖が起きることのないように、引き続き、切れ目のない対応を行っていただくようお願いします。

2 地域子育て支援

次に、地域における子育て支援について、いくつか伺います。

横浜市の保育所待機児童が、今年4月にゼロになる見込みであることが報道されています。「日本一待機児童が多い都市」としての汚名は返上できたのではないかと思いますが、必ずしもニーズに応えられている訳ではありません。
また、待機児童はゼロに越したことはありませんが、何も待機児童対策が子育て施策の全てではありません。本市では他にも様々な子育て支援施策を実施してきました。
先日は、地元の青葉区の地域子育て支援拠点に伺いました。子どもがのびのびと遊び、親が子どもの様子を見ながらゆったりとくつろぐなど、親子がともに、安心して、楽しそうに過ごしている姿が印象的でした。子育て支援拠点での出会いを通じて、親同士が友達になることも多くあるとも伺っています。インターネット等を介して、日本中の境遇を同じくする人同士でのコミュニケーションが容易になる一方、自分たちが住む地域の中で、直接、顔を合わせることのできる場での人とのつながりもまた重要であると、改めて感じたところです。
そこで、
(1)地域子育て支援施策として、どのようなことを展開しているか、局長に伺います。

答弁⇒主な事業としては、地域子育て支援拠点や、親と子のつどいの広場などで、子育て中の親子が安心して過ごし、交流できる居場所の提供や、子育て相談、子育て情報の提供を行っている。

青葉区の地域子育て支援拠点では、たくさんの親子が集まっていました。登録者数は5,000を超え、昨年の夏には300名のもの方が訪れた日もあったということです。また近隣であり鉄道沿線にある川崎市の方や大和市の方が利用されるケースも多いようです。17年度に最初の地域子育て支援拠点が港北区に整備され、23年度に青葉区に整備されたことで、全区の地域子育て支援拠点の設置が完了しています。
そこで、

(2)地域子育て支援拠点の今年度の利用実績(全市の延べ利用者数、1日平均利用者数)はどうか、子育て支援部長に伺います。

答弁⇒25年1月末時点で、全国18か所の地域子育て支援拠点の合計利用者数は、延べ389,205人一拠点あたりの一日平均利用者数は、親子で107人と、大勢の親子でにぎわっている。

青葉区の地域子育て支援拠点では、利用者のお母さんがスタッフと話している姿がありました。また、個室の相談室も用意されていました。悩みを打ち明けるというのは、難しいことではありますが、親切に対応するスタッフの存在など、様々な心配りがある、このような場所であれば、安心して、本音を打ち明けることができるのではないかと思います。
そこで、

(3)地域子育て支援拠点での相談内容は、どのようなものが多いのか、局長に伺います。

答弁⇒子育てに関わるものとして生活習慣に関すること、発育や健康に関すること、子ども連れで出かける場所に関することなど。気分が落ち込む、など親自身の相談や、家族との関係の相談、また中には、児童虐待のおそれがあるなど、深刻な相談もある。
一つひとつの相談を受け止めて、しっかりと対応していただきたいと思います。
社会の変化に伴う、子育て環境の変化は、まさに今子育てをしている方々が最もよく認識されていることだと思います。現場で、子育て中の方から得られる生の声を受け止め、分析し、施策に反映していくことが重要であると考えます。
そこで、

(4)相談から見えてくる、親子の状態をどのように捉えているか、局長に伺います。

答弁⇒日々成長する子どもに、どの様に対応したら良いかわからずに困っている状況が見えてくる。また、身近に相談できる相手がいない状況にあることが伺える。子どもへの虐待のおそれがあるなど、深刻な状況にある親については、区役所等につなげている。

結婚や出産を機に、引っ越しをされる方が多くいらっしゃいます。子育て世代にとって、子どもが生まれ、子育てを始めるタイミングは、身の回りの生活の様々なことを考え、見直す、大きな節目でもあります。
転入・転出が多い本市では、身近に知り合いのいない、見知らぬ土地で子育てされている方も多いと考えられ、近所に気軽に相談できる人が少ない方もいらっしゃると思います。

そこで、

(5)親子が孤立化しないよう、対策をどのように進めていくのか、局長伺います。

答弁⇒子育ての悩みには、誰かと共有したり、子どもの成長の見通しを持つことで解決するものも多くある。そこで、親子の居場所で、スタッフが利用者に対してさりげなく声掛けをするなど、親同士が出会い、打ち解けて、悩みを共有できる関係を築けるように働きかけていく。

また、10代や外国人など、同じ立場の親が集まる機会を設けたり、子育てサークルを育成するなど、子育ての仲間作りを目的とした取組も行っており、こうした取組により、孤立化の防止を進めていく。

3 子育て施策に関する情報戦略

本市では2020年をピークに人口が減少すると推計されています。そうした中で、如何に人口を増加させるかという取組みがこれから益々重要になります。

市長も、「平成25年度の市政の基本方針と予算案について」のなかで、「魅力に溢れた都市の姿を目指すことで、住みたい、事業を営みたいと選んでいただき、実際にその良さを実感していただく。そして、今後も住み続け、活躍の場としたいと、誰もが願う横浜にしてまいります。」としています。
こども青少年局が所管する施策に関しても、本市の人口を増加させるための魅力の1つとして、効果的に情報発信をしていく必要があります。特に、子育て世代という、これから定住する場所を決めていく方々に、横浜の魅力をアピールしていく情報戦略が、人口の増加や人々が住み続けるまち横浜の実現につながると考えます。

まず、子育て世代にアピールできる都市となるためには、何よりも魅力ある子育て施策が展開されていることが重要だと考えます。親と子のつどいの広場などの親子の居場所は、横浜市の市民活動が先駆けとなり国の事業のモデルとなったとも聞いています。

本市では、保育所待機児童対策が進む中、ともすれば保育所入所だけが注目されますが、

(1) 本市の子育て支援として、他都市に比べ、特色のある事業はどのようなものがあるのか、局長に伺います。

答弁⇒待機児童対策では、保育コンシェルジュの各区配置や、幼稚園を利用して長時間保育を行う「幼稚園預かり保育」を積極的に実施していることが、また地域の子育て支援では、子育て中の方の交流・相談の場である地域子育て支援拠点や、親と子のつどい広場をNPO法人をはじめ子育て支援に関心のある市民とともに運営していることがあげられる。

様々な施策のご紹介がありました。これまで本市の取組みの中で、子育て環境の充実に力が注がれてきたことが分かります。とはいえ、福祉施策は拡大し、充実させていくほど、支出が増大しつづけます。そうしたことを考えますと、本市の子育て施策は、もちろん市民向けに用意されている訳ですが、市長も住む場所として横浜を選んで頂きたいと仰るように、市外向けにも本市の子育て施策を発信し、人口増につなげる取組みが必要ではないでしょうか。
既に本市にお住まいの方々に十分に伝えることはもちろん重要ですが、これからは、横浜の子育て施策を市外に発信し、市外にお住まいの方々に「子育てをするなら横浜」と思ってもらうための取組みも重要だと考えます。流山市では「母になるなら流山市」というコピーを掲げ、シティセールスに取組んでいます。人口の増加や、出生率の上昇につながっているということです。
そこで、

(2) 市外にお住まいの方々へ、本市の子育て施策の魅力を発信し、知って頂くことの重要性について局長のお考えを伺います。

答弁⇒横浜の活力を維持していくためにも、子育てしやすいまちであることを市外にアピールしていくことは重要。安心して子どもを産み育てる環境作りに取組とともに、その取組を市内だけでなく、市外へも適切に情報発信できる方策を検討していく。

ところで、オープンデータに関しては、これまでも、わが党の議員から、様々な機会で質問をさせていただいていますが、子育て施策の充実にとってもオープンデータは欠かせない取組みだと考えます。

例えば、地域子育て支援拠点や親と子のつどいの広場、保育所などの位置情報をオープンデータ化することで、誰もがそのデータを活用できるようになります。それにより、企業、NPOや個人がスマートフォン向けアプリを開発すれば、身近な子育て支援拠点を探したり、近隣の飲食店や子育て関係のお店を調べたりすることも可能になります。設計によっては、コミュニケーションを生み出したり、課題を解決するようなアプリも創出されるかもしれません。利用者相互の、つながりが生まれたり、本市の施策が改善されることもあるかもしれません。

スマートフォンは、総務省の平成23年度の調査では、全国で約3割の世帯が保有し、特に、世帯主が20歳台や30歳台の世帯で保有率が高くなっており、子育て世代にとっては、親和性の高いツールでもあります。スマートフォンを前提として情報発信をしていくことで、 横浜の子育て施策やその魅力を市外の方々にも有効にアピールできるのではないかと思います。

既に提供されている本市の子育て支援サービスの中では「ハマハグ」は、まさにスマートフォンや、オープンデータに適した素材でもあると思います。4,000件近い店舗が登録され、その場所はマッピングされています。お店の情報や位置情報をオープンデータ化できれば、民間事業者によるアプリの開発等でも活用できます。また、現状のHPは5年前に制作されたもので、少し使いづらい部分もありますが、ハマハグ自体は市民だけでなく、市外の方にも利用できる仕組みとなっています。スマートフォンに対応させたりする中で、来街者にも活用してもらえれば、観光や地域経済にも寄与することができますし、すぐにでも活用可能と考えています。

サービスの提供者は行政でも、情報の発信者は必ずしも行政である必要はありません。民間事業者も、行政のデータを活用して情報発信したり、サービスを提供したりできる素地をつくる必要があるのではないでしょうか。
そこで、

(3) スマートフォンの普及やアプリケーションの利用も視野に、子育て環境としても、オープンデータを活用できることが重要と考えますが、局長の見解を伺います。

答弁⇒IT分野の進歩に応じて、子育て世代への適切な方法で情報提供を行うことは、重要であると認識している。オープンデータを研究する民間団体等の活動を支援している政策局などの取組も参考に、必要な検討を行っていく。

千葉県の流山市ではオープンデータの取組みの中で、 子育てや教育施設、さらに、授乳やおむつ替えができる「赤ちゃんホットスペース」の所在がオープンデータとして提供されています。

また、2月23日に行われた、インターナショナル・オープンデータデイの千葉市での取組みは、「子育てNo.1千葉」というテーマで取組みが行われています。

本市のオープンデータは、政策局が中心になり、民間の方々と協力して推進されていますが、こども青少年局にとっても他人事ではありません。他自治体の「子育て施策」における取組みをご覧頂き、今後の本市の参考にして頂きたいと思います。

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