横浜市経済局が取り組むオープンイノベーション事業「I・ToP横浜」では、実証実験のフィールド提供のために「I・ToP横浜ラボ」という取り組みを実施しています。今回、横浜市住宅供給公社との連携で、2021年3月から9月まで、青葉区市ケ尾町にある集合住宅「オクトス市ケ尾」の共同菜園にて、青葉電子株式会社さんによるクラウド、IoT技術を活用した、全自動菜園の実証実験が行われています。
アメリカのFarm bot社が開発した、オープンソース化されたキットを活用して、ソーラーパネルからの給電のみで動くロボットが、共同菜園に設置されています。「百葉箱」と呼ばれる計測器やセンサー、通信設備、カメラが入ったユニットと、ロボットを動かすモジュールが繋がれていて、オンラインで監視もできるようになっています。モジュールのコンピュータにはRaspberry Pi等が使われていて、オープンソースと調達が容易な機器で構成されています。
ロボットは、種まきや水撒き、雑草除去が自動化されています。雑草除去は、種を撒いた場所の位置情報が把握されているので、種を撒いた場所(野菜が生えている場所)ではない所の植物(緑)を、カメラで確認して除去する仕組みとなっています。
SNS、Webサイトを活用してコミュニティの活性化に寄与
野菜の収穫だけを目的とせず、百葉箱のカメラやセンサー情報をWebサイトで公開したり、SNS上でコミュニケーションを行ったりと、「植育」を通じての、コミュニティの活性化も企図されています。ニューヨークのBrooklyn Grangeが参考にされているということで、農と技術を介して、人が集まる場を作っていきたいと考えていらっしゃいます。
また教育に活かすことの視点を強くお持ちで、学校教育の現場、花壇や生き物、環境を考える機会に、こうしたロボットやセンサー、データを活用した取り組みを導入し、自分たちの住んでいる環境をより知る機会になったり、経年での比較を可能にしたり、数字で考える機会を提供できるようにしていきたいとお考えでした。
感想
オープンソース化されたキットや、安価で簡単に手に入る機材で、太陽光発電のみで、クラウド利用から、生育環境の把握、雑草除去までできて、技術の進歩に目を見張りました。収穫はロボットではできないそうですが、収穫は人の手で、コミュニティの楽しみとして残されていて良いなと思います。
その気になれば、ホームセンターとちょっとしたECでほとんど組み立てられそうで、プログラミングもできる余地がありますので、子どもたちの教育環境のなかで、製造、プログラミング、育成、観察、収穫、調理まで、一環して経験できたとしたら、良い教育になるなと思います。
私自身も、環境データの活用は非常に面白い、今後の行政施策においても重要な要素だと考えています。バルセロナでもセンサーの活用が進んでいますが、センサーによる環境情報の把握は、今後の都市経営において、施策の効果測定などの視点からも有用です。アグリテック(Agritech)など、様々な形でデジタルテクノロジー、IoTの活用が進んでいますが、それぞれの取組でセンサーが設置され、そのデータが公開、共有、一元管理できたら、都市のもつ一面を可視化させることにつながり、より高度な施策を展開できるだろうなと思います。
■Webサイト:ITOP Yokohama Lab Farm
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