決算第二特別委員会、文化観光局審査。

2011-10-05 22:36:36 | カテゴリ:活動報告


本日、決算第二特別委員会において、文化観光局の決算審査に立ちました。文化観光政策は、横浜市の経済活性化のために、非常に重要な政策です。沢山 の方が来訪されれば、消費が増えて、経済が活性化する。そのために、観光・MICE・創造都市政策が横浜市の成長分野として位置付けられています。

1、誘客事業について

まずはじめに、誘客事業について質問しました。横浜市の中期4か年計画において、H21に2,693万人だった集客実人員数を2,800万人に増や す計画となっています。しかしながら、H22の集客実人員数は2,619万人となっており、減少しています。こうした中、横浜市はプロモーション認定事業、国内向け横浜プロモーション事業、上海万博でのプロモーション等を行ってきました。認定事業は約2,300万円の補助金を出し、48事業(約30億円 の総事業費)を認定し68万人の誘客効果があったということでした。国内向けプロモーションは北海道、青森、秋田を重点地区として、現地での営業活動を 行ってきたとのこと。万博の効果は、どれだけ誘客につながったかは不明ということでした。

2、観光の滞在環境について

横浜市の集客実人員のうち、およそ14%が宿泊客です。非常に少ない状況にあり、京都の半分程度です。日帰り客の消費額が4,961円、宿泊客が 27,079円であることを考えると、宿泊客を増加させることは、横浜の観光政策、経済対策にとって重要と考えています。宿泊客を増やすためには、夜の横 浜を楽しんでもらう必要があります。つまり、滞在時間を長くする取組が必要になります。この認識は、横浜市も共有しています。そうした中で、観光で本市に 訪れた方々が、演劇を見てから食事をしたり、夜に発揮される本市の魅力を楽しんでもらったりできる環境、いわゆる「夜の賑わい」にどう取り組むか質問しま した。横浜の夜の観光資源に、夜景、Jazz、Bar、などがありますので、そうした資源を開発、商品化しながら、セールスにつなげていくようになりま す。

3、MICEについて

横浜市の観光政策の中でMICE(Meeting、Incentive、Convention、Exhibition)が重要な位置を占めています。国際コンベンションの開催件数では東京に次ぐ規模。国際コンベンションの参加者数にお いては、日本一の規模を誇っています。外国人中心の国際会議の場合平均消費額が約6万3千円と、観光来街者の約7倍となっており、国際コンベンションの誘 致によって、市内での消費など経済活動の活性化や、「横浜」という都市を世界に知ってもらうシティセールスの面からの効果が期待できます。一方近年は、国 内外の都市がMICEに積極的に取り組み始めています。国内の開催件数では、横浜は3位となっています。そうした中、如何にして国際コンベンションを誘致 していくのか、質問をしました。来年には「第10回国際幹細胞研究学会」が開催されます。ここで言われている幹細胞とはiPS細胞です。残念ながら山中伸弥教授はノーベル賞 受賞を今年は受賞されませんでしたが、毎年名前が挙がっています。横浜市では、文部科学省と協力しながら、研究者と高校生との交流の機会を設けるなど、誘 致だけでなく広がりのある取組を行うということでした。また、国内他都市との競争に関しては、市内の大学と連携を深めながら小規模の国際会議を増やしつ つ、現在行われているコンベンションを、国際化することを促したりしていくということでした。特に心配なのが、大阪府の取組です。大阪府は京都府、奈良 県、兵庫県などを包括する関西圏として、MICE機能をメインとした「統合型リゾート」構想を計画しています。計画が実現するかどうかはまだ分かりませ ん。しかしながら、関西空港や5つの世界遺産を抱え、ターゲットも「中国をはじめとした東アジアからの訪日外国人」となっています。立地や規模などの面か ら、実現することを想定した場合本市のMICE政策に大きな脅威になると考えられます。横浜市だけでの取組ではなく、鎌倉や箱根などと連携した取組を、訴 えました。

4、アーツコミッションについて

創造都市政策において、集積が非常に重要になると考えます。以前より、「シリコンバレー」など、産業クラスターの重要性も認識されている所です。産 業クラスターの文脈においてその効用として、生産性の向上やイノベーションの誘発、競争力の向上などが指摘され、企業や個人個人とのネットワークや密なコ ミュニケーションが重要な要素として指摘されています。創造都市は文化芸術のクラスターでもあるわけで、集積すればするほど、効果が得られるとも考えられ ます。そこで、まさにその集積を狙った「アーツコミッション・ヨコハマ」の取組について、質問しました。現状として、100を超えるアーティストや事務所 などの集積が実現できているものの、地域の活性化などはまだまだ実現できていない課題もありました。今後は、芸術の文脈においてのみならず、福祉など様々 な業種と協働しながら、市民にも分かりやすい取組を発信していきたいということでした。

文化観光施策は、今後期待される分野である一方、効果が測定しづらかったり、長期的な取組が必要だったり、評価しづらい面があります。しかしなが ら、創造都市など今後の横浜のブランディングにも非常に重要ですので、誰が見ても必要と思える、目に見える実績も残して行って欲しいという旨を伝え、質問 を終えました。

<動画その1>

<動画その2>

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