児童虐待の増加傾向は横浜市でも生じています。令和元年度の「横浜市における児童虐待の対応状況」が発表されていますが、令和元年度は1万件を超えました。令和2年度においては、暫定的な数字ではありますが、区役所での受理件数は前年比より減少していますが、児童相談所での受理件数は前年度を上回り、合計では240件上回っています。
昨年(2020年)3月頃からは、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う、在宅ワークや学校休業等による在宅時間増加に起因する、家庭内暴力や児童虐待増加が懸念されていました。会期中も、会期外でも、市の関係部署に対して、LINE活用等による相談体制の拡充を提案しました。この提案が実現し、2020年7月1日からLINEでの児童虐待相談が可能となりました。7月はリリース間もなく職員がテストで利用したケースもあるということで126件の相談受付から始まり、12月には350件と、徐々にLINEからの相談件数が増加してきています。そのうち実際に虐待の相談だったものが、7月21件、8月16件、9月25件、10月26件、11月32件、12月56件と増加しています。相談しやすい体制、窓口づくりの手段としてLINEを提案しましたが、一定の成果になってきています。
対応件数が増加することで、一時保護所に入所する児童も増えています。4ヶ所の一時保護所の合計の定員が161名に対して、2020年12月の平均入所人数は199.0名となっています。先日は北部児童相談所(都筑区)の一時保護所に視察に伺いましたが、定員30名に対して最大で44名を受け入れた時もあったといいます。6人部屋、2人部屋、1人部屋とあるなかで、部屋の床に布団を敷いたり、本来居室ではない相談室に布団を敷いたりしながら、やり繰りをしているのが現状です。
令和3年度予算案が示され、その中でも「児童虐待対策の充実」として31億5,000万円の予算が計上されました。今後の児童相談所あり方検討には100万円の予算が計上されています。現在、一部児童相談所・一時保護所の再整備などが進められていますが、子ども達が守られる環境をしっかり用意できるように検討を進めてもらいたいですし、併せて現場で働く職員の方々のことや、社会的養護施策のあり方についても、十分検討してもらいたいと思います。
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